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sayonara

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出産

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わたしがあなたと
出会ったときの事
なんて伝えよう。
いつか、
あなたも大人になって
母は年老いて

そして
つづく続く。
わたしたちはずっと
続いている。


言葉もなにもない
むかしから
誰もが
身体で
知っていたこと。

おんなは、
おとこから
命の火の子をもらう。


わたしたちは
大切にお腹で
育てる。

熱い熱い、火の玉。

そして

産み落とす
ロマンチック。 


臍の緒を切って
お腹の上に抱いたあなたはね
乳首を探して
力強くはってきたんだよ。


あなたの全部
覚えてる。
ここにいるのはもうすでに、
つよいから
いるのであって

なにも、
迷うことは、ない。
最初から行き先を知っているはず。

産まれそして死。
それは
ただ、たんたんと。
つづくつづく。

しかしそれは
ドラマティック。

あたしは

愛する人から

最愛なる

命の火の玉を

つないだ。


あの日。

貴女が産まれた日。




ここから

クライマックスのはなし


さすがね、あなたは

トゲドゲの火の玉になり

子宮を焼き

膣を破り。


あたしの鳴き声、

あなたの鳴き声、


あなたもまた、

自分の骨を、

過酷に軋ませながら


火のように熱く焼けた

通り道を

ゆっくり

ゆっくりと

それを味わいながら

焦らないで。


呼吸を合わせて


心臓の音は


ほら、もう、

あなたのものになった。


✄-------------------‐✄


この時代に、唯一、

命をかけることがある。

それが、出産である。

当たり前に受けいれる。

私の中にいる

私より大切なもの。

なのだから。

潮の満ち干きにあわせ

私たちは未だ、

子を産み落とす。

野生の声をあげながら、、。

おんなは、

それを知ってる

野生の生き物だ。


✄-------------------‐✄



ひとつだった肉体が

ふたつにわかれる

瞬間だった。


あなたは、水を吐き

空気を吸いこむ。


そして、あなたは、、、。


つづくつづく。
ロマンチックでドラマチックに
満ち溢れた人生。

行き着く果ても
その先も、
私たちは
知っている。


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