誰が彼女を殺したか

みおな

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ヴィクター・ジョンブリアンとは?

 ヴィクター・ジョンブリアン。
ジョンブリアン王国の王太子で、金色の髪と瞳をした、美丈夫である。

 国王夫妻にとっては遅くに生まれた唯一の子供で、それ故に多少?甘やかしてしまったところがあった。

 そのために、ヴィクターの側近には公爵家侯爵家の嫡男を三人付け、婚約者には評価の高い公爵令嬢を選んだ。

 四家の公爵侯爵家が後ろ盾になっていれば、ヴィクターがいずれ国王になった時にその地位が堅固なものになる。

 いわゆる親心である。

 良くも悪くも素直なヴィクターは、婚約者のラティエラ・ウィスタリア公爵令嬢とも仲良くやっていた。

 貴族令嬢の鑑と言われているラティエラは、季節の折の手紙や贈り物は欠かさず、月に一回はお茶会の誘いもあった。

 だから、油断していたのだ。

 まさか学園に入学したその日、ヴィクターが男爵令嬢に一目惚れするなど考えもしなかった。

 いや。
王族や高位貴族でも、一目惚れすることもあるだろう。

 ただ、婚約者が者は、それを理性で抑えるのだ。

 まさか、自分たちの息子が・・・王族であるヴィクターがをできないとは思いもしなかったのだ。

 こともあろうにヴィクターは、婚約者であるラティエラを放置し、その男爵令嬢リリー・マゼンダを追いかけ回していた。

 婚約者がいながら他の令嬢と出かけ、愛を囁く。

 王族であるヴィクターが、政略結婚の意味を理解していないなど、国王夫妻は考えもしていなかった。

 婚約者であるラティエラは、一度だけヴィクターに注意したそうだ。

「わたくしと殿下は政略結婚です。マゼンダ男爵家のご令嬢がお好きなのなら、婚姻して三年たてば愛妾として迎え入れることが出来ます。その際は離宮にお迎えして、公務以外はそちらでお過ごしくださってかまいません。わたくしとの閨も、後継さえ授かればそれ以上は必要ありません。ですから、今は我慢なさってくださいませ」

 それを言われたヴィクターは、ラティエラが嫉妬の挙げ句にそのような発言をしたと、激昂したそうだ。

 どこをどうとれば嫉妬という解釈になるのか、国王は頭を抱えた。

 ヴィクターが後を継いだ時のために、力のある公爵や侯爵家を後ろ盾にしたのに、こともあろうに精一杯の譲歩をしてくれた婚約者に、暴言を吐くとは。

 ウィスタリア公爵家からは、新しい婚約者か、もしくは新しいの選別をするようにと書面が届いた。

 国王夫妻の子供はヴィクターだけだが、王家の血を引いている者は他にもいる。

 ウィスタリア公爵家も遠縁ではあるが、そのひとつだ。

 阿呆を、国の頂点に据えるわけにはいかない。

 国王夫妻は、大きくため息を吐いた。
感想 80

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