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内緒でね

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「魔法、見せてあげてもいいんですけど・・・」

「本当ですかっ?」

 国王とかに内緒にできるならって言おうと思ったら、リフト王子にめちゃくちゃ食いつかれた。

 え、そんなに魔法見たいんだ。

 チラリと見ると、セント王子もソワソワしている。

 なんか、さっきの装置を嬉々として回収していたザギがダブるんだけど。

 いや、まぁ、分かるけど。
アゼリアも魔法大好きだったし。

「誰にも内緒にするって約束してくれたら、見せてあげます」

「内緒?でも、皆さんが魔法を使えることは僕らも知ってるのに?」

「あー、この二人はともかく、私のことはまだ周知されてないでしょう?どうします?約束できないなら、この話はナシということで」

「で、出来ます!します!セントも良いよね?」

 私がそう言うと、慌てて被せるように言ってきたリフト王子に苦笑いしてしまう。

 どれだけ魔法が見たいんだか。
ああ。国のために使えるようになりたいんだったっけ。

 そういや、アザレア王国の人は魔法使えないんだっけ?

 ということは、ママも魔力はなかったってこと?

 いろんな疑問が頭の中に浮かぶけど、目の前で目をキラキラさせながら待っている王子二人への対処が先よね。

「ええと・・・こうやって」

 体の前に、手のひらサイズの立方体を出現させる。

 その結界内に、氷の結晶を生み出した。

 はらはらと、雪のように結界内に降り積もる。

 ジェンティアナ王国は大陸の北に位置しているので、雪が降るのだ。

 逆にこのアザレア王国は、気候が温暖で、雪なんて降らないなら珍しいと思う。

 案の定、二人は立方体の中を物珍しそうに覗き込んでいる。

「シアン嬢。こ、これはなんですか?」

「これは雪と言います。寒い季節に降るんです」

「これが雪?でも、アザレアうちの冬で見たことがない」

「アザレア王国は温暖な気候と聞きますから、見たことがないだろうと思いました。ジェンティアナ王国は大陸の北に位置していますから、冬は雪が積もるんです」

 やっぱり見たことがなかったみたいだ。

 触らせてあげたいけど、部屋に降らすと床が濡れちゃうからなぁ。

 それに誰かやって来た時に、すぐに隠蔽できない。

「触れないのでしょうか?雪は冷たいと聞きます」

「確かに冷たいですけど、相当部屋を冷やさないと、すぐに溶けてしまいます。お風邪をひかれても困りますから・・・」

「そんなに?でも、ジェンティアナ王国は雪が降るんですよね?溶けないほど降るのでしたら相当寒いのでは?」

「そうですね。アザレア王国のように温暖な土地で育つ作物は、ジェンティアナでは育ちません。花が咲かないわけではありませんが、寒さに強い花だけです。魔法が使える我々だから暮らせる土地かもしれませんね」


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