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side咲桜1
しおりを挟む『女子生徒に襲われた』という気になり過ぎる言葉を発しておきながら、もやもやした顔をして詳しく話さない流夜くんは、結局私を連れて《白》へ戻った。
笑満と頼は帰されたみたいだけど、大和さんはいた。降渡さんが増えていた。
「あー、それっすか。ほんとですよ。一日中追い掛け回されて、二人して逃げ回って。ガチ怖かった……。それで流夜兄さん、女性に雑になったんですよ」
「てめえは女性恐怖症になって今も治ってねえだろ」
「貞操の危機じゃないですか!」
こわーっ。それは性別女性の私には話したくないわな。うっかり流夜くんのこと責めなくてよかった……。
大和さんはよく見ると、左目が銀色だった。
ふゆちゃんがハーフって言ってたけど、普通の金髪とは言い難い髪の色といい、すごく神秘的だな……。
「そのとき大和さんは男の子? だったんですか?」
カウンターの中のふゆちゃんに言われて、大和さんの隣のカウンター席につく。
流夜くんは傍に突っ立って不機嫌な顔で腕組んでる。
「家の事情で男として育てられてたってだけですよ。男性になりたいとかそういうんではないです。あと、斎月でいいですよ。咲桜さんのこと、姉様って呼べるのを心待ちにしてましたから」
「へ?」
ねえ、さま? 大和さんはニコニコしている。
「私のこと……知ってたんですか?」
「アメリカ時代、流夜兄さんからいつも聞かされてましたか
「あー! クソガキはうっせえなあ」
急に流夜くんが声を張り上げてびくっとしてしまった。
「ガキくせえ焼きもち妬いてんのはどっちだよ。咲桜姉様に逢わせてくれって何度頼んでも不意にしてきたくせによ。あれだろ? 俺が咲桜姉様に逢っちまったら俺に盗られるって心配だったんだろ?」
艶っぽい言い方をした大和さんは、ついっと私の顎に人差し指を当てて、斜めに持ち上げた。
斜(はす)に構える大和さんは色気満載。う、うわ……なにこれ迫力!
「咲桜に触んじゃねえ女恐怖症のくせしやがって! 『俺』に戻ってんぞバカ!」
「わざとに決まってんだろー? 女性は怖いけど咲桜姉様は大丈夫だ。兄さんもだろ?」
「咲桜だけ可愛いし大事だ! 他の奴はどうでもいい!」
「同意だ!」
……あ、この人たち似た者同士なんだ。なんかわかった気分だ。
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