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63.関わりたくありません
「パイライト王国は、我が国でオブシディアン王国の第一王子が殺されるという事件を起こし、それが君を奪われそうになった俺の仕業と噂を流すつもりだろう。いくら、我が国やオブシディアン王国が否定したとしても、その手の噂は一度出ると消えにくい。あの国は、そういう姑息な真似が好きなんだ」
ルウの説明に、ティファは「まぁ!」と言いながら頬に手を当てた。
妙な噂を立てて、他国を貶めるのだけが目的だなんて、本当に姑息な国だとつくづく思ったのだ。
「それだけが目的ですの?」
「それを噂にすれば、たとえ一時的でも商会などの動きが滞るのもあるだろう。だが、自国が有利になりたいというよりは、他国を貶めるのを目的としているんだ。そのためになら、他国の人間がいくら死のうと、自国の孤児がいくら死のうと関係ない。そういう人間なんだ、パイライトの王族は」
「呆れた。どうにかできませんの?」
そんな国を放置しておいて、また何かちょっかいを出されたら迷惑千万である。
そもそも、そんなくだらない考えの王族がいるなど、ティファは考えもしなかった。
オブシディアン王国の国王陛下も、正妃システィーナも、側妃マーガレットも、第二王子カイルも、ユークレース王国国王陛下も、王妃ユライアも、王族として相応しい言動をする人たちだ。
ちなみにアメトリン公爵夫妻である父母も。
(あら、でも第一王子殿下は学園に入学されてから、不思議な思考回路をされましたわね)
ティファは、自分の元婚約者が「学園ではひとりの男として過ごしたい」などと、王族・・・いや、高位貴族ですら言わないことを言ったことを思い出した。
大体、オブシディアン王国の学園は、成人するための予行練習の場所である。
なのに、王族がひとりの人間として過ごすなど、許されるわけがない。
(まぁ、でもパイライト王国の王族よりはマシですわね。その国に踊らされる時点で同じかしら?)
「ティファ?」
「何でもありませんわ。それで、どうなさるのですか?第一王子殿下にはもう情はありませんが、さすがに殺されたりすると寝覚が悪いですわ」
「ユークレースに入る前にケリをつける。オブシディアン王国とも連携して、救い出すことにしよう。ティファ、本当に幽閉コースになっても問題ないか?」
ルウの問いに、ティファは不思議そうに首を傾げた。
「何の問題もありませんわ。オブシディアン王国の国王陛下や正妃殿下が毒杯だとおっしゃるのなら、それも致し方ないことです。私は、関わりたくありませんもの」
ルウの説明に、ティファは「まぁ!」と言いながら頬に手を当てた。
妙な噂を立てて、他国を貶めるのだけが目的だなんて、本当に姑息な国だとつくづく思ったのだ。
「それだけが目的ですの?」
「それを噂にすれば、たとえ一時的でも商会などの動きが滞るのもあるだろう。だが、自国が有利になりたいというよりは、他国を貶めるのを目的としているんだ。そのためになら、他国の人間がいくら死のうと、自国の孤児がいくら死のうと関係ない。そういう人間なんだ、パイライトの王族は」
「呆れた。どうにかできませんの?」
そんな国を放置しておいて、また何かちょっかいを出されたら迷惑千万である。
そもそも、そんなくだらない考えの王族がいるなど、ティファは考えもしなかった。
オブシディアン王国の国王陛下も、正妃システィーナも、側妃マーガレットも、第二王子カイルも、ユークレース王国国王陛下も、王妃ユライアも、王族として相応しい言動をする人たちだ。
ちなみにアメトリン公爵夫妻である父母も。
(あら、でも第一王子殿下は学園に入学されてから、不思議な思考回路をされましたわね)
ティファは、自分の元婚約者が「学園ではひとりの男として過ごしたい」などと、王族・・・いや、高位貴族ですら言わないことを言ったことを思い出した。
大体、オブシディアン王国の学園は、成人するための予行練習の場所である。
なのに、王族がひとりの人間として過ごすなど、許されるわけがない。
(まぁ、でもパイライト王国の王族よりはマシですわね。その国に踊らされる時点で同じかしら?)
「ティファ?」
「何でもありませんわ。それで、どうなさるのですか?第一王子殿下にはもう情はありませんが、さすがに殺されたりすると寝覚が悪いですわ」
「ユークレースに入る前にケリをつける。オブシディアン王国とも連携して、救い出すことにしよう。ティファ、本当に幽閉コースになっても問題ないか?」
ルウの問いに、ティファは不思議そうに首を傾げた。
「何の問題もありませんわ。オブシディアン王国の国王陛下や正妃殿下が毒杯だとおっしゃるのなら、それも致し方ないことです。私は、関わりたくありませんもの」
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