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第一巻
間章 世界の狭間・姿無き助言
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眩い光に当てられて、いつの間にか閉じていた目をゆっくり開く。
そこは、僕が異世界へと飛ばされる前にいた、白い光で囲われた謎の世界だった。
「ここは…」
「おお、まさか最初の世界でもう仲間を一人連れるとは。なかなかやるではないか。」
それは聞き覚えのある声だった。
異世界に飛ばされる前に聞いた声。僕を転生させた本人。
「え、声さん!?」
「ん?どうした?」
「いや、あれでお別れじゃ無かったの!?」
「別にお別れだ等とは言うとらんし。」
「いや確かにそうだけどさー。」
「あのー?」
僕が複雑な心境でいると、僕の後ろから声がした。
声の主は、僕と一緒に来たフィリオンだった。
フィリオンは不思議な空間を目の当たりにして、キョロキョロとあちらこちらを見ていた。
「ああごめん、フィリオン。」
「…この場所は?あと、あの声は何?」
「残念ながら、僕にも分からない。あの声は神様のようなもの、らしいけど。」
「え、そうなの!?」
「まぁ、そんなところだ。しかし、汝は一人旅をするタイプだと思ったが…」
「僕も最初はそのつもりだったよ。でも、フィリオンがどうしても行きたいって言うから。」
「…不満…だった?」
フィリオンが気まずそうに声を上げた。
「いやいや、そんな事ないよ。」
少し焦った僕は、急いで否定した。
「はっはっは。まぁ旅のお供は1人か2人ぐらいはいた方が、いざという時に何とかなるかも知れぬし、良いのではないか?」
「うん、僕もそう思ってる。」
ふと、フィリオンの顔を見てみると、少し安心したような表情になっていた。
「さて、汝らの事はおおよそ知っておる。早急に次の世界へ行くのであろう?」
僕とフィリオンは顔を見合せ、互いに頷く。
「なら、ここへ来た時の様に手を翳せば新たな世界への扉が編み出される。」
それを聞いた僕は、早速手を翳そうと、手を伸ばした。
「ああ、それと…」
しかし声によって遮られ、僕は伸ばした手を戻した。
「後ろを見てみろ。」
言われた通り振り返ってみると、そこにはラータ村の風景が映し出された扉があった。
「あの扉からあの世界へと戻れる。覚えておけ。」
「うん、ありがとう。」
僕は姿無き声に感謝を伝えると、手を翳し、扉を編み出した。
「最後に、先を急ぐのは確かに大事な事だが、休息を忘れるでないぞ?」
「…うん、ありがとう。」
その言葉を胸に刻むと、僕は先程と同じ感謝の言葉を述べ、続けて
「行ってきます。」と言った。
それに続き、フィリオンも
「行ってくるね。」と言うと、
僕は扉を開けた。
意識が光に包まれる中、「ふ、行ってらっしゃい。」と言う声が聞こえ、僕達は光に包まれた。
そこは、僕が異世界へと飛ばされる前にいた、白い光で囲われた謎の世界だった。
「ここは…」
「おお、まさか最初の世界でもう仲間を一人連れるとは。なかなかやるではないか。」
それは聞き覚えのある声だった。
異世界に飛ばされる前に聞いた声。僕を転生させた本人。
「え、声さん!?」
「ん?どうした?」
「いや、あれでお別れじゃ無かったの!?」
「別にお別れだ等とは言うとらんし。」
「いや確かにそうだけどさー。」
「あのー?」
僕が複雑な心境でいると、僕の後ろから声がした。
声の主は、僕と一緒に来たフィリオンだった。
フィリオンは不思議な空間を目の当たりにして、キョロキョロとあちらこちらを見ていた。
「ああごめん、フィリオン。」
「…この場所は?あと、あの声は何?」
「残念ながら、僕にも分からない。あの声は神様のようなもの、らしいけど。」
「え、そうなの!?」
「まぁ、そんなところだ。しかし、汝は一人旅をするタイプだと思ったが…」
「僕も最初はそのつもりだったよ。でも、フィリオンがどうしても行きたいって言うから。」
「…不満…だった?」
フィリオンが気まずそうに声を上げた。
「いやいや、そんな事ないよ。」
少し焦った僕は、急いで否定した。
「はっはっは。まぁ旅のお供は1人か2人ぐらいはいた方が、いざという時に何とかなるかも知れぬし、良いのではないか?」
「うん、僕もそう思ってる。」
ふと、フィリオンの顔を見てみると、少し安心したような表情になっていた。
「さて、汝らの事はおおよそ知っておる。早急に次の世界へ行くのであろう?」
僕とフィリオンは顔を見合せ、互いに頷く。
「なら、ここへ来た時の様に手を翳せば新たな世界への扉が編み出される。」
それを聞いた僕は、早速手を翳そうと、手を伸ばした。
「ああ、それと…」
しかし声によって遮られ、僕は伸ばした手を戻した。
「後ろを見てみろ。」
言われた通り振り返ってみると、そこにはラータ村の風景が映し出された扉があった。
「あの扉からあの世界へと戻れる。覚えておけ。」
「うん、ありがとう。」
僕は姿無き声に感謝を伝えると、手を翳し、扉を編み出した。
「最後に、先を急ぐのは確かに大事な事だが、休息を忘れるでないぞ?」
「…うん、ありがとう。」
その言葉を胸に刻むと、僕は先程と同じ感謝の言葉を述べ、続けて
「行ってきます。」と言った。
それに続き、フィリオンも
「行ってくるね。」と言うと、
僕は扉を開けた。
意識が光に包まれる中、「ふ、行ってらっしゃい。」と言う声が聞こえ、僕達は光に包まれた。
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