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魔力測定

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 魔族にとって、魔力はあって当然なもの。

 魔族には、強弱大小はあれど誰にでも魔力はある。

 それに、基本的に親と同じ魔法が身についている。

 だから、わざわざ鑑定するような魔族は少ない。

 鑑定を頼むのは、特殊な職に就きたくてその職にあった魔法が使えるか調べたい者や、生まれが特殊な場合だけである。

 私の場合、この生まれが特殊、にあたる。

 半分が人間だから、片親が魔王でも魔力量やなんの魔法が使えるのかが、はっきりしていない。

 この国の魔王は世襲制だから、パパが再婚しない限り後継は私になる。

 でも、魔族の中には半分人間の私を良しとしていない人たちもいる。

 どうやらその関連で、今回の魔力測定になったらしい。

 というのをザギが噂で聞いてきた。
 例の遠くの声が聞こえる発明品である。

 ザギの一族は諜報を得意としてるので、そういう情報をいつも集めている。

 情報の守秘義務というのがあって、本当なら必要な時以外は魔王であるパパにすら情報はもらさない。

 はずなんだけど、なんでか私にはよく色んなことを教えてくれる。

 内緒ね、って言って。
うん。内緒なら言わないで欲しい。誰にも言えないから、困るんだもの。

 まぁ、本当に重要なことは話されてないから、コミュニケーションのひとつなのかな。

 自分で・・・ある程度魔力があるのは分かる。

 前世がそれなりに魔力を持ってた魔術師だったから、魔力の流れとか感じやすいんだと思う。

 ただ、比較対象が魔王だったり側近だったり幹部だったりだから、はっきり言って自分の魔力量がどのランクなのか全くわからない。

 それにまだパパの種族を知らないから、なんの魔法を継いでいるのかもわからないのよね。

「姫様、コチラへ」

「ん」

 今回、私の魔力測定をするのは、ザギの部下の人。

 鑑定眼を持っていて、前世のゲームでよくあったステータスというやつがみれるらしい。

 使える魔法や魔力量、スキルとか分かるんだって。

 よくあるあるあるで、自分より上の能力者のステータスは見れないとかあるけど、この人鑑定眼に関してはカンストしてるらしい。

 つまりは、見れないステータスはないということ。

 どうりで研究者のザギが、自分の発明品で鑑定しようと言わないはずだわ。

 ただこの鑑定、単に見るだけなら魔力量くらいしか分からないらしい。

 当人と触れ合って、魔力を流すことで完全把握できるのだとか。

 まぁ、何でもかんでも知れるなら、最強だよね、と思ったんだけど、その人は戦うのは苦手なんだって。
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