陽華の吸血鬼①【完】

桜月真澄

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5 鬼人

side真紅35

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「どうなるかは、まだはっきりとは言えない。黎明のはあまり例のない混血だ。そのために桜城の家を出て陰陽師である小埜家で育ったほど。何か不穏なことになれば、すぐに対応出来るようにと。もとよりこの国に吸血鬼ってのはいないんだ。吸血性のあるものでいうなら蛭(ひる)なんだが、あれはあくまで動物であり妖異となっても動物霊だ。ヒトと変わらない吸血鬼とは違う」

「……ひる?」

「田んぼとかにいる虫だ。皮膚から血を吸うところは吸血鬼と一緒だが、幽霊となっても意思を持つようなことはない。……吸血鬼と鬼人の混血に、果たしてこの国の退鬼師の血が通じるかどうかもわからない」

通じるかわからない? それは――

「黎に、なんの害もない可能性もあるってこと?」

声を上ずらせる私に、しかし白ちゃんは顔を渋くさせた。

「……黎明のと真紅に関しては、総てが否定出来ない、という言い方しか出来ない。言ったように、前例がないからな。真紅の血に関しても、どの程度の濃さかという話にもなってくる。紅亜様と真紅が桜木家と絶縁している以前に、退鬼師・桜木はもう廃れてないものなんだ。今の桜木の血族に、退鬼師性のあるものはいないはずだ。真紅は小路の血も引いているから、今妖異の類(たぐい)が視えているのかもしれない。……せっかく頼ってくれたところをすまないが……」

申し訳なさそうに眉をしかめる白ちゃん。総てが否定出来ない、か……。

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