朧咲夜1-偽モノ婚約者は先生-【完】

桜月真澄

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八 先生、咲桜になにしたんですか?

side咲桜10

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「今日も流夜くんのとこ行くの?」

「ううん。今日はお仕事あるって」

「あらーん。淋しいねぇ」

「ないよっ」

終始からかい調子の笑満と別れて、疲れながら家に向かう。その途中、竹林の入り口でぼけーっとしている顔を発見した。

「頼?」

「んー?」

空に向けていた、指で作った四角が私に向いた。

「あ、咲桜」

「帰り? 一緒に帰る?」

「んー」

頼はぼんやりした動きで私のところへやってきた。

「咲桜、最近なにかあった?」

「私?」

ドキッとした。頼には話していないけど、実は大きなことがあったからだ。笑満といい、鋭いな。

「なんか変に見える?」

「変って言うか……まあ、いいや」

喋るのが面倒だとでも言うように、頼は欠伸をした。

相変わらずの頼のローテンション。……頼は、このテンションの時の方が問題ないから困るんだよなあ。

「なんかあったら言えよー」

「なんかあったらね」

ばいばいーと、頼の家との分かれ道で手を振る。

在義父さんは、今日遅くなると言っていた。もっとも、その予定があてになることはろくにないのだけど。

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