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乱入者
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「そう・・・そうね。オズワルド公爵家にはもう1人娘がいるものね」
王妃様は躊躇ったのち、そう呟いた。
ゲームの中では・・・ローズマリアに優しかった王妃様。
だけど、ごめんなさい。
私は、レオナルドの婚約者にはなりたくないの。
レオナルドは、ゲームと違うかもしれない。
ちゃんと私を好きになってくれて、リリーシアが聖女になっても、私に婚約破棄を突きつけたりしないかもしれない。
でも、もしそうだったとしても。
私がレオナルドを好きになれないの。
「ザハード王国の第一王子殿下とは、どうやって知り合ったのかしら?」
「はい。兄がマハール王国に留学しているのですが、マハール王国の公爵令息様と、ロイド殿下の妹姫様が婚約されたのです。その関係でご挨拶させていただきましたの」
全てが偽装だから少々順番が前後するけど、かまわないだろう。
そういう風に説明すると、ロイドやサリフィルたちとは打ち合わせ済みだ。
「そうなのね。殿下はお優しい?」
「はい、とても」
「そう・・・なら、良かったわ」
王妃様がそう言って優しく微笑んだ時、薔薇園の入り口付近で、何か騒がしい声が聞こえた。
「何かしら?騒がしいわね」
「でっ、殿下。お待ちください!王妃様のご命令で、現在こちらへの立ち入りは・・・」
騎士や侍女の制止する声と共に現れたのは・・・
「レオナルド、どういうことかしら?何故、勝手に入って来たの?」
「母上。勝手に入ったことはお詫びします。ですが、ローズマリア嬢が来ていると聞いて・・・」
レオナルドが近付いて来るのを見て、思わず立ち上がりそうになる。
あの婚約の申し込み以来、避け続けていたのに、まさかお茶会に乱入して来るなんて。
「ローズマリア嬢。どうか僕と婚約して欲しい」
「お断りします」
「何故だ?君は、元々はオズワルド公爵家の人間だろう。セニヨン公爵家にとっては養女であって、血の問題はないはずだ」
確かに血の濃さの問題はない。
だけど、権力が偏りすぎないように、公爵家五家が持ち回りで婚約者を輩出しているのだ。
その意味では、養女になっている時点で、私は婚約者にはなれない。
今回、婚約者を出す予定のオズワルド公爵家に娘がいなければ、可能性はゼロではないけれど、オズワルド公爵家にはリリーシアがいるのだから。
「レオナルド、良い加減にしなさい。婚約者でもないご令嬢の名前を口にするなんて、あなたそれでも王太子なの?」
「い、いえ、ですから、僕は彼女を婚約者に・・・」
「あなたの婚約は、王家と公爵家の契約。あなたの意思など関係ありません。それにセニヨン公爵令嬢は、ザハード王国の第一王子殿下と婚約されているわ」
王妃様の言葉に、レオナルドが私の顔を凝視した。
王妃様は躊躇ったのち、そう呟いた。
ゲームの中では・・・ローズマリアに優しかった王妃様。
だけど、ごめんなさい。
私は、レオナルドの婚約者にはなりたくないの。
レオナルドは、ゲームと違うかもしれない。
ちゃんと私を好きになってくれて、リリーシアが聖女になっても、私に婚約破棄を突きつけたりしないかもしれない。
でも、もしそうだったとしても。
私がレオナルドを好きになれないの。
「ザハード王国の第一王子殿下とは、どうやって知り合ったのかしら?」
「はい。兄がマハール王国に留学しているのですが、マハール王国の公爵令息様と、ロイド殿下の妹姫様が婚約されたのです。その関係でご挨拶させていただきましたの」
全てが偽装だから少々順番が前後するけど、かまわないだろう。
そういう風に説明すると、ロイドやサリフィルたちとは打ち合わせ済みだ。
「そうなのね。殿下はお優しい?」
「はい、とても」
「そう・・・なら、良かったわ」
王妃様がそう言って優しく微笑んだ時、薔薇園の入り口付近で、何か騒がしい声が聞こえた。
「何かしら?騒がしいわね」
「でっ、殿下。お待ちください!王妃様のご命令で、現在こちらへの立ち入りは・・・」
騎士や侍女の制止する声と共に現れたのは・・・
「レオナルド、どういうことかしら?何故、勝手に入って来たの?」
「母上。勝手に入ったことはお詫びします。ですが、ローズマリア嬢が来ていると聞いて・・・」
レオナルドが近付いて来るのを見て、思わず立ち上がりそうになる。
あの婚約の申し込み以来、避け続けていたのに、まさかお茶会に乱入して来るなんて。
「ローズマリア嬢。どうか僕と婚約して欲しい」
「お断りします」
「何故だ?君は、元々はオズワルド公爵家の人間だろう。セニヨン公爵家にとっては養女であって、血の問題はないはずだ」
確かに血の濃さの問題はない。
だけど、権力が偏りすぎないように、公爵家五家が持ち回りで婚約者を輩出しているのだ。
その意味では、養女になっている時点で、私は婚約者にはなれない。
今回、婚約者を出す予定のオズワルド公爵家に娘がいなければ、可能性はゼロではないけれど、オズワルド公爵家にはリリーシアがいるのだから。
「レオナルド、良い加減にしなさい。婚約者でもないご令嬢の名前を口にするなんて、あなたそれでも王太子なの?」
「い、いえ、ですから、僕は彼女を婚約者に・・・」
「あなたの婚約は、王家と公爵家の契約。あなたの意思など関係ありません。それにセニヨン公爵令嬢は、ザハード王国の第一王子殿下と婚約されているわ」
王妃様の言葉に、レオナルドが私の顔を凝視した。
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