異世界で料理を振る舞ったら、何故か巫女認定されましたけども——只今人生最大のモテ期到来中ですが!?——(改)

九日

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第2章

13話―私、どうやら本当に巫女だったようです。

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 夜も明け切らないうちから叩き起こされた私は、ワサビちゃん共々王宮の一室にある支度部屋へと連れ込まれていた。
 こんなに早起きをした事のなかったワサビちゃんは限界らしく、振り払えない眠気に抗う事なく、秘技『立ったまま寝る』を習得した。
 かく言う私もメイドさん達の目を盗んで何度も欠伸を噛み殺している。

 本日王宮にて執り行われるのは、シャルくんが勇者として正式に国に認められる為の儀式だ。国王様立ち合いのもと、正式に精霊達と契約を結び、魔族に有効とされる女神様の魔力が込められた『聖剣』を賜るようだ。
 その儀式をまさかの私がやるという、冗談でも全然笑えない状況なのにも関わらず、昨晩はぐっすり眠りましたけども。
 お陰様で体調はすこぶる万全ですが。
 先日、馬車の中で感じた嫌な予感は見事に的中した訳だ。ご飯を作らされるんだろうな、は予測出来たが、まさか「ついでに夕飯頼むな」の方が更についでだったとは全くの予想外だった。
 私の修行もまだまだ足りないようだ……。


 今はその儀式に向けての準備中。なのだが、私がする事はほぼ無い。メイドさん達の指示に合わせて腕を上げたり頭を動かしたり、時に寝そうになってカクンとなったりしているだけだ。
 聖水で体を清める為、丸裸にされた時は流石に居た堪れなかった。女神様にもうちょっとこう出るトコ出るようにして貰えば良かったなぁと後悔した。
 そうして時間を掛けて磨き上げられ、用意された真っ白で不思議な肌触りの衣装を見に纏う。イメージ的にはギリシャ神話のコスプレする時に着てそうなキトーンっぽいが、装飾品も帯も全てにおいて白で統一されている。その上から羽織るローブは床を引き摺る程長い生地で出来ているが、全面に真っ白な糸で刺繍が施されている。布は上質だし刺繍は繊細で糸はキラキラしているから、絶対お高いやつだ。
 よく三日の準備期間でここまで仕上げたねと思う。王宮の衣装係さん達の本気を見た気がした。

 白は女神ミランツェの色とされ、純真無垢の意味を持つ。今私は全身で『女神様のご意向に全て従います』と言っているらしい。
 化粧はせず、白粉だけはたかれる。女神様の前で素顔を隠すなど、言語道断らしい。
 先に言っておいて欲しかったよね。知っていたら夕べちゃんとフェイスパックしてから寝たのに。
 髪の毛は上品に纏められ、女神様と同じ名前の花を飾られた。とても優しい香りがする。
 ハワード様のお陰でささくれだった心が癒されていく。……ような気がする程にはリラックス効果があるのかもしれない。
 ワサビちゃんにも同様の衣装が用意されており、それらを身に纏ってはにかむ姿は、おませな年頃の女の子といった具合だ。

「ワサビちゃんとっても可愛いよ」
「えみ様もとっても綺麗です。女神様みたい」

 いやいやいや。あんな美人と一緒にされたら本物の女神様に怒られますから。



 丁度支度が整った時、部屋の扉がノックされた。
 やって来たのはやっぱりハインヘルトさんだ。こんなに見計らったかのようなタイミングで現れるのは、いつもいつも彼だ。一緒にソラも入ってくる。

「これは……」

 私を見るなりハインヘルトさんが固まった。表情があんまり変わらないから判断が難しいのだが、それは一体どういう意味なのか。恥ずかしいから何か言って欲しかった。

「ほぉ。それなりになったではないか」

 一体どういう意味なのか!?
 ソラなりの褒め言葉と捉えていいのかな。
 苦笑しながらも我に返ったハインヘルトさんに促され、ワサビちゃんとソラと一緒に彼に続いて部屋を出た。



 案内されたのは、城内にある『儀式の間』と呼ばれる、円柱状の建物だ。今までいた王宮とは造りが全く異なっている。
 石造りで強固なイメージの王宮に対し、ここだけ真っ白な大理石で造られている。一定の間隔で立つ柱も太く真っ白だ。
 上部がステンドグラスになっていて、女神様と精霊や四聖獣が描かれているらしい。この国の人達にとって如何に精霊が身近にあり、聖獣や女神様を深く信仰しているかがよく分かる造りになっている。ここから見ても綺麗なのに、これに太陽光が差したら一体どんな風に見えるのか。

「皆様お揃いです」

 扉の前でハインヘルトさんがこちらを振り返る。

「教会の方から教皇様、並びに枢機卿様が参列いたしております」
「え? いらしてるのですか?」

 だったら何故私にやらせるのか? と思ったが、ここまで来てそれ言っても意味が無いので止めました。こうなったら腹を括るしかない。女は度胸だ!!

「宰相様がお手伝いくださいます。真っ直ぐ前を見て、正面へお進みください」
「分かりました」
「決してキョロキョロしないように」
「……分かりました」

 ゆっくりステンドグラスを見学するのは、またの機会になりそうだ。
 一気に緊張が起こり震えそうになる手をワサビちゃんが握ってくれた。

「ワサビもお手伝いします」
「うん! ありがとう」
「転ばぬようにな」
「わかってるよ」

 ソラがフフンと鼻を鳴らした。今日の黄金色はちょっぴり意地悪だ。

「いってらっしゃいませ」

 送り出してくれるハインヘルトさんに礼を告げ、私達はゆっくり開かれていく重厚な扉の奥へと進んだ。




 中は円柱状に部屋になっていた。外から見るよりもずっと広く感じる。
 上部のステンドグラスはぐるりと部屋を一周しており、陽の光を様々な色に変えて室内へ落としている。その美しさに目を奪われそうになったが、偉い方々の視線を一斉に浴びてそれどころでなくなった。
 中央が少し高い段になっており、その上では既にシャルくんが待っている。
 その奥に用意された大きな椅子には国王様が鎮座していた。
 少し離れた高い位置に白いローブを身に付けた、オーラ増し増しのおじいちゃんが座っている。隣のおじいちゃんは見た事があるので、おそらく教皇様と枢機卿様なのでしょう。なんとなく視線が痛い気がしたので、そちらは一切見ない事にした。

 足が竦みそうになるのを堪え、大臣らしきおじ様方の間を俯かないように前を見て進んだ。参列者は中央の段を取り囲むように配置されており、参列者と段の間に騎士団の団長さん達が等間隔で立っている。
 アルクさんと目が合ってちょっと安心した。
 真面目な顔してウィンクしてくるの止めて欲しい。ニヤけるから。
 その近く、参列者の最前列にハワード様の姿を見つけた。睨んでやろうかと思ったけど、その隣がツェヴァンニ大臣だったので止めておく。

「巫女殿、こちらへ」

 宰相様に誘われ、段の上へ移動する。
 シャルくんと向かい合う位置に立つと、彼がニコっと微笑んでくれた。
 その笑顔はまさに天使の微笑み。今の私は絶対に鼻血を出す訳にいかないので、どうか自重していただきたい。
 聖騎士団の制服なのか、今日のシャルくんは騎士の姿だ。白の立襟に金のボタン。アルクさんと違うのは、膝丈のブーツも白い事だ。
 胸のポケットにはミランツェの花が刺繍されていて、シャルくんが王子様ですと言われてもなんら不思議のない出で立ちだった。
 本当に勇者様なんだなぁ……

「これよりシャガール殿の…———」

 宰相様が声を張り上げたその時、周りの音が遮断されたように静寂に包まれ、突如頭の中に透き通るような女性の声が聞こえた。

 ———えみ。シャガール。よくぞここまで来ましたね

「「!?」」

 シャルくんと顔を見合わせた。
 シャルくんも戸惑った表情をしているから、きっと同じ声が聞こえてる。
 どちら様でしょう?
 さっき見た限りでは、この部屋に女性は私とワサビちゃんだけですが。

 ———あなた方二人に試練を課します。今から契約を結ぶ四人の精霊を上位精霊へと導くのです

 どゆこと?
 精霊は姿形がずっと変わらない筈でしょう?

 ———あなた方ならそれが叶う事でしょう

 思わず後ろにいるワサビちゃんを見つめてしまう。
 ワサビちゃんのように、『器』を大きくしろという事か?

 ———それが叶った時、あなた方にこの世界の全てをお話し致しましょう

 シャルくんと顔を見合わせてしまう。彼も困惑しているようで、表情は固い。
 この世界の? 全て?
 もしかして今のって……

「「女神様?」」

 シャルくんとハモってしまった。
 やっぱりそうなのか!
 進化させるってどうやるの? 今すぐじゃないよね?
 もう少し具体的に言ってくれないとわかんないじゃん!


「うぉっほん!!」

 宰相様の咳払いが聞こえて、シャルくんと同時に背筋を伸ばした。

「お二人とも、よろしいですかな?」

 そう言えば、儀式の真っ最中だった!!

「それでは、黒の巫女殿よりシャガール殿へ魔道具を授与して頂きます」

 豪奢な台座に乗せられて仰々しく運ばれて来たのは、これまた豪華な作りの宝箱のような箱だ。
 中に用意されていたのは、過去に魔王と戦った勇者が当時装備していたと伝えられる三つの魔道具だった。千年前の代物だが、魔術で厳重に保管されていたそれらは当時のままなのだと言う。
 二つは『指輪』だ。
 厳つくてゴツいそれらは、指輪というよりもメリケンサックのような武器に見えなくも無い。一つは魔力を増幅させ、一つは転移魔法の魔法陣を記憶させる事が出来るのだという。
 それらを一つずつ渡すと、シャルくんは右手と左手にそれぞれ一つずつ装備した。

 最後の一つを手に取って、私は驚きのあまり声を失う。それは絶対にこの世界にある筈の無い物だったからだ。

「えみ?  ……大丈夫か?」

 そんな私の異変に、シャルくんが心配そうに声を掛けてくれる。

「ごめんなさい……大丈夫……」

 それは『御守り』だった。

 私は大学受験の時、母に貰った。その時貰ったのは合格祈願の御守りだ。ずっと、受験が終わってからも愛用していたリュックに付けたままになっている。
 そっと手に取る。
 これはもう大分傷んでしまっていて御守りの字は読めなかったが、ついている紐や水引飾り、オレンジ色の布地に金糸で花菱が刺繍された一般的な物のように思う。
 これに魔道具としての役割はない筈だ。にも関わらず、ボロボロになってもこうして大事に保管されていた。当時の勇者が、この御守りを本当に大切にしていただろう事が伝わってくる。
 千年前、この世界へ来た異世界人は、やっぱり私のような日本人だったのではなかろうか。
 その人はどんな想いで共に戦う勇者へこれを渡したのか。
 一緒に戦地へ赴いたのだろうか。それとも別の場所で無事を祈ったのだろうか。
 どちらにせよそれを思うと胸が締め付けられるように苦しくなった。
 そのお守りを両手で挟むと「どうかシャルくんを守ってください」と祈りを込める。このお守りを無事に持ち帰った過去の勇者のように、シャルくんもどうか無事に帰って来られますように。
 手渡した私の様子が気になったのか、シャルくんが心配そうにこちらを見ている。今は儀式の最中だからと、無理やり笑顔を張り付けた。


「では、精霊との『契約の儀』を執り行う」

 ここでは私に出来る事は何もない。なので、段から降りてワサビちゃんとソラの隣に並んだ。
 シャルくんは一度にまとめて契約してしまうようで、四人の精霊達は彼の前でふよふよしている。
 火の精霊には『イグニス』、水の精霊には『レーゲン』、風の精霊には『アネム』、土の精霊には『ベルク』と言う名が与えられた。
 彼等は嬉しそうに互いに顔を見合わせ、それからシャルくんの右手へそれぞれキスをした。
 私がワサビちゃんと契約した時には何も感じなかったが、シャルくんは違った。
 彼の魔力量が尋常ではない事を知っていたつもりだったが、どうやら本当につもり・・・だったようだ。彼らがキスをした途端、足元から風が巻き起こるとそれに炎と水と砂が混じった。そう見えているだけで、実際にそこに砂がある訳ではないので、こちらへ降りかかることはない。
 それでも、炎も水も砂もあたかもそこへ存在しているかのように具現化され、その場にいた全員に目視出来たようだ。どよめきが起こった。
 それ程長い時間では無かったが、足元から渦巻くように立ち上がりシャルくんを包み込んで天井へ抜けるように霧散して消えた。
 後にはキラキラと白い光が降り注ぐ。それがステンドグラスの光と相まって、シャルくんを幻想的に包み込んでいる。

 私は側にあった『聖剣』を手に取った。白銀の鞘に収まり不思議な魔力を宿したそれは、見た目に反してずっしりと重い。
 未だ光が降り注ぐシャルくんの元へと近付く。
 宰相様は私が聖剣を手にした事に驚いていたようだったが、どうしても私は私の手から・・・・・渡したかった。
 そうしなければならない気がしたのだ。
 聖剣を手にした私が段の側へ寄ると、光に気をとられていた立会人達に再びどよめきが起こっている。
 上部から儀式の様子を見ていた教皇様が驚愕のあまり立ち上がって見ていたのだが、そちらを見ないと決めていた私は知らない。

「えみ……?」
「シャルくんにこれを渡すのはすごく気が引けるの。貴方に全て背負わせてしまう気がするから……」

 両手で持った聖剣へ視線を落とした。
 きちんと手入れがなされ、大切に大切に保管されてきたそれは、人々の想いの結晶でもある。大切な人達が幸せに暮らせる世界が守られるように、と。
 それを私達が託された。
 顔を上げ、シャルくんを真っ直ぐに見つめる。両手に持つ聖剣を彼に向かって掲げた。

「私が見届けます。必ず、最後まで。……だから一緒に頑張ろうね」

 シャルくんは表情を崩すと、右手でそれを掴んだ。

「ああ。よろしくな」

 聖剣と共にシャルくんが淡く発光した。頼もしい笑顔もまた輝いていた。

 国王様が立ち上がる。

「ここに勇者誕生を宣言する!!」

 よく通る快活な声が響き渡り、拍手と歓声に包まれる。
 シャルくんはどこか誇らしげだ。十五とは思えない逞しい姿に、思わず頬が緩んでしまう。

 勇者誕生の瞬間だった。
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