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第八章 世界大戦
125.その意味を知る
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「あ、あの、リンちゃん隊長……!」
「ん?」
くるりと、不思議そうに振り返ったリン。会議室から歩み出て、特に口を開くわけでもなくただ進む彼の顔を困ったように見つめ、リレイヌは繋がれた手をそのままに恐る恐ると問いかける。
「なにか……怒ってますか?」
「……」
リンは一瞬目を見開くと、すぐに逸らすように顔の位置を移動させ、口元を抑えた。それから数秒。何も言わずに佇んでいた彼は、不安そうなリレイヌを振り返るとニコッと笑う。
「怒ってないよ」
そう言いにこやかに笑う彼に、ぞわりと、背筋に悪寒が走った。リレイヌが思わず一歩引いたのを目を細めて見つめ、リンは嘆息。ガシガシと頭を搔くと、「まあ、若干苛立ってはいるかも」と、そう告げた。
「それは……何に、対して……ですか……」
「……いろんなことに対して、かな」
言って、膝を折るリン。戸惑うリレイヌの目線に合わせるよう身を屈めた彼は、「怖がらせてごめんね?」と、困ったように謝った。
「……リンちゃん隊長も、怒ったりするんですね」
「そりゃ俺も生物だからねぇ。怒る時もあれば泣く時もあるよ。って言っても、泣いたことそんなないけど」
「……」
黙るリレイヌ。
リンはそんな彼女に優しく言う。
「辛い時は辛いって言うんだよ? リンちゃんとの約束ね」
「……はい」
こくりと頷く彼女に対し、にこっと彼が笑った時だ。
「お、おああ!?」と、響く謎の声。両者不思議に思い振り返れば、そこには驚きに身を固める杏がいた。
リンが「お、杏ちゃん」と軽く手を挙げるのに「はわわ!」と赤くなった彼女は、即座に頭を振るとそろりそろりと話していたふたりの傍へ。「な、何をしていらっしゃるんですか?」と、ソワソワしながら訊ねていく。
「ん? ちょっとした約束事をね。してたとこ」
「や、約束、ですか……」
「杏ちゃんは何してたの? どっか行く予定だった?」
「い、いえ……わたしはあの、し、しじみくんの姿が見えたので、その、挨拶だけしておこうと思って……っ」
「お、そうなんだ。わざわざありがとねぇ~」
「はひゃっ」
真っ赤な顔で己の両頬を抑える杏。そのまま身悶えるように震える彼女を不審そうに見やりながら、リレイヌは「……お知り合いですか?」とリンを見る。
リンはそれに頷いた。頷いて、そして答える。
「彼女は杏。こう見えて一小隊をまとめる隊長だよ。杏ちゃんの部隊は調査とかに特化した部隊で、時々潜入とかも請け負ってる。正直言うとかなり優秀な部隊なんだ」
「し、しじみくんにそれほど褒めてもらえると嬉しいような恥ずかしいような……っ」
「相変わらず照れ屋だねぇ、杏ちゃんは」
ケラケラ笑うリンに、リレイヌは照れ屋なだけなのか?、とひそりと思った。なぜなら杏を見れば明らかに、リンに対して大きな好意を持っているのがわかるからだ。
「(……そういえば)」
この人の表情、先程のリックを思い出すなと、リレイヌは思考。そこで彼女は、交わされた口付けの意味を知り思わず停止。ブンブンと頭を横に振って、浮かんだあの光景を振り払わんとする。
「? どしたの、リレイヌちゃん」
不思議そうにリレイヌを見るリン。
そんな彼に、リレイヌは素早く「なんでもないです!」を返すと、そのまま居た堪れなさそうに横を向く。微かに赤らんだ頬を抑える彼女に、リンは沈黙。なるほどなぁ、と頷いた。
「ん?」
くるりと、不思議そうに振り返ったリン。会議室から歩み出て、特に口を開くわけでもなくただ進む彼の顔を困ったように見つめ、リレイヌは繋がれた手をそのままに恐る恐ると問いかける。
「なにか……怒ってますか?」
「……」
リンは一瞬目を見開くと、すぐに逸らすように顔の位置を移動させ、口元を抑えた。それから数秒。何も言わずに佇んでいた彼は、不安そうなリレイヌを振り返るとニコッと笑う。
「怒ってないよ」
そう言いにこやかに笑う彼に、ぞわりと、背筋に悪寒が走った。リレイヌが思わず一歩引いたのを目を細めて見つめ、リンは嘆息。ガシガシと頭を搔くと、「まあ、若干苛立ってはいるかも」と、そう告げた。
「それは……何に、対して……ですか……」
「……いろんなことに対して、かな」
言って、膝を折るリン。戸惑うリレイヌの目線に合わせるよう身を屈めた彼は、「怖がらせてごめんね?」と、困ったように謝った。
「……リンちゃん隊長も、怒ったりするんですね」
「そりゃ俺も生物だからねぇ。怒る時もあれば泣く時もあるよ。って言っても、泣いたことそんなないけど」
「……」
黙るリレイヌ。
リンはそんな彼女に優しく言う。
「辛い時は辛いって言うんだよ? リンちゃんとの約束ね」
「……はい」
こくりと頷く彼女に対し、にこっと彼が笑った時だ。
「お、おああ!?」と、響く謎の声。両者不思議に思い振り返れば、そこには驚きに身を固める杏がいた。
リンが「お、杏ちゃん」と軽く手を挙げるのに「はわわ!」と赤くなった彼女は、即座に頭を振るとそろりそろりと話していたふたりの傍へ。「な、何をしていらっしゃるんですか?」と、ソワソワしながら訊ねていく。
「ん? ちょっとした約束事をね。してたとこ」
「や、約束、ですか……」
「杏ちゃんは何してたの? どっか行く予定だった?」
「い、いえ……わたしはあの、し、しじみくんの姿が見えたので、その、挨拶だけしておこうと思って……っ」
「お、そうなんだ。わざわざありがとねぇ~」
「はひゃっ」
真っ赤な顔で己の両頬を抑える杏。そのまま身悶えるように震える彼女を不審そうに見やりながら、リレイヌは「……お知り合いですか?」とリンを見る。
リンはそれに頷いた。頷いて、そして答える。
「彼女は杏。こう見えて一小隊をまとめる隊長だよ。杏ちゃんの部隊は調査とかに特化した部隊で、時々潜入とかも請け負ってる。正直言うとかなり優秀な部隊なんだ」
「し、しじみくんにそれほど褒めてもらえると嬉しいような恥ずかしいような……っ」
「相変わらず照れ屋だねぇ、杏ちゃんは」
ケラケラ笑うリンに、リレイヌは照れ屋なだけなのか?、とひそりと思った。なぜなら杏を見れば明らかに、リンに対して大きな好意を持っているのがわかるからだ。
「(……そういえば)」
この人の表情、先程のリックを思い出すなと、リレイヌは思考。そこで彼女は、交わされた口付けの意味を知り思わず停止。ブンブンと頭を横に振って、浮かんだあの光景を振り払わんとする。
「? どしたの、リレイヌちゃん」
不思議そうにリレイヌを見るリン。
そんな彼に、リレイヌは素早く「なんでもないです!」を返すと、そのまま居た堪れなさそうに横を向く。微かに赤らんだ頬を抑える彼女に、リンは沈黙。なるほどなぁ、と頷いた。
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