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二 発覚
side水都22
しおりを挟む? そう、とは?
「どういう意味ですか?」
「なんていうかこう……内弁慶」
「内弁慶」
言い得て妙だ。思わず反芻してしまった。作之助は大きく肯きながら話す。
「親しくない人には滅茶苦茶怯えるのに、一度距離が近づいたら遠慮なし」
「否定はできませんね」
そう言われたら、ユイなんかは距離が近づいた人なんだろう。
自分の過去とか、作之助に話したことを思い返す。
「人との距離感がわかんないんですよ。幼馴染が多いってのは話したと思いますけど、家族ごと仲いい人たちだから、普通の友達はそれとどう違うのか、とか」
「ああ……」
……半眼になる作之助。なんだかすごく納得されている気がします。
「そういうわたしに付き合ってくれる友達がいるのか、わたしのそういうところに呆れて友達が離れたりして、自分が変わることを選ぶのか……まだまだわからないですけど」
「……うん。いんじゃない? それで」
作之助は静かに肯きました。
「……あれ? ってことはわたしの最初の友達は作之助じゃなくてユイになる……?」
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