悪役令嬢は執事様と恋愛したい

みおな

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悪役令嬢の帰還

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 国に帰るにあたって、馬車を準備しようとしたら、ライナス先生に転移陣の紙をいただいてしまった。

 ライナス先生いわく、転移陣を使わなくてもシキの魔法で転移できるらしいけど、魔法の普及していない我が国へいきなり転移して現れたりしたら、大騒ぎになってしまう。
 それでも、転移陣の紙を持っていたら、ミチェランティスの魔法を使ったのだと納得してもらえるから、ということらしかった。

 そんなことわざわざしなくても、馬車で帰るのに。
 せっかく好意でくれたから、使うけどね。

 別れの挨拶には、ライナス先生、グリード様、フローレンス様、アーネスト皇子にシャルロット様が来てくれた。

 ジェラルド皇子もアーネスト皇子に「ありがとう。世話になった」と言付けをしてくれて、彼が今後立派な皇太子になることは間違いないだろう。

「ライナス先生、お世話になりました」

「こちらこそお世話になりました。アイリスさん、シキくん、ありがとう」

「俺からも礼を言わせてくれ。君たちのおかげでフローレンスを取り戻せることができた。精霊のこともだが、本当に世話になった。ありがとう」

 グリード様がライナス先生の隣で頭を下げられた。その後ろでフローレンス様も深々と頭を下げられている。

 グリード様ってば、精霊のことよりフローレンス様のことの方が嬉しかったのね。

 アーネスト皇子とシャルロット様が大きな箱を差し出して来た。

「これは、シキ様の式典用の衣装です。前回のアイリス様のドレスと対に作ってあります」

「まぁ!わざわざ作って下さったのですか?」

「父上との謁見の際に着てもらおうと準備してあったんだ。着てもらえなかったがな」

 アーネスト皇子が苦笑いしている。
準備してくれてたんだ。でも、シキが執事服から着替えなかったってことね。

「ありがとうございます。私のデビュタントのエスコートの時に着てもらいますわ」

「アイリス・・・」

「ね?シキ」

 私の言葉に、シキが渋々うなづく。全くもう。デビュタントまで執事服でエスコートするつもりだったのかしら?

 笑い合う私たちの元へ、バタバタとした足音が近づいてきた。
 何事かと振り返った私は、そこにいた人物に目を丸くする。

「ナルシス様」

「く、クラウディア嬢!帰られると聞いて・・・」

「ええ。ナルシス様、今度は間違えないで下さいませね?プリシア様とお幸せになって下さい」

「!!や、約束する。クラウディア嬢もシキ殿とお幸せに」

 本当に、本当に終わったんだ。
私はにっこりと微笑むと、みんなに別れを告げた。

「皆さま、ありがとうございました。お元気で」

 シキと転移陣に乗りながら、手を振る。みんなの顔を目に焼き付けながら、私とシキは母国へと転移したー

 
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