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side千波
しおりを挟む高校生にして私は、結婚はお見合いでいいなあ、と、コンプレックスから恋愛を諦めていた。
お見合いなら結婚する気のある人がまず相手になるんだよね?
私も両親に孫は抱っこさせてあげたいから、結婚はしたいと思っている。
だからそこでうまくいきそうな人と出逢えたらそれで、と。
その思うようになった原因というか、コンプレックスは長年の積み重ねだ。
私の左頬には生まれつき大きなアザがある。
この生まれつきのアザは男子にはからかいのかっこうの的で、『醜女(しこめ)』って堂々と言われたこともあったなあ。
まだブスって言われた方がマシだよ、って心の中で怒ったっけ。
今では怒りを感じていたのも思い出の中になってしまった。
それから、うちでアザの話をするとお父さんは不機嫌になる。
反対に、お母さんとお姉ちゃんは「気にすることない」って言う割にはにやついている。
二人のにやつきがわたしをけなしている意味でないとはわかるんだけど……わたしにそう言ったあと、愉快そうな目でお父さんを見る理由はわからなかった。
そんな感じでからかわれ過ぎて気にすることもなくなった高校一年生の春。
お休みはいつも行っている図書館で、一人の男の子と出逢った。
そしてお姉ちゃんの口から、生まれつきのアザにまつわる伝説? を聞いて……。
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