朧咲夜4-朧なはなの咲いた夜-【完】

桜月真澄

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二 さて。

side遙音6

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「うん」

「―――」

俺の応答に、笑満ちゃんは愕然とした表情になってしまった。

……ちゃんと、話すね。

「咲桜を王子様扱い、したよね?」

「―――……え?」

咲桜を? 笑満ちゃんの声と表情には、戸惑いがありありと見える。

「は、遙音くんも咲桜を男扱いするなって、そういうこと?」

「そうでもあるけど、ちょっと違うかな」

笑満ちゃんの右手を絡め取った。

「笑満ちゃんに、俺以外に男がいるのは、嫌だ」

「え……男って、咲桜のこと……? 咲桜は女の子だよ?」

「うん、それはわかってんだけど――。ごめん、お願いだから咲桜のこと、そういう風に言うのやめてほしい」

あー、すっげえ情けないこと言ってる……。

神宮に触発されて本当に攫ってきてしまったけど、笑満ちゃんを怒らせないかも心配だった。

これで引っぱたかれたりしたら立ち直れない……。

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