乙女ゲームの正しい進め方

みおな

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 八歳になった。
お兄様が学園に入学したよ。

 それから、お風呂の開発、やっと出来たよ。

 高位貴族になるほど、がっちりとドレスアップしてるから汗もかくし、逆に平民の人たちは肉体労働とかで汚れるから、あっという間にものすごく普及した。

 まだちょっと温石が高いから、平民の人たちには銭湯的な共同使用になったけど。
 そのうち、もう少し安くなるように改善してくれるって。

 毒検知の魔道具は、もう普通に出回ってる。
 あれは、魔道具に使用者が魔力を流すシステムで、流す魔力も少なくていいんだよね。

 もっとも、平民の人たちにはそんなに必要性がないから、医療従事者しか持ってないけど。

 おかげでご飯が美味しくて、美味しくて。太るんじゃないかと心配なこの頃。何か運動を考えた方がいいかもしれない。

 あれから・・・
アイリスとは話せていない。私と融合したのだと、もうゆっくり休んでいるのだと思うことにした。

 実際、私はお父様もお母様も、エルム兄様のことも、家族だと思ってる。
 一年のうちに、それなりにいい関係を築けていると思う。

 どちらかというと、甘やかされて溺愛されてるかな。

 アイリスが喜んでくれるといいけど。

 そんなことを思いながら毎日を過ごしていたある日、学園から戻って来たエルム兄様が妙なことを言い出した。

「は?兄様もう一度言ってもらえますか?」

「うん、だからね。平民だった子爵令嬢が、妙に馴れ馴れしくて、イライラしてストレスなんだ。だから、アイリスに癒して欲しいんだ」

 いや。兄様。
八歳の妹に何をどうしろというの?
 頭でも撫でればいいのか?

 私は精一杯背伸びして、エルム兄様の頭を撫でようとして・・・届かなかった。

 兄様が笑いながら頭を下げてくれる。
 あんまり笑うから、ムッとしてその紫色の髪をぐしゃぐしゃとかき回してやった。

 なのに、乱れた前髪の隙間から、どこか嬉しそうに私を見つめる紫色の瞳を見て、ふと気がついた。

 えーと。えーと。
ちょっと待って。
 エルム・ファレノプシス?
紫色の髪と瞳の王子様って・・・乙女ゲーム『花盗人の日記』の攻略対象?

 乙女ゲーム『花盗人の日記』にはアイリスなんて出てこなかったから、気にしてなかった!
 どこかで見た顔だなぁって思ってたんだ!

 舞台は学園なんだから、五歳年下の妹なんて出てくるわけがないんだ。

 え?え?
じゃあ、その馴れ馴れしくしてくる平民上がりの子爵令嬢って、ヒロイン?

 エルム兄様、イライラするとか言ってなかった?

 ヒロイン、攻略間違ってない?
出会いイベントの後は、攻略対象側から接近させなきゃなんだよ?



 




 
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