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6 残滓
side真紅5
しおりを挟む誰にも話せない……話してはならない。
白ちゃんは続ける。
「守秘義務なんてものがある以前からの、陰陽師の掟。破れば相応の罰を喰らう、法理よりもいにしえの、人の約束だ」
「―――……」
いにしえの、人の約束……。
血に刻まれた性(さが)。
白ちゃんは私から視線を逸らした。
「このことへの返事は急がない。急を要するのは黎明のに流れる真紅の血のことだな。そして、紅緒様が目覚めたあとの影小路への対応をどうするか。……影小路に入る決意は、揺らいでいないか?」
私が架くんにだけ伝えた言葉。
白ちゃんは承知の上だったか。
「………」
私は、唇を引き結んだ。
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