陽華の吸血鬼➁【完】

桜月真澄

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9 紅姫

side真紅10

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「そうだね。白ちゃん、名前つけてもらえないかな?」

「!」

ぴんっと、白ちゃんの背筋が伸びた。

「い、いいのか?」

「白ちゃん、猫すきなんでしょ?」

「可愛いっ!」

どんな肯定の仕方だ。いつもの冷静さをなくすくらいすきなようで、思わず苦笑がもれた。

「えっとね、本当に綺麗に真っ白な仔と真っ黒な仔なんだけど――

「藤虎(ふじとら)」

「小太郎(こたろう)」

「……ん?」

私の言葉が終わる前に、二人分の声が続けて聞こえた。

「え、今、黒ちゃんも言った?」

こたろう、と言ったのは、黒ちゃんの声だった。

「あ。……なんでだ?」

首を傾げる黒ちゃん。私は二度瞬いた。自分で意識せずに言ったの?

「白ちゃんも、随分すぐに難しい名前考えたね」

「いや、なんか口をついたというか……」

白ちゃんも、自身の言葉に不思議そうな顔をしている。

ふじとらって、これまた強そうなお名前を。

「……真紅、仔猫二匹を、黒藤と白桜にそれぞれ任せてみませんか?」

そう言ったのは、紅緒様だった。

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