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五 想い

side作之助2

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回廊には自校や友人の応援に来ていると思しき人が点在していた。

途中で、その人たちがちらっと水都さんを見ていることに気付いた。

そういや水都さんって美形で有名なんだっけ。

ぶっ飛んだ言動のせいで最近、学内でもその評判が薄れている気がするけど。

「あ、やっぱ来てるよ。美少女」

「あれだよね? 司羽咲の応援」

おや、こちらは水都さんを名指し。

水都さんは中学時代も司さんの応援に行っていたようだから、有名のようだ。

そして続けて俺を見ると、慌てたように顔をそらした。

……はいはい。別に俺は見られたくらいじゃ喧嘩売りませんよ。買いもしないし。

「ここ、総常高校よく見えるね。ここ使わせてもらおっか」

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