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第1話
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澪は親友の瑠香たちと四人で沖縄に来ていた。
親友 瑠香の彼氏 蓮の友人である湊也を紹介してもらうのが、この旅行の目的だ。
沖縄北部にある別荘は、瑠香の家の持ち物だ。
プライベートビーチがついていて、とても素敵なロケーションになっていた。
今夜はスーパームーン。
月明かりがとても明るい。
時間はすでに深夜1時をまわっていた。
プライベートビーチで、今日初めて会った湊也と自分の二人きりで膝を抱えて座っていた。
澪は、なんともぎこちのない空気に、次は何を話すべきか頭の中をフル回転させていた。
横目でそっと隣を見ると、湊也は、波に揺られユラユラと海に浮かぶ月を満足そうに眺めていた。
湊也は、海を見つめたまま話した。
「……まったく、あの二人ときたら、、」
澪は湊也が話しかけてくれたので、ほっとしながら返事をした。
「うん、あれじゃ眠れないよね?」
二人がぎこちないながらも、プライベートビーチで深夜の海を眺めているのは、親友たちカップルの愛の営みのせいだった。
湊也は横を向いて澪の顔を笑いながら見た。
「ガチでそうだよな。あいつらもうちょっと静かにしろっての!」
澪は少し照れながらも目を合わせて微笑んだ。
「……きっと気持ちが、止められないんじゃないかな?」
「でも……おかげで、こんな素敵なロケーションで夜の海を見ることができてるし」
「これはこれで、OKかな?」
湊也は抱えていた足をラグからはみ出すように伸ばすと、両手をラグの上についた。
「澪は優しいなー」
澪はクスクスと笑った。
「……まだ恥ずかしいよ、それ」
湊也もクスッと笑った。
「この呼び捨てだろ?」
「謎の敬語なしと、名前の"さん"付けなしの謎縛りなっ!」
「ねーっ!本当になんだろう??」
澪の楽しそうな反応に、湊也も楽しそうに続けて話した。
「ガチであのバカップル、
……明日、連は吊し上げだな!」
月明かりの中、二人は顔を見合わせ声を出して笑った。
最初に流れていた、ぎこちのない空気は次第にほどけていった。
「……湊也」
「ん?」
「私、本当のこと言うとね……」
「あなたのことを紹介してもらうってなった時、ネットでたくさん調べたし、YouTubeで動画をたくさん見ちゃったの」
月明かりに照らされた澪のきれいな横顔とその言葉に、湊也の胸は徐々に熱くなっていった。
「そっか……たくさん動画あがってるからな」
澪は自分のミーハーな反応が恥ずかしくて、両手で口元を隠し、目線は立てた両膝に落としていた。
「すごくかっこよくて、すっかりファンになっちゃった」
「……世界で活躍できるようになるまで、一体どれだけの時間を注ぎ込んだんだろうって思ったりして」
湊也は、じっと澪の顔を見ていた。
その視線に澪は気づくと慌てて言った。
「あっ、ご、ごめん!知ったようなこと言っちゃった!」
「あのさ……俺も白状していい?」
澪は口元を押さえたまま湊也を見ていた。
「えっ?……うん」
「紹介してもらって、マジでガッツポーズだった」
「すっげぇタイプで、今もガチで舞い上がってる」
湊也の言葉に、澪は熱くなる頬を両手で押さえた。
「えっ……ホントに?」
「……すごく嬉しいっ」
湊也はしっかりと澪に伝えたかった。
「このシチュエーションで告ったとしても、雰囲気に流されたとか、思わないで欲しいんだ」
その真剣な姿勢に、澪も湊也の顔をしっかりと見た。
「うん、思わないよ」
「……俺と付き合ってください!」
「はい、わたしで良かったら」
湊也は即答で返事が返ってきたことに、喜びを隠せず顔がにやけてしまった。
「ガチで??」
月明かりに照らされた澪は、優しく微笑むと両手を広げた。
「……湊也、ハグしよ?」
「えっ?……いいの?」
「うん……湊也だから、いいの」
湊也は膝で体制を変えると、澪は腕を回して湊也を抱きしめた。
澪は湊也の体を受け止めると、後頭部を優しく撫でた。
「……湊也、これからよろしくね」
湊也は高ぶる感情を抑えられなかった。
「……こんなの、我慢できねぇから、、」
澪の顔から頭を両手で支えると、湊也は何度も何度も繰り返しキスをした。
親友 瑠香の彼氏 蓮の友人である湊也を紹介してもらうのが、この旅行の目的だ。
沖縄北部にある別荘は、瑠香の家の持ち物だ。
プライベートビーチがついていて、とても素敵なロケーションになっていた。
今夜はスーパームーン。
月明かりがとても明るい。
時間はすでに深夜1時をまわっていた。
プライベートビーチで、今日初めて会った湊也と自分の二人きりで膝を抱えて座っていた。
澪は、なんともぎこちのない空気に、次は何を話すべきか頭の中をフル回転させていた。
横目でそっと隣を見ると、湊也は、波に揺られユラユラと海に浮かぶ月を満足そうに眺めていた。
湊也は、海を見つめたまま話した。
「……まったく、あの二人ときたら、、」
澪は湊也が話しかけてくれたので、ほっとしながら返事をした。
「うん、あれじゃ眠れないよね?」
二人がぎこちないながらも、プライベートビーチで深夜の海を眺めているのは、親友たちカップルの愛の営みのせいだった。
湊也は横を向いて澪の顔を笑いながら見た。
「ガチでそうだよな。あいつらもうちょっと静かにしろっての!」
澪は少し照れながらも目を合わせて微笑んだ。
「……きっと気持ちが、止められないんじゃないかな?」
「でも……おかげで、こんな素敵なロケーションで夜の海を見ることができてるし」
「これはこれで、OKかな?」
湊也は抱えていた足をラグからはみ出すように伸ばすと、両手をラグの上についた。
「澪は優しいなー」
澪はクスクスと笑った。
「……まだ恥ずかしいよ、それ」
湊也もクスッと笑った。
「この呼び捨てだろ?」
「謎の敬語なしと、名前の"さん"付けなしの謎縛りなっ!」
「ねーっ!本当になんだろう??」
澪の楽しそうな反応に、湊也も楽しそうに続けて話した。
「ガチであのバカップル、
……明日、連は吊し上げだな!」
月明かりの中、二人は顔を見合わせ声を出して笑った。
最初に流れていた、ぎこちのない空気は次第にほどけていった。
「……湊也」
「ん?」
「私、本当のこと言うとね……」
「あなたのことを紹介してもらうってなった時、ネットでたくさん調べたし、YouTubeで動画をたくさん見ちゃったの」
月明かりに照らされた澪のきれいな横顔とその言葉に、湊也の胸は徐々に熱くなっていった。
「そっか……たくさん動画あがってるからな」
澪は自分のミーハーな反応が恥ずかしくて、両手で口元を隠し、目線は立てた両膝に落としていた。
「すごくかっこよくて、すっかりファンになっちゃった」
「……世界で活躍できるようになるまで、一体どれだけの時間を注ぎ込んだんだろうって思ったりして」
湊也は、じっと澪の顔を見ていた。
その視線に澪は気づくと慌てて言った。
「あっ、ご、ごめん!知ったようなこと言っちゃった!」
「あのさ……俺も白状していい?」
澪は口元を押さえたまま湊也を見ていた。
「えっ?……うん」
「紹介してもらって、マジでガッツポーズだった」
「すっげぇタイプで、今もガチで舞い上がってる」
湊也の言葉に、澪は熱くなる頬を両手で押さえた。
「えっ……ホントに?」
「……すごく嬉しいっ」
湊也はしっかりと澪に伝えたかった。
「このシチュエーションで告ったとしても、雰囲気に流されたとか、思わないで欲しいんだ」
その真剣な姿勢に、澪も湊也の顔をしっかりと見た。
「うん、思わないよ」
「……俺と付き合ってください!」
「はい、わたしで良かったら」
湊也は即答で返事が返ってきたことに、喜びを隠せず顔がにやけてしまった。
「ガチで??」
月明かりに照らされた澪は、優しく微笑むと両手を広げた。
「……湊也、ハグしよ?」
「えっ?……いいの?」
「うん……湊也だから、いいの」
湊也は膝で体制を変えると、澪は腕を回して湊也を抱きしめた。
澪は湊也の体を受け止めると、後頭部を優しく撫でた。
「……湊也、これからよろしくね」
湊也は高ぶる感情を抑えられなかった。
「……こんなの、我慢できねぇから、、」
澪の顔から頭を両手で支えると、湊也は何度も何度も繰り返しキスをした。
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