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二 発覚

side水都8

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「嬉しかったよっ。わたしに話しかけてくれる人なんていなかったから……。改めて言わせてください。――おはよう。よ、よかったら、わ、わたしと友達になってくださいっ」

えいっと、二人に向けて右手を出した。

テレビで見たプロポーズの知識だけど、ここで使い時だ!

「おはようっ! こちらこそ、友達になりたいっ」

「おはよう。藤沢さん――水都ちゃんでもいい?」

………! とも、だち……っ。

「あ、ありがとう……! わたしのことは好きに呼んでっ」

「私も露季でいいよ。快理ちゃんもいいよね?」

「もちろん。水都ちゃん」

露季ちゃんと快理ちゃんが、わたしの手を取ってくれた。

自分から望んだ初めての友達。

コガサクくんのおかげで、絶望に満ちていた朝から一転、ずっとほしかった存在が手を握り返してくれていた。

嘘みたい……嘘みたいだけど、現実(ほんとう)だ。

それから二人がいつもお昼を食べているという中庭で一緒にご飯を食べることになった。

「水都ちゃんってクールとは全然違う感じなんだね。あ、悪い意味じゃないよ?」

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