月華の陰陽師2-白桜の花嫁-【完】

桜月真澄

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1 神祇の娘

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ため息をつく黒藤。

現在、その二人は厄介な状況にある。

だが黒藤たちが関わる人物では、今のところない。

「……今、在義にひとつ案件を回しています。小路からの命令で。それに在義は、貴女の弟を巻き込んだようですが?」

「あの子ならうまくやるでしょう。わたくしはあの子には関わるつもりはありませんわ」

「ならいい。下手に干渉されるとやりにくいんで」

「これでも黒藤さんと白桜さんに救われた身ですわ。先ほども言いましたが邪魔はいたしません」

「重畳(ちょうじょう)。またなんかあったら呼んでください。ここなら会えるだろうから」

「そうしますわ。ああ……本当に夜々ちゃん可愛い……早く咲桜の母になってほしい限りですわ」

「……あんたの娘の女好きってあんたからの遺伝?」

「否定はいたしませんわ」

否定してほしかった。すごくいい笑顔で言われた。

……まあいいか。華取桃子の娘にも、神宮美流子の娘にも関わらないだろうし。

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