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22.見切りをつければ潔いですわ
「待て。カルセドニー侯爵令嬢。コンクパール嬢もちょっと勘違いしただけだろう。そうだろ?コンクパール嬢。ラリマー子爵令嬢に謝るよな?」
ユリシスの言葉に、キティは一瞬顔を歪ませたものの、ここは不利だと感じたのだろう。
ユリシスの腕を借りながらだが、ラリマー子爵令嬢に向かって深々と頭を下げた。
「ごめんなさい、ラリマー子爵令嬢様。私の勘違いだったみたいです。失礼な事を言ってすみませんでした」
「・・・」
「ラリマー子爵令嬢。彼女も怪我をしているんだ。今回は許してやってくれないか」
「・・・分かりましたわ。第一王子殿下のお顔を立てて、今回のみ謝罪を受け取ります。レディーノ様、よろしいでしょうか」
ラリマー子爵令嬢としても、キチンと謝罪をされた以上、ここで騒ぎ立てるのは得策ではないと判断した。
しかも、王族が許してやって欲しいと言っているのだ。
ラリマー子爵令嬢に問われたレディーノは、ユリシスとキティに視線を向け、ウルウルと瞳に涙を浮かべて庇護欲をくすぐる様子のキティに小さくため息を吐く。
ここで謝罪を受け取らなければ、カルセドニー侯爵家の懐が狭いと周囲に思われる。
ラリマー子爵令嬢もそう思ったから、謝罪を受け取ってのだろう。
どうやら、キティは浅はかなだけの令嬢ではないようだ。
「ええ、いいわ。ですが殿下。今回限りですわ。同じ事を繰り返されたら、我が家は目を瞑ったりはいたしません。お忘れなきよう」
「・・・ああ。分かった。それから、ティファ・・・アメトリン嬢と一緒だったのでは?」
「ええ。ご一緒させていただいておりますわ。それが何か?」
「い、いや、今日は顔を見ていないと思って」
レディーノは、ユリシスの様子に呆れたような視線を向けた。
そんなに婚約者が気にかかるなら、最初から「学園ではひとりの男として過ごしたい」などと言わなければ良かったのだ。
羽目を外したかったのか、それとも別の目的があったのかは知らないが、レディーノが見る限りティファはもうユリシスを見切っている。
婚約解消を念頭において、それに向けてユリシスが自滅するのを見ている気がする。
「隣に別のご令嬢をぶら下げている婚約者に会いたいと思う女はいませんわ。少なくとも、私の婚約者がそんな真似をしたら、蹴り飛ばしますわ」
「ッ!私はただ・・・」
「言い訳は見苦しいですわよ、殿下。殿下がどういうおつもりかは、私には分かりかねますが、ひとつだけお伝えいたしますわ。女は見切りをつければ潔いですわよ」
ユリシスの言葉に、キティは一瞬顔を歪ませたものの、ここは不利だと感じたのだろう。
ユリシスの腕を借りながらだが、ラリマー子爵令嬢に向かって深々と頭を下げた。
「ごめんなさい、ラリマー子爵令嬢様。私の勘違いだったみたいです。失礼な事を言ってすみませんでした」
「・・・」
「ラリマー子爵令嬢。彼女も怪我をしているんだ。今回は許してやってくれないか」
「・・・分かりましたわ。第一王子殿下のお顔を立てて、今回のみ謝罪を受け取ります。レディーノ様、よろしいでしょうか」
ラリマー子爵令嬢としても、キチンと謝罪をされた以上、ここで騒ぎ立てるのは得策ではないと判断した。
しかも、王族が許してやって欲しいと言っているのだ。
ラリマー子爵令嬢に問われたレディーノは、ユリシスとキティに視線を向け、ウルウルと瞳に涙を浮かべて庇護欲をくすぐる様子のキティに小さくため息を吐く。
ここで謝罪を受け取らなければ、カルセドニー侯爵家の懐が狭いと周囲に思われる。
ラリマー子爵令嬢もそう思ったから、謝罪を受け取ってのだろう。
どうやら、キティは浅はかなだけの令嬢ではないようだ。
「ええ、いいわ。ですが殿下。今回限りですわ。同じ事を繰り返されたら、我が家は目を瞑ったりはいたしません。お忘れなきよう」
「・・・ああ。分かった。それから、ティファ・・・アメトリン嬢と一緒だったのでは?」
「ええ。ご一緒させていただいておりますわ。それが何か?」
「い、いや、今日は顔を見ていないと思って」
レディーノは、ユリシスの様子に呆れたような視線を向けた。
そんなに婚約者が気にかかるなら、最初から「学園ではひとりの男として過ごしたい」などと言わなければ良かったのだ。
羽目を外したかったのか、それとも別の目的があったのかは知らないが、レディーノが見る限りティファはもうユリシスを見切っている。
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「隣に別のご令嬢をぶら下げている婚約者に会いたいと思う女はいませんわ。少なくとも、私の婚約者がそんな真似をしたら、蹴り飛ばしますわ」
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