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閑話休題
拝啓桃子母さんへ2
しおりを挟む笑える、けどね……。んー、自分で蒔いた種と言うか自業自得なんだけど、学校では斎月が流夜くんの『彼女』って認知されてるの、やっぱりちょっとやだ。
いや、私が彼女ですって名乗り出られるわけもないんだけど、やっぱりなあ……。
斎月と逢った翌日、学校はすごい騒ぎだったよ。『神宮先生の彼女は金髪美女』って。私も初見ではそう思ったから否定出来なかった。流夜くんは、肯定はしないけど否定もしないで流してる感じ。『お似合い』って言われてるから、この騒ぎも少しすれば落ち着くと思う。
まあ、『神宮先生の彼女』だからね。私なんかでは到底無理さ。流夜くんと斎月が揃った時の顔面偏差値の高さ。……あれ? 私一応、流夜くんと親戚? なんだよね? 全然似てる要素なくね? 斎月の方が流夜くんと似てるよね? さすが兄弟('ω')ノ! ってむしろ泣いたあとに笑えてくるよ。
……ねえ、桃子母さん。桃子母さんは、美流子さんとして生きたかった?
それとも、華取桃子として最期を迎えたかった?
私には一生わからない答えだけど、『桃子』母さんが幸せに生きていたのは知ってるよ。
在義父さんのこと、大すきだったもんね。
二人の間にいられた私は、世界で一番幸せだったんだよ。私がそれを伝える言葉を持つ前に、桃子母さんは儚くなってしまったけど。
本当だから、ちゃんと知っておいてね?
あとね、在義父さんから聞いたよ。私の父親は、誰だかわからないんだって。
しょーじき、流夜くんとの関係を聞いた時よりショックだった。あ、桃子母さんを責めるとかそういう気はないからね? 私は華取咲桜以外の誰でもないから、それは桃子母さんがいてくれないと、私はいないってことだから。
お腹に私がいた桃子母さんを保護してくれたのが、当時警視庁勤めだった在義父さん。でも、それが本当でいいと思ってる。
桃子母さんは桃子母さんで、私の父さんは在義父さん。血縁とかそういうの、どうでもいいやって思えた。流夜くんとの関係発覚の前段階? があったからかな。少し落ち込んだけど、すぐ回復したよ。
ね、私今、すごく幸せに生きてるよ。それはたぶん、桃子母さんが在義父さんと出逢ってくれたところから始まったんだと思う。
桃子母さん、在義父さんと出逢ってくれてありがとう。私を産んでくれてありがとう。
在義父さん、桃子母さんと出逢ってくれてありがとう。私の父さんになってくれてありがとう。
咲桜は、大すきな人と一緒にいる未来に近づけたかな?
付き合っていることを隠さなくてよくなったらね、手を繋いで笑っていたい。結婚して赤ちゃんを授かったら、二人で赤ちゃんの手を繋いで繋がっているの。
私が小さかった頃の、在義父さんと桃子母さんみたいに。
永遠に憧れる、二人みたいに。
END.
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