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本編
イカ飯定食
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オープン二日目を迎えた。昨日の呼び込み効果で店の外に列が出来ていたせいもあるからか、営業時間前から既に数人の人たちが並んでいた。それを店の中から様子見て皆で驚く。
「なんか、今日は呼び込み必要ないかもしれませんね」
窓から外を覗いていたケイトの言葉に、わたしたちは頷く。
「呼び込みはお客さんが入らなくなって来たらにしましょうか……」
「うん、それがいいな」
「お嬢さまのお料理も好評でしたから、噂になってるのかもしれませんね」
「そうね~アリーの料理は珍しいモノも多いし、どれも美味しいもの」
褒められてちょっと嬉しいけど、まだ店は始まったばかりだ。ずっとこのまま順調に行くとは限らない。オープンしたばかりだから物珍しさもあって来てくれてるのかもしれないしね。
「それにしても今日の日替わり定食も美味しいですね~」
ケイトがさっき試食したイカ飯の味を思い出したのか、ゴクリと喉を鳴らした。今日の日替わり定食はイカ飯定食だ。
「イカって煮込んだら美味いけど、冷めたら硬くなるのに柔らかかったよなぁ」
ロマノもケイト同様喉を鳴らす。似たもの夫婦だ。
「沢山煮込まなければ硬くならないのよ」
定番のイカ飯といえば、もち米をイカの胴体に詰め込んでから煮込んで中の米も一緒に炊き上げる作り方が一般的だけど、わたしが前世の母から教わったのは別の作り方だった。
まずは炊き込みご飯の要領で、米ともち米を二対一の割合で刻んだイカの脚と一緒に味付けして事前に炊き上げる。次に炊きあがったもっちりとしたご飯を冷まし、イカの胴体に詰め込んでようじで口を止める。そこから鍋でタレを作り少し煮詰めた後、用意してあったイカを入れて転がすように味を絡ませる。イカに火が通れば完成だ。
「なるほど……」
ロマノが腕を組みながらうんうん、と頷いている。誰でも簡単に美味しく作れるので、わたしの得意料理のひとつだったのよね……なんて思い返す。こうやって誰かに美味しいって言って貰えるのって嬉しい。親子丼定食、塩サバ定食、ハンバーグ定食、八宝菜定食は暫くは定番メニューとして入れ替わりは無いので、今日も日替わりのイカ飯を入れて五種類のメニューでのスタートだ。
そういえば、今日もロブ殿下来るのかしら……昨日はそうおっしゃっていたけど。ふとそう思い出し、イカ飯を二人分別によけておいた。昨日は天むすが売り切れちゃってたからね、もし来るのなら今日のイカ飯は自信作なのでロブ殿下達にも食べて欲しい。もし来なくても、スタッフの誰かが食べれば良いしね。
「ふふっ……もしかしてロビウムシス殿下のかしら?」
わたしがイカ飯をよけているのを見たお姉さまがニッコリと微笑ながら話し掛けて来た。
「だ、だって……来るとか言ってたから」
何故か答えながら焦ってしまう。別に隠す事なんてないのだけど、何だろう何か恥ずかしい。お姉さまがそっと近くに寄って来て、こっそりと耳打ちをする。
「クリストファー殿下じゃなく、ロビウムシス殿下の婚約者だったら良かったのにね。お父様も何でクリストファー殿下と結ばせたのかしらね」
「し、知らないわよ。そんな事……それにクリス殿下の希望だったみたいだし断れないじゃない」
「まぁ、そうなんだけど……」
お姉さまはちょっと不満げに唇をとがらせながら、店の入口へと向かった。そろそろ開店時間だ。お姉さまが変な事言うから焦ったけど、今は仕事に集中集中! 今日も美味しい料理沢山食べて貰うわよ~。
「なんか、今日は呼び込み必要ないかもしれませんね」
窓から外を覗いていたケイトの言葉に、わたしたちは頷く。
「呼び込みはお客さんが入らなくなって来たらにしましょうか……」
「うん、それがいいな」
「お嬢さまのお料理も好評でしたから、噂になってるのかもしれませんね」
「そうね~アリーの料理は珍しいモノも多いし、どれも美味しいもの」
褒められてちょっと嬉しいけど、まだ店は始まったばかりだ。ずっとこのまま順調に行くとは限らない。オープンしたばかりだから物珍しさもあって来てくれてるのかもしれないしね。
「それにしても今日の日替わり定食も美味しいですね~」
ケイトがさっき試食したイカ飯の味を思い出したのか、ゴクリと喉を鳴らした。今日の日替わり定食はイカ飯定食だ。
「イカって煮込んだら美味いけど、冷めたら硬くなるのに柔らかかったよなぁ」
ロマノもケイト同様喉を鳴らす。似たもの夫婦だ。
「沢山煮込まなければ硬くならないのよ」
定番のイカ飯といえば、もち米をイカの胴体に詰め込んでから煮込んで中の米も一緒に炊き上げる作り方が一般的だけど、わたしが前世の母から教わったのは別の作り方だった。
まずは炊き込みご飯の要領で、米ともち米を二対一の割合で刻んだイカの脚と一緒に味付けして事前に炊き上げる。次に炊きあがったもっちりとしたご飯を冷まし、イカの胴体に詰め込んでようじで口を止める。そこから鍋でタレを作り少し煮詰めた後、用意してあったイカを入れて転がすように味を絡ませる。イカに火が通れば完成だ。
「なるほど……」
ロマノが腕を組みながらうんうん、と頷いている。誰でも簡単に美味しく作れるので、わたしの得意料理のひとつだったのよね……なんて思い返す。こうやって誰かに美味しいって言って貰えるのって嬉しい。親子丼定食、塩サバ定食、ハンバーグ定食、八宝菜定食は暫くは定番メニューとして入れ替わりは無いので、今日も日替わりのイカ飯を入れて五種類のメニューでのスタートだ。
そういえば、今日もロブ殿下来るのかしら……昨日はそうおっしゃっていたけど。ふとそう思い出し、イカ飯を二人分別によけておいた。昨日は天むすが売り切れちゃってたからね、もし来るのなら今日のイカ飯は自信作なのでロブ殿下達にも食べて欲しい。もし来なくても、スタッフの誰かが食べれば良いしね。
「ふふっ……もしかしてロビウムシス殿下のかしら?」
わたしがイカ飯をよけているのを見たお姉さまがニッコリと微笑ながら話し掛けて来た。
「だ、だって……来るとか言ってたから」
何故か答えながら焦ってしまう。別に隠す事なんてないのだけど、何だろう何か恥ずかしい。お姉さまがそっと近くに寄って来て、こっそりと耳打ちをする。
「クリストファー殿下じゃなく、ロビウムシス殿下の婚約者だったら良かったのにね。お父様も何でクリストファー殿下と結ばせたのかしらね」
「し、知らないわよ。そんな事……それにクリス殿下の希望だったみたいだし断れないじゃない」
「まぁ、そうなんだけど……」
お姉さまはちょっと不満げに唇をとがらせながら、店の入口へと向かった。そろそろ開店時間だ。お姉さまが変な事言うから焦ったけど、今は仕事に集中集中! 今日も美味しい料理沢山食べて貰うわよ~。
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