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二 さて。
side遙音6
しおりを挟む「うん」
「―――」
俺の応答に、笑満ちゃんは愕然とした表情になってしまった。
……ちゃんと、話すね。
「咲桜を王子様扱い、したよね?」
「―――……え?」
咲桜を? 笑満ちゃんの声と表情には、戸惑いがありありと見える。
「は、遙音くんも咲桜を男扱いするなって、そういうこと?」
「そうでもあるけど、ちょっと違うかな」
笑満ちゃんの右手を絡め取った。
「笑満ちゃんに、俺以外に男がいるのは、嫌だ」
「え……男って、咲桜のこと……? 咲桜は女の子だよ?」
「うん、それはわかってんだけど――。ごめん、お願いだから咲桜のこと、そういう風に言うのやめてほしい」
あー、すっげえ情けないこと言ってる……。
神宮に触発されて本当に攫ってきてしまったけど、笑満ちゃんを怒らせないかも心配だった。
これで引っぱたかれたりしたら立ち直れない……。
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