溺甘系朧咲夜【完】

桜月真澄

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side流夜9

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もう片腕を咲桜の背中に廻して、腕の中。咲桜は、背丈はあるけどすっぽり収まる。

「あ、あああの!」

「なに。好きって言えって言ったの咲桜だよ? 言ったらたくさんするって言ったろ」

「そうですけどっ。自爆は認めますけど、えーとあのえーと……あ! お店! 戻らないと! 大和さんに謝らないと! 空気悪くして逃げて来ちゃいましたから!」

「バカに謝る必要ない。あいつ、察しはいいから今頃こうしてるのもわかってる」

「恥ずかしい!」

がばっと両手で顔を覆った。……咲桜があれを気にする理由が、未だによくわからない。あのクソガキがなんだってんだ?

あ。

「咲桜……もう一つ話忘れてた……」

言いたくねー。……でも、隠し事しないって言ったしなー。

「なんです?」

咲桜が指の隙間から覗いて来る。

「あれとつるむようになったきっかけ? なんだけど……」

「………」

これでもか、というほどじーっと見て来る。……白状するしかないか。

「当時はあいつ男として育てられていて、俺も男だと思ってたんだ。普段は髪も黒く染めていて、東洋系の顔立ちで、四歳って年齢なのもあって目立ってて。ほとんど同じ講義受けていたから、なんとなく話すようになったって言うのかな。まあそんな感じで、俺としては弟でも出来た気だった。でも悪目立ちし過ぎたのか、ある日、な……」

「……どうしたんです?」

今度は俺が項垂れる番だった。

「学内外の女子に襲われたんだ……」

「……はい?」

あー、思い出したくねえし話したくもねえ。

「それで流夜兄さん、女性に雑になったんですよ」

「てめえは女性恐怖症になって今も治ってねえだろ」

あまりに忌まわしくて話したくなくて、説明を斎月にぶん投げた。

再び咲桜と《白》に戻ると、斎月はまだいた。降渡が増えていた。

「貞操の危機じゃないですか!」

斎月から話を聞いた咲桜は、真っ青な顔で叫んだ。

……否定出来ない。

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