朧咲夜3-甦るは深き記憶の傷-【完】

桜月真澄

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六 わりーわりー、足が滑った。

side流夜4

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高校の頃、俺の傍らには大体女子がいた。

そのタイプはバラバラで、本当に見境がないと思われていたのも知っている。

ただそれは自分から望んだ『彼女』というものではなく。

あの頃護りたかったものは、体面上の『彼女』ではなく、『幼馴染』だった。

だから、二股にはならないようにだけはして、あとは相手の思うようにさせておいた。

そうすれば、学問以外興味のない俺に、『彼女』のことも見ようとしない俺に、相手は興味をなくして離れて行った。

それがたくさん繰り返された。

過去にあった事実はそれだけだ。

「………ほんとか?」

宮寺の声は胡乱に誰何(すいか)している。

「事実だ。絆のときは、少々俺も対応を間違えた。絆を、降渡に言い寄ってくるほかの女子同様に捉えてしまった。だから、追い払おうとした。……降渡にばれてぶん殴られて絆にも謝った」

宮寺は十秒ほど黙った。

そして半眼で口を開いた。

「……………いくら春芽たち巻き込まないためつったって、お前最低だろ。絆先輩のことは軽率に変わりないじゃねえか」

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