乙女ゲームの正しい進め方

みおな

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 乙女ゲーム『花盗人の日記』は、平民だったヒロインが、母親を亡くしたことで子爵家に引き取られることから始まる。

 学園の入学式で攻略対象たちと出会う。
迷ったヒロインを攻略対象たちが案内するのだ。

 出会う攻略対象は五人。
そのうちの王道である王子様が、エルム・ファレノプシス。つまりはエルム兄様ってことだ。

 私ってば、なんで名前を聞いたときに気付かないかなぁ。

 あの乙女ゲームはラノベ版じゃないから、悪役令嬢なんて出てこない。
 正真正銘、ヒロインが攻略対象と縁を深めるだけのゲームだ。

 実際、エルム兄様に婚約者はいない。

 だから、ヒロインとの出会いイベントを終えたのなら、今は普通にヒロインに興味を持ってる時期のはずなんだけど。

 好感度が上下し始めるのは、ある程度まで攻略が進んでからだ。

 なのに、何故に?
ヒロイン、一体なにをやってるの?

「エルム兄様。その子爵令嬢様と言うのは、どのような方なのですか?」

 多分、ヒロインだと思う。
思うけど、エルム兄様の嫌がり方からいうと、もしかしたら違うのかもしれない。

「うん?可愛いアイリスが気にかけるような人物じゃないよ」

「可愛らしい方ですか?」

「アイリス?もしかしてヤキモチとか?ああ!可愛いアイリスに嫉妬してもらえるなら、あの女も役に立つな」

「・・・」

 なんだかエルム兄様が、意味不明なことを言ってる気がするけど。

 そっか。
でも、イケメンな兄を持つ妹って、ブラコンでもおかしくないのか。

 確かに、十五歳になった兄様はイケメンだったわ。私の推しはツンデレキャラだったけど。

 そういえば、エルム兄様がいて、ヒロインがいるのなら、私の推しもいるのかも。

「金色の髪に橙色の瞳だったかな。周囲の男たちが可愛いとか言ってたけど、アイリスを知ってる僕からしたら、あんなの普通だね。第一、態度が令嬢として相応しくない」

「金色の髪に橙色の瞳・・・」

 やっぱりヒロインだ。
名前はディジー。

 態度が令嬢として相応しくない・・・
確かにヒロインは元が平民で、その分天真爛漫なところとがあるけど、相応しくないなんて、好感度底辺ランクの時に言われるセリフなんだけど。

「エルム兄様は、その方を可愛いと思わないのですか?」

「どうして僕が?大体、あんなのを可愛いとか騒いでいるのは、下位貴族くらいだよ。少なくともアイリスを知ってる高位貴族は相手にしていない」

 攻略対象、全員が高位貴族だったと思うけど。

 ヒロイン、ほんとに何やってるの?


 
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