桜の鬼【完】

桜月真澄

文字の大きさ
上 下
29 / 127
弐 婚約者と鬼の関係

13

しおりを挟む

「……少なくとも夏桜院の家にいるよりは。干渉しなくていいのはどこも同じだけれど、早子(さこ)様の視線をどこでも感じる、夏桜院の家よりはましです」

「ふむ……。お前はどこに居ても楽しくないようだな」

櫻は言うなり、ひとつ肯くと学校とは別の方向へハンドルを切った。

「ちょ、櫻?」

「安心しろ。楽しいという気持ちを教えてやるだけだ」

櫻は「心配などない」と言い放ち、軽やかに笑った。湖雪は言葉を咀嚼するのに時間がかかった。

え………。

これって、連れ去られているんじゃ……?

ないでしょうか。

櫻――……

……今私、心配だらけなのですが……。

しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

悪役令嬢に転生したので、すべて無視することにしたのですが……?

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:1,661pt お気に入り:7,822

危険な森で目指せ快適異世界生活!

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:8,704pt お気に入り:4,135

ひとひら

現代文学 / 連載中 24h.ポイント:0pt お気に入り:0

雑多掌編集v2 ~沼米 さくらの徒然なる倉庫~

大衆娯楽 / 連載中 24h.ポイント:624pt お気に入り:6

グラティールの公爵令嬢

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:17,698pt お気に入り:3,352

運命を繋ぐ騎士団の戦い

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:7pt お気に入り:0

私が王女です

恋愛 / 完結 24h.ポイント:41,085pt お気に入り:437

処理中です...