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やり直しの人生
失格
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「ダウニー嬢。君は本当に貴族のご令嬢として学んでいるのか?」
「え?あ、の、ごめんなさい。そんなつもりはなかったんです。ただ・・・私もラウル様・・・殿下と仲良くしたくて」
お兄様の冷たい声に、ダウニー嬢は目を伏せて謝罪する。
こういうところが、ラノベでよく見る転生者ヒロインと違うところなんだけど、これはあれかしら。学習して、ザマァされないようにしてるってことかしら?
「他のご令嬢たちと同じように接することはできるが、僕は婚約者以外と『仲良く』するつもりはない。これ以上、僕の婚約者の手を煩わすのはやめてくれないか」
「そんなっ・・・私、私・・・みんな仲良くできればって思って」
「そうですよ、殿下。アンジュは分け隔てなくみんなと仲良くしようとしているだけなんです。それを、そこのクレスト嬢が毎回毎回咎め立てして!」
「きっと、みんなに慕われているアンジュに嫉妬しているんですよ。殿下もアンジュと話してみれば、彼女の良さが分かりますよ」
あらあら、まあまあ。
分け隔てなく?貴族の、しかも侯爵家の子息がそれを言うの?
私たちは、その身分に相応しい態度を求められるのよ。
別に高位貴族が、下位の男爵家や子爵家の人間と仲良くしたら駄目だとは言わないわ。
だけど、決まり事を無視してもいいというわけではないの。
それに、仲良くと、名前で呼ぶことは同じじゃないわ。
お兄様が許したとしても、他の方がいる前では、王太子殿下と呼ぶべきなのよ。
「すごい理論だな。みんなお手手繋いで仲良くしましょうとか。今時、小さな子供ですら言わないだろうに」
アルフレッド陛下の言葉に頷く。
高位貴族の令息令嬢は、幼い頃から貴族としてのマナーや考え方を教えられる。
はずなんだけど・・・
ラグドール家やナルシス家では教えなかったのかしら?
どちらにせよ、あの二人は駄目ね。
王太子殿下の側近には出来ないわ。
お兄様もそう考えられたのだろう。
ため息を吐いて、クレスト嬢の手を引くと自分の隣へと引き寄せた。
「よくわかった。今後、お前たちが何をしようとこちらからは何も言わない」
「殿下、分かってくれたのですね!」
「それから、二人とも側近候補からは外れてもらうから、今日以降は王宮に出仕する必要はない。今までご苦労だった」
「「・・・え?」」
お兄様の言葉に喜色を浮かべた二人は、その後に続いた言葉に、ポカンとしている。
何故、切り捨てられたのかも理解できないのかしらね。
あれは失格だわ。ご覧なさいよ、あなた方が守りたい男爵令嬢は、今にも舌打ちしそうな表情をしてるわよ。
「え?あ、の、ごめんなさい。そんなつもりはなかったんです。ただ・・・私もラウル様・・・殿下と仲良くしたくて」
お兄様の冷たい声に、ダウニー嬢は目を伏せて謝罪する。
こういうところが、ラノベでよく見る転生者ヒロインと違うところなんだけど、これはあれかしら。学習して、ザマァされないようにしてるってことかしら?
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「そんなっ・・・私、私・・・みんな仲良くできればって思って」
「そうですよ、殿下。アンジュは分け隔てなくみんなと仲良くしようとしているだけなんです。それを、そこのクレスト嬢が毎回毎回咎め立てして!」
「きっと、みんなに慕われているアンジュに嫉妬しているんですよ。殿下もアンジュと話してみれば、彼女の良さが分かりますよ」
あらあら、まあまあ。
分け隔てなく?貴族の、しかも侯爵家の子息がそれを言うの?
私たちは、その身分に相応しい態度を求められるのよ。
別に高位貴族が、下位の男爵家や子爵家の人間と仲良くしたら駄目だとは言わないわ。
だけど、決まり事を無視してもいいというわけではないの。
それに、仲良くと、名前で呼ぶことは同じじゃないわ。
お兄様が許したとしても、他の方がいる前では、王太子殿下と呼ぶべきなのよ。
「すごい理論だな。みんなお手手繋いで仲良くしましょうとか。今時、小さな子供ですら言わないだろうに」
アルフレッド陛下の言葉に頷く。
高位貴族の令息令嬢は、幼い頃から貴族としてのマナーや考え方を教えられる。
はずなんだけど・・・
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どちらにせよ、あの二人は駄目ね。
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お兄様もそう考えられたのだろう。
ため息を吐いて、クレスト嬢の手を引くと自分の隣へと引き寄せた。
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「それから、二人とも側近候補からは外れてもらうから、今日以降は王宮に出仕する必要はない。今までご苦労だった」
「「・・・え?」」
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何故、切り捨てられたのかも理解できないのかしらね。
あれは失格だわ。ご覧なさいよ、あなた方が守りたい男爵令嬢は、今にも舌打ちしそうな表情をしてるわよ。
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