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15.ドレスは不要ですわ
ユリシスから「学園ではひとりの男として過ごしたい」宣言を受けたティファは、お昼休みも登下校もユリシスと距離を置くことにした。
見切りを付けたのなら、学園卒業時に婚約を解消することを念頭において、距離を取る方がいいとヴィオラから提案されたからだ。
ちなみに、ユリシスの母親である正妃システィーナもこの案に納得しているそうだ。
彼女は、ユリシスの母親である前にオブシディアン王国の王妃なのである。
ユリシスは、登下校は一緒にと言っていたが、ティファは丁寧にお断りした。
国王陛下も王妃殿下も、ユリシスが王太子として立太子するに相応しいか、王族籍を持つに相応しいか、その見極めをしているらしい。
ならば、ティファは距離を置いた方がいい。
そう判断した。
決してユリシスを嫌いではなかったし、今でも嫌っているわけではない。
ただ呆れているだけだ。
そして痛みは伴うものの、好きという気持ちが目減りしているだけ。
ティファは、王太子妃教育で学んだのだ。
情に流されず、王太子妃として正しい選択をするようにと。
「ティファ様。姉が是非ティファ様にドレスを作りたいと申しておりますの」
ティファの前に座ったヘリオドール伯爵令嬢であるフラウが、分厚い紙の束をティファに差し出しながら言う。
フラウの五歳年上の姉であるフラナは、王都で人気のデザイナーだ。
「まぁ!素晴らしいですわ。さすがフラウ様のお姉様!ティファ様が着れば今よりももっと人気になりましてよ」
「ええ。レディーノ様のおっしゃる通りですわ。フラナ様のドレスは、我が商会でも取り扱って欲しいと要望がありますのよ」
レディーノ・カルセドニー侯爵令嬢の言葉に、サーペンティン伯爵家の令嬢であるシャリーが頷く。
あの日会話を交わしてから、ティファは三人の令嬢と共に過ごすことが増えた。
彼女たちは身分も申し分なく、考え方もティファには好感の持てるものだったからだ。
それ以来お互い名前で呼ぶようになり、お昼の食事時間や休日さえも一緒に過ごしていた。
「姉はお気に召さない方のドレスは、いくらお金を積まれてもデザインしませんの。ティファ様のは是非にと姉から伝えて欲しいと言われましたのよ」
「ふふっ、本当に嬉しいですわ。母と妹が羨ましがりそう」
「なら、そう姉に伝えておきますわ。青以外にいたしましょうね」
フラウの言葉に、ティファはふふっと笑う。
青は婚約者であるユリシスの瞳の色。
「ふふっ。殿下にはドレスは不要とお伝えしなければなりませんわね」
見切りを付けたのなら、学園卒業時に婚約を解消することを念頭において、距離を取る方がいいとヴィオラから提案されたからだ。
ちなみに、ユリシスの母親である正妃システィーナもこの案に納得しているそうだ。
彼女は、ユリシスの母親である前にオブシディアン王国の王妃なのである。
ユリシスは、登下校は一緒にと言っていたが、ティファは丁寧にお断りした。
国王陛下も王妃殿下も、ユリシスが王太子として立太子するに相応しいか、王族籍を持つに相応しいか、その見極めをしているらしい。
ならば、ティファは距離を置いた方がいい。
そう判断した。
決してユリシスを嫌いではなかったし、今でも嫌っているわけではない。
ただ呆れているだけだ。
そして痛みは伴うものの、好きという気持ちが目減りしているだけ。
ティファは、王太子妃教育で学んだのだ。
情に流されず、王太子妃として正しい選択をするようにと。
「ティファ様。姉が是非ティファ様にドレスを作りたいと申しておりますの」
ティファの前に座ったヘリオドール伯爵令嬢であるフラウが、分厚い紙の束をティファに差し出しながら言う。
フラウの五歳年上の姉であるフラナは、王都で人気のデザイナーだ。
「まぁ!素晴らしいですわ。さすがフラウ様のお姉様!ティファ様が着れば今よりももっと人気になりましてよ」
「ええ。レディーノ様のおっしゃる通りですわ。フラナ様のドレスは、我が商会でも取り扱って欲しいと要望がありますのよ」
レディーノ・カルセドニー侯爵令嬢の言葉に、サーペンティン伯爵家の令嬢であるシャリーが頷く。
あの日会話を交わしてから、ティファは三人の令嬢と共に過ごすことが増えた。
彼女たちは身分も申し分なく、考え方もティファには好感の持てるものだったからだ。
それ以来お互い名前で呼ぶようになり、お昼の食事時間や休日さえも一緒に過ごしていた。
「姉はお気に召さない方のドレスは、いくらお金を積まれてもデザインしませんの。ティファ様のは是非にと姉から伝えて欲しいと言われましたのよ」
「ふふっ、本当に嬉しいですわ。母と妹が羨ましがりそう」
「なら、そう姉に伝えておきますわ。青以外にいたしましょうね」
フラウの言葉に、ティファはふふっと笑う。
青は婚約者であるユリシスの瞳の色。
「ふふっ。殿下にはドレスは不要とお伝えしなければなりませんわね」
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