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第2章
10話―色々と前途多難です。
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ハワード様の爆弾発言の翌日、私は迎えに来たというハインヘルトさんの馬車に乗り、城へと向かっていた。
「ハワード様からのお呼び出しなんですよね?」
「ええ。そうですが?」
なんか嫌な予感しかしない。
「どういったご用件なんでしょうか?」
「遠征に関する顔合わせと確認事項があるとのことでしたが、何か気になることでも?」
「いえ。それならアルクさんの家に来そうなものなのにと思っただけです」
「他に理由があると?」
「はい。むしろそちらがメインな気がします!」
どさくさに紛れてご飯作っていけとか言われそうな気ぃしかしない。
遠い目をしているとハインヘルトさんが薄く笑う。
「勘が鋭くなってきましたね」
「ええ。あの二人と一緒にいると嫌でも。ハインヘルトさんも大変ですね」
「ええ。まぁ。私の苦労に共感してくださる方が現れるとは思ってもいませんでしたよ」
今日のハインヘルトさんはなんだかご機嫌な気がする。メリッサといちゃラブしてきたからだろうか。この二人のいってらっしゃいは私の目には毒だからとメアリから閲覧禁止がかけられているのだ。
ものすごく気になるけど。
「なにかよからぬ事を考えていますね。顔から駄々漏れですよ」
「きっ気のせいです!」
世間話を交えつつ馬車に揺られること数十分、城の正面入り口へと辿り着く。
ソラとワサビちゃんは今日はお留守番の為ちょっぴり心細いなと思っていたら、「えみ!!」と元気な声が降ってくる。
大階段を見上げると、見知った顔が勢いよく駆け降りて来ているところだった。
「シャルくん!?」
目に入って来たその人物は数週間前に勇者としての修行に入るために一足先に王都へと来ていたシャガールその人だった。
階段の踊り場で勢いそのまま抱きつかれて、転げ落ちるかと思った。
「えみ!! 久しぶり!! 会いたかった!」
「シャルくんも元気そうで良かった!」
私を見下ろす彼はあの時の面影を感じさせない程、逞しく精悍な青年へと成長していた。
というか、背伸びるの早くない?
あの時はまだ私の方が大きかったのに!
……成長期恐るべし。
「神父様と連絡取ってる? 今のシャルくんの姿を見たらきっと驚くよ!」
はにかんだように笑いながら私の手をとって歩き出す。
「ちょくちょく手紙来てる。忙しくてあんまり返事書けてないけどな」
「修行は大変?」
「ああ。まぁな。でも大分力がついたと思う」
そう言って笑うシャルくんの顔は自信に満ち溢れている。
体つきも全然違うし、彼が努力しているだろうことは私が見てもわかる程だ。
なんといっても彼の回りの精霊たちが落ち着き払っている。
魔力のコントロールもなされているのだろう。
頼もしくなったシャルくんの姿に自然と頬が緩む。
「まぁ。アルク様のご婚約者様ともあろう方がこんな目立つ場所で密会ですの? はしたない」
刺々しい声のする方へと視線を向けると、いつかの中庭の美少女が口許を扇子で隠しながらこちらへ侮蔑の眼差しをむけている。
後ろには似たような表情のお着きの女性を二人はべらせている。
「えっと……どちら様でしょう……」
面識はあるが知り合いではない。
…知り合いたくないが正しいか。
シャルくんも黙ったまま固い表情を浮かべている。
精霊たちは彼の肩の上で大人しくしている。危害を加える様子は無さそうでホッとする。
「これは失礼いたしました。わたくしはエトワーリル・ド・ツェヴァンニと申しますわ。アルク様とは幼なじみですの」
でた!ツェヴァンニ其の二!!
しかもさりげないアルクさんの小さい頃知ってますアピール!
絶対アルクさん狙いの奴!
「仮にもこの城に出入りする身でしたら、住まわっている人間くらい頭に入れておいた方がよろしくてよ。黒の巫女様」
最後まで扇子は外さず、自分の言いたい事だけ言って居なくなった。
私もシャルくんも呆然とその場に佇むばかりだ。
「初めてみた。貴族ってみんなあんななのか?」
「さぁどうだろう? あっ! でもアルクさんのお母様はとても素敵な方よ」
「ナシュリーさんだな。確かに優しそうな人だったな。……にしても、婚約者ってどういうことだよ?」
「えっ!? ……と……」
シャルくんの真っ直ぐな視線が痛い。
説明したいけどここじゃ誰が聞いてるかわからないし。
どうしようか迷っていると
「そのままの意味だ。いい加減その手を離せ」
黒いオーラをまとったアルクさんと苦笑いを浮かべたハワード様がやってきた。
シャルくんはハワード様を見ると直ぐに左手を胸へと当てて礼の姿勢をとる。
これが王子様への挨拶なのだろう。
教会で礼儀もしっかり叩き込まれているようだ。
ちなみに私はやったことない。
「勇者殿。かまわないから楽にしてくれ」
ハワード様にそう言われてシャルくんの固い表情が少し和らいだ。
場所を移そうと連れだって歩き出す。
シャルくんが繋いだ手を離してくれなくて、背中に刺さるアルクさんの黒い視線がもの凄く痛かった。
居心地わりぃな。
案内されたのはハワード様の執務室だった。
さすが王子様の部屋は広い。仕事用の机が置かれた部屋の他に来客用の丸テーブルが置かれている部屋があり、そちらへと案内される。
王子様の部屋というくらいだから、もっと色々と高価な調度品がゴロゴロしているのかと思いきや、必要最低限の家具や棚のみで、広さがある割には殺風景に感じる。
席に着いたところで扉がノックされ、ハインヘルトさんに続いて、王宮騎士団総隊長のローガンさんと第二師団長のルーベルさんがやってきた。
そして皆同じテーブルに着いたのだった。
王子様に勇者様に騎士団の団長さんたち。
私の場違い感ハンパないんですけど。
帰りたいと思っていたら、再びノックがあり、メイドさんたちによってお茶とお茶菓子が配膳された。
お茶はハワード様が用意してくれたものだが、お茶菓子は私が持参したものだ。(まぁ半分強制のようなものだけど)クッキーとチョコブラウニーの二種類だ。
「さて、本題に入るが、遠征にはローガンを除くこのメンバーで行くことになった。オレも含めてな」
「え?」
「へ?」
「……殿下。ご冗談でしょう?」
シャルくんとハモった上からアルクさんの呆れた声が重なる。
「冗談ではない。どうやらオレもえみの力で魔力が覚醒したらしい」
「えええ!?」
「本当ですか?」
「ああ。まだ使いこなせていないが、魔族と戦うための戦力になるだろう」
皆が呆気にとられている。
「出発は八日後。場所は先日魔物の群れに襲われ被害が甚大な『イーリス』」
八日後。急に具体的な日数を告げられて緊張してきた。
「イーリスといえばウォルフェンの部隊が復旧に向かった場所ですね」
ルーベルさんがくいっと眼鏡をあげた。
「そうだ。ウォルフェンから連絡があってな。物資の追加要請があった。あとは精霊の数が異様に多いらしい」
「それって……」
思わずシャルくんの方を見てしまう。
「オレと似たような人間がいる可能性が高いということですね」
高い魔力をもつ人間の周りに精霊が集まることがある。初めてシャルくんと会った時も、彼は精霊まみれだった。
精霊を呼び寄せる程の魔力の持ち主がいるかもしれない。
「そういうことだ。その人物を見つけ出し、討伐隊に勧誘する。それが今回の任務だ。それともう一つ。王都近くの山間部に魔物の群を確認した。実戦訓練を兼ねてそこを潰す。従って少数精鋭で行く。異論は?」
ハワード様は優雅にお茶を口にし皆の顔を見渡した。
「私も参加出来ないのが残念ですな」
ローガンさんもゆっくりとお茶を味わっている。
「ローガンには残って城の警備を任せたい。なにしろ三団長が不在になるからな」
心得ましたとローガンさんが頭を下げる。
「私は魔力を持つ訳ではありませんがよろしいのですか」
そう。遠征メンバーの中で唯一魔力を持たないルーベルさん。
そのことを彼自信も気になっているようだ。
「ルーベルは単純に戦力と参謀だ。ついでにオレの護衛。でないと許可しないと親父の奴が言ってきたんでな。まぁ宜しく頼む」
心得ましたと頭を下げるルーベルさんは心なしか嬉しそうだ。
主から直々に護衛に任命されたら騎士としてはとても光栄なことなのかもしれない。
「という訳で、早速明日、勇者殿には聖剣の帯刀式、ならびに精霊との契約の儀を済ませて頂くのでそのつもりで」
「わかりました」
「それとえみにも仕事があるからな」
「へ?」
呑気にお茶を飲んでいたら不意討ちを喰らった。
「何をさせる気ですか?」
訝しげな視線を向けるとハワード様のにやりな顔が美しかった。
なんか美形ムカつく。
「黒の巫女の初仕事さ。なに、ただ立っているだけだ。楽勝だろう?」
「本当に立っているだけなら」
「面倒なのは支度の方だな。朝が早いから今日は城へ泊まっていくといい。勇者殿とつもる話もあるだろう。ついでに夕飯頼むな」
ついでとな?
絶対夕飯がメインですよね?
まぁシャルくんとゆっくり話が出来るのは嬉しいけど。
アルクさんはローガンさんとルーベルさんの手前何も言えないのか、黒いオーラも出さずに黙ってお茶を飲んでいた。
逆に怖いんですけど。
大事な遠征や明日の儀式の話もそこそこに、夕飯の準備へと追いやられた私。
仕方なくメイドさんに案内されてお城の厨房へと向かった。
何か作る量多くね? と思っていたら、今夜の晩餐はハワード様だけでなく、国王様とお妃様も参加されると後から聞かされて、目眩と頭痛にバファリンを服用したのは少し後のお話でした。
「ハワード様からのお呼び出しなんですよね?」
「ええ。そうですが?」
なんか嫌な予感しかしない。
「どういったご用件なんでしょうか?」
「遠征に関する顔合わせと確認事項があるとのことでしたが、何か気になることでも?」
「いえ。それならアルクさんの家に来そうなものなのにと思っただけです」
「他に理由があると?」
「はい。むしろそちらがメインな気がします!」
どさくさに紛れてご飯作っていけとか言われそうな気ぃしかしない。
遠い目をしているとハインヘルトさんが薄く笑う。
「勘が鋭くなってきましたね」
「ええ。あの二人と一緒にいると嫌でも。ハインヘルトさんも大変ですね」
「ええ。まぁ。私の苦労に共感してくださる方が現れるとは思ってもいませんでしたよ」
今日のハインヘルトさんはなんだかご機嫌な気がする。メリッサといちゃラブしてきたからだろうか。この二人のいってらっしゃいは私の目には毒だからとメアリから閲覧禁止がかけられているのだ。
ものすごく気になるけど。
「なにかよからぬ事を考えていますね。顔から駄々漏れですよ」
「きっ気のせいです!」
世間話を交えつつ馬車に揺られること数十分、城の正面入り口へと辿り着く。
ソラとワサビちゃんは今日はお留守番の為ちょっぴり心細いなと思っていたら、「えみ!!」と元気な声が降ってくる。
大階段を見上げると、見知った顔が勢いよく駆け降りて来ているところだった。
「シャルくん!?」
目に入って来たその人物は数週間前に勇者としての修行に入るために一足先に王都へと来ていたシャガールその人だった。
階段の踊り場で勢いそのまま抱きつかれて、転げ落ちるかと思った。
「えみ!! 久しぶり!! 会いたかった!」
「シャルくんも元気そうで良かった!」
私を見下ろす彼はあの時の面影を感じさせない程、逞しく精悍な青年へと成長していた。
というか、背伸びるの早くない?
あの時はまだ私の方が大きかったのに!
……成長期恐るべし。
「神父様と連絡取ってる? 今のシャルくんの姿を見たらきっと驚くよ!」
はにかんだように笑いながら私の手をとって歩き出す。
「ちょくちょく手紙来てる。忙しくてあんまり返事書けてないけどな」
「修行は大変?」
「ああ。まぁな。でも大分力がついたと思う」
そう言って笑うシャルくんの顔は自信に満ち溢れている。
体つきも全然違うし、彼が努力しているだろうことは私が見てもわかる程だ。
なんといっても彼の回りの精霊たちが落ち着き払っている。
魔力のコントロールもなされているのだろう。
頼もしくなったシャルくんの姿に自然と頬が緩む。
「まぁ。アルク様のご婚約者様ともあろう方がこんな目立つ場所で密会ですの? はしたない」
刺々しい声のする方へと視線を向けると、いつかの中庭の美少女が口許を扇子で隠しながらこちらへ侮蔑の眼差しをむけている。
後ろには似たような表情のお着きの女性を二人はべらせている。
「えっと……どちら様でしょう……」
面識はあるが知り合いではない。
…知り合いたくないが正しいか。
シャルくんも黙ったまま固い表情を浮かべている。
精霊たちは彼の肩の上で大人しくしている。危害を加える様子は無さそうでホッとする。
「これは失礼いたしました。わたくしはエトワーリル・ド・ツェヴァンニと申しますわ。アルク様とは幼なじみですの」
でた!ツェヴァンニ其の二!!
しかもさりげないアルクさんの小さい頃知ってますアピール!
絶対アルクさん狙いの奴!
「仮にもこの城に出入りする身でしたら、住まわっている人間くらい頭に入れておいた方がよろしくてよ。黒の巫女様」
最後まで扇子は外さず、自分の言いたい事だけ言って居なくなった。
私もシャルくんも呆然とその場に佇むばかりだ。
「初めてみた。貴族ってみんなあんななのか?」
「さぁどうだろう? あっ! でもアルクさんのお母様はとても素敵な方よ」
「ナシュリーさんだな。確かに優しそうな人だったな。……にしても、婚約者ってどういうことだよ?」
「えっ!? ……と……」
シャルくんの真っ直ぐな視線が痛い。
説明したいけどここじゃ誰が聞いてるかわからないし。
どうしようか迷っていると
「そのままの意味だ。いい加減その手を離せ」
黒いオーラをまとったアルクさんと苦笑いを浮かべたハワード様がやってきた。
シャルくんはハワード様を見ると直ぐに左手を胸へと当てて礼の姿勢をとる。
これが王子様への挨拶なのだろう。
教会で礼儀もしっかり叩き込まれているようだ。
ちなみに私はやったことない。
「勇者殿。かまわないから楽にしてくれ」
ハワード様にそう言われてシャルくんの固い表情が少し和らいだ。
場所を移そうと連れだって歩き出す。
シャルくんが繋いだ手を離してくれなくて、背中に刺さるアルクさんの黒い視線がもの凄く痛かった。
居心地わりぃな。
案内されたのはハワード様の執務室だった。
さすが王子様の部屋は広い。仕事用の机が置かれた部屋の他に来客用の丸テーブルが置かれている部屋があり、そちらへと案内される。
王子様の部屋というくらいだから、もっと色々と高価な調度品がゴロゴロしているのかと思いきや、必要最低限の家具や棚のみで、広さがある割には殺風景に感じる。
席に着いたところで扉がノックされ、ハインヘルトさんに続いて、王宮騎士団総隊長のローガンさんと第二師団長のルーベルさんがやってきた。
そして皆同じテーブルに着いたのだった。
王子様に勇者様に騎士団の団長さんたち。
私の場違い感ハンパないんですけど。
帰りたいと思っていたら、再びノックがあり、メイドさんたちによってお茶とお茶菓子が配膳された。
お茶はハワード様が用意してくれたものだが、お茶菓子は私が持参したものだ。(まぁ半分強制のようなものだけど)クッキーとチョコブラウニーの二種類だ。
「さて、本題に入るが、遠征にはローガンを除くこのメンバーで行くことになった。オレも含めてな」
「え?」
「へ?」
「……殿下。ご冗談でしょう?」
シャルくんとハモった上からアルクさんの呆れた声が重なる。
「冗談ではない。どうやらオレもえみの力で魔力が覚醒したらしい」
「えええ!?」
「本当ですか?」
「ああ。まだ使いこなせていないが、魔族と戦うための戦力になるだろう」
皆が呆気にとられている。
「出発は八日後。場所は先日魔物の群れに襲われ被害が甚大な『イーリス』」
八日後。急に具体的な日数を告げられて緊張してきた。
「イーリスといえばウォルフェンの部隊が復旧に向かった場所ですね」
ルーベルさんがくいっと眼鏡をあげた。
「そうだ。ウォルフェンから連絡があってな。物資の追加要請があった。あとは精霊の数が異様に多いらしい」
「それって……」
思わずシャルくんの方を見てしまう。
「オレと似たような人間がいる可能性が高いということですね」
高い魔力をもつ人間の周りに精霊が集まることがある。初めてシャルくんと会った時も、彼は精霊まみれだった。
精霊を呼び寄せる程の魔力の持ち主がいるかもしれない。
「そういうことだ。その人物を見つけ出し、討伐隊に勧誘する。それが今回の任務だ。それともう一つ。王都近くの山間部に魔物の群を確認した。実戦訓練を兼ねてそこを潰す。従って少数精鋭で行く。異論は?」
ハワード様は優雅にお茶を口にし皆の顔を見渡した。
「私も参加出来ないのが残念ですな」
ローガンさんもゆっくりとお茶を味わっている。
「ローガンには残って城の警備を任せたい。なにしろ三団長が不在になるからな」
心得ましたとローガンさんが頭を下げる。
「私は魔力を持つ訳ではありませんがよろしいのですか」
そう。遠征メンバーの中で唯一魔力を持たないルーベルさん。
そのことを彼自信も気になっているようだ。
「ルーベルは単純に戦力と参謀だ。ついでにオレの護衛。でないと許可しないと親父の奴が言ってきたんでな。まぁ宜しく頼む」
心得ましたと頭を下げるルーベルさんは心なしか嬉しそうだ。
主から直々に護衛に任命されたら騎士としてはとても光栄なことなのかもしれない。
「という訳で、早速明日、勇者殿には聖剣の帯刀式、ならびに精霊との契約の儀を済ませて頂くのでそのつもりで」
「わかりました」
「それとえみにも仕事があるからな」
「へ?」
呑気にお茶を飲んでいたら不意討ちを喰らった。
「何をさせる気ですか?」
訝しげな視線を向けるとハワード様のにやりな顔が美しかった。
なんか美形ムカつく。
「黒の巫女の初仕事さ。なに、ただ立っているだけだ。楽勝だろう?」
「本当に立っているだけなら」
「面倒なのは支度の方だな。朝が早いから今日は城へ泊まっていくといい。勇者殿とつもる話もあるだろう。ついでに夕飯頼むな」
ついでとな?
絶対夕飯がメインですよね?
まぁシャルくんとゆっくり話が出来るのは嬉しいけど。
アルクさんはローガンさんとルーベルさんの手前何も言えないのか、黒いオーラも出さずに黙ってお茶を飲んでいた。
逆に怖いんですけど。
大事な遠征や明日の儀式の話もそこそこに、夕飯の準備へと追いやられた私。
仕方なくメイドさんに案内されてお城の厨房へと向かった。
何か作る量多くね? と思っていたら、今夜の晩餐はハワード様だけでなく、国王様とお妃様も参加されると後から聞かされて、目眩と頭痛にバファリンを服用したのは少し後のお話でした。
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