39 / 44
第三章 第四の女
10-2.リリカの見た夢
しおりを挟む改札をくぐったリリカは憂鬱にため息をついた。
「ほんと最悪」
眉をしかめ、再びため息をつく。
下半身の不快な感覚にリリカはトイレに駆け込んだ。
「嘘…なんで忘れたの…もぉぉ……」
鞄にいつも入れていた筈の替えの下着が見つからず、リリカはため息をついた。
リリカは個室のドアを叩いて八つ当たりすると、観念してそのままトイレを出た。
トボトボと歩く背中を、軽快に同じ制服の少女が叩く。
「リリカ!おはよ!」
「おはよー!」
友達の珪璃と七海の明るい声に、リリカのモヤモヤした心は大分落ち着く。
「元気ないじゃん。どしたの?」
「ん~…いやなんでもない。平気だよ」
あんなこと、言えるはずもない。
話を逸らす様に、リリカは他の話題を切り出す。
途中、ふたつ結びのおさげの小学生とすれ違う。
なんだか懐かしい気配を感じ、リリカはその子に見入った。
「…知ってる子?」
「ううん。初めて会った」
「偶にリリカってそういう天然入るよね」
なんでそれで見つめ合ってたの?と珪璃はケラケラと笑った。
リリカは少しムッとして、釣られて笑う。
私は幸せだ。
確かに嫌な事はあるが、家族四人、揃って平和に暮らせている。
勉強はすればするだけ結果が出て、正当に褒めて貰える。
学区内トップの高校への進学が決まった。
私は幸せだ。
なのに、なぜか満たされない。
影に映った自分の髪が乱れているのを感じ、カバンからコームを取り出す。
その途中、指先に覚えのない紙片が当たった。
名刺だ。
丁度、内ポケットの隙間に落ちていままで、今まで気が付かなかったのだろう。
始めて見る名前に、リリカは顔をしかめる。
「なにこれ…気持ち悪…」
リリカは裏面にメモが書いてある事に気がつく。
「………あ。………あ!………アイツ!!」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる