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みおな

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50.未練があると思われそう

「我が国では、王族の結婚式での花嫁衣装は新郎の瞳の色と決まっているの。だから、ティファちゃんのドレスはルウの瞳の色の深紅になるわ。ティファちゃんの髪色とも合うわぁ」

 ルウの母親であり、ユークレース王国王妃であるユライアはご機嫌な様子でティファに婚礼について説明をしている。

 社交の場で婚約者や夫の髪色や瞳の色のドレスを纏うのは当たり前のこととされているが、どうやらユークレース王国では普段の社交の場ではそこまで求められないらしい。

「オブシディアン王国では、白とされていましたから、意外ですわ」

「ええ。白と定めている国が多いわね。普段の社交の場で婚約者の色を纏うことが多いからではないかしら。でも我が国では、普段はそこまで求めないのよ。だってねぇ、自分に一番似合う色を着て綺麗だって思ってもらいたいじゃない?」

「ふふっ」

 ユライアの言葉に、ティファは思わず笑ってしまった。

 王妃であるユライアが、可愛らしい少女のような発言をしたからだ。

 それを、ティファはとても素敵なことだと思った。

 今までユリシスの婚約者として、ユリシスの瞳の色の青いドレスを着ていた。

 ティファの髪と瞳の色は紫だから、幸いにも青いドレスでも浮きはしない。

 ユリシスは髪色が黒の為、どうしても瞳の色のドレスを選ぶことが多かった。

 決して青いドレスが嫌なわけではなかったし、自分の髪色にも違和感はないと思っていたが、たまには妹ローズマリアと揃いのドレスや、淡い色のドレスも着てみたかった。

 家着としてなら着れるが、第一王子の婚約者として公の場ではユリシスの色を纏うしかない。

 だがユークレース王国では、その縛りが緩いらしい。

 外交の場では婚約者や夫の色を纏うらしいが、普段のお茶会や夜会などでは何か婚約者の色の装飾を付けていれば問題ないそうだ。

「まぁ、ルウはティファちゃんに惚れ込んでるから、自分の色をって言って来そうだけど。嫌なら嫌と断って大丈夫よ。ブローチや髪飾りでルウの色を付けておけば、問題ないんだから」

「ふふっ。大丈夫です。深紅なんて今まで着たことのない色ですから新鮮ですわ」

 国王陛下のシグマンもルウの弟アルトも赤目だが、深紅というよりは鮮やかな赤だ。

 シグマンやアルトの色がルビーなら、ルウはガーネットといったところか。

 ウルトとユライアの瞳は夏空のような青で、ユリシスやシスティーナの色と似ている。

 ルウの瞳の色が青でなくて良かったと、ティファはつくづく思った。

(青いドレスなんか着たら、未練があると思われそうだわ)



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