どうぞお好きになさってください

みおな

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49.これからよろしくお願いします

「ようこそ、ユークレース王国へ!会いたかったわ!ティファちゃん!」

 ユークレース王国の王宮に着いた途端、ティファは銀髪の美女に抱きつかれていた。

「・・・母上。彼女が困っております。離してあげてください」

「ルウ!でかしたわ!こんな可愛らしいお嫁さんを連れて帰って来るなんて!貴方を産んで初めて良かったと思ったわ!」

 銀髪を綺麗に結い上げた美女は、夏空のような瞳をキラキラとさせながら、ルウに言い放った。

 ユークレース王国王妃、ユライア・ユークレース。ルウの母親である。

 隣にはユークレース王国国王であり、ルウの父親であるシグマンが苦笑いで立っている。

「ユライア。離してあげなさい。挨拶も出来ずに困っているだろう。すまないな、アメトリン公爵令嬢。うちは三人とも息子ばかりでね。妻は娘が欲しかったものだから」

「い、いえ。お会いできて光栄ですわ。今回、このような形でお邪魔することになり、申し訳ございません」

 ユライアに抱きしめられたまま、ティファは困った表情で言葉だけだが謝意を告げた。

 国王であるシグマンも銀髪で、不思議と三人とも雰囲気が似ているようにティファには思えた。

「母上!いい加減にしてください!」

 ルウがユライアからティファを奪還し、自分の腕の中に閉じ込める。

 母子でティファの奪い合いをする様子に、奥の扉から現れた二人の少年が笑い声を上げた。

「ははっ。兄上がご令嬢にそんなに執心なさるなんて初めて見ました」

「本当だね。初めまして、未来の姉上」

「ティファ、俺の五歳年下の弟たちだ。赤目がアルト。青目がウルトだ」

「初めまして。ティファ・アメトリンと申します」

 ルウの腕から離れて、ようやくティファはカーテシーで挨拶をした。

 国から逃げるような形で来国したにも関わらず、ユークレース王国の王族の彼らはティファを好意的に迎えてくれた。

「話はルウから聞いている。君が我が国に着いた時点で、あちらでも婚約の解消を告げるそうだね。なら、うちでも大々的に王太子の婚約発表をしよう。いくら、知らぬ間の婚約解消だったといえど、他国の王太子の婚約者に再婚約の申し出をするほど愚かな行為はしないだろう」

「ご迷惑をおかけします」

「迷惑だなんて!ルウがこんな可愛いお嫁さんを連れて帰ってくれたんだもの。わたくし、何でもするわ!」

「僕たちも協力するから、何でも言ってね」

「うん。何でも相談してね」

 可愛らしい双子の弟たちは、ニコニコとそう言ってくれた。

 ティファは、その温かさに心から安堵した。

「これからよろしくお願いします」
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