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会いたい……
しおりを挟む「おい、皇! 華月が目を覚ましたって……!」
まだ暑い季節だから、というわけではなく帝一は汗だくで息を切らしている。廊下の椅子で待っていた皇司は項垂れながらも華月の病室を指さした。
「皇? どうし……」
「目が覚めたら、兄さんのことずっと探してた。早く行ってやって」
ぐしゃり、と髪をかき乱し、皇司は奥歯を噛みしめて低く唸る。
「……お前の記憶が戻ってること、まだ伝えてないのか」
「そんな状況じゃなかった。俺の顔を見ると暴れるから、兄さんが行ってやって」
皇司の泣きそうな声に、帝一は顔をゆがめる。察しの良い兄のことだ、すべての状況をこの一言で理解したのだろう。
「…………わかった」
帝一は何か言いたげではあったが、皇司に背中を向けて華月の病室へと消えていく。
その後ろ姿を横目で見送りながらも、皇司は絶望の淵へとひとり立たされたのだった。
コンコン、というノックが聞こえてくる。
華月は毛布の中に包まりながらも返事をせずただじっとしていた。
「華月。俺だ、帝一だ。中、入っても良いか?」
ドアから帝一の声が聞こえ、華月は勢いよく飛び起きた。
長年寝込んでいた影響で筋肉が収縮してしまいまともに動かない足で転びそうになりながらもドアへと駆け寄り、ドアノブを横へとスライドさせる。
「帝ちゃん……!」
目の前にある広い胸板に体当たりするように抱き着くと、帝一はその衝撃をものともせず抱き留めてくれた。
「おっと……。そんなに急に動いて大丈夫なのか?」
「帝ちゃん……帝ちゃん……!!」
やっと求めていた人に会えた安心感からか、体はずるずると床へと沈んでしまいそうになる。けれどそれよりも前に帝一はひょいっと華月を横抱きにしてベッドまで運んでくれた。
「まだベッドで寝ていないとダメなんだろ。無理するな」
乱れたベッドの上に横たえられ、毛布を掛けられる。大人しくされるがまま華月はちらりとドアの方へと顔を向けた。
「――皇ならまだ廊下にいるぞ」
「……どうして彼がここに?」
それだけが不思議でならないのだ。
医師から腹に銃弾を受けてから五年もの間、眠り続けていたことは聞かされている。目覚めたら五年もの歳月が流れていたことに驚きはしたが、それよりもここにいるはずもない皇司がいることの方が信じられなかった。
「記憶が戻ったんだよ。お前が銃で撃たれた日に。あれからあいつ、ずっとお前の看病をしてた」
「……記憶……戻ったんだ……」
「なんだ? 嬉しくないのか」
ずっと淡い希望を抱いていたが、それが現実のものになり嬉しくないかと聞かれるとそうではないが、華月の内心は複雑だった。
「……急に、そんなこと言われても……」
帝一の番になると、もう決めた後だ。それなのに目が覚めたら皇司の記憶が戻っていた――だなんて、あまりにもタイミングが悪すぎる。
「いきなり色々言われて心の整理がつかないのはわかる。でも、皇司と話す機会は作ってやってくれ」
「…………帝ちゃんは?」
「俺? 何が」
「怒ってない?」
「…………」
あの日、華月は皇司を守るために拳銃の前に出た。それは自分の生を終わらせても構わないと思ったからだ。帝一と共に生きようと思う一方で、皇司を失いたくないと魂が叫んだ故の行動だった。
「お前は本当に、自分の気持ちを口には出さないからな。怒ってないとは言い切れない。――死んでも良いって思ったんだろ」
「……ごめん、なさい……」
口元まで毛布を引き上げ、恐る恐る帝一の顔を見上げた。元々大人びた顔立ちをしていたが、年嵩も相まって彼の風貌は記憶しているものとは少しだけ違う。けれど、困ったように笑うその面差しは記憶している時のままだった。
「本当に申し訳ないと思ってるなら、皇司に会ってやれ。俺のことは気にしなくていい」
ぐしゃりと大きな手で頭を掻きまわされる。
「……会いたく、ない……って言ったら……?」
「今じゃなくていい。気持ちの整理が付いたらでいいから」
今日はもう休め、と帝一の大きな手が目元を覆い、華月は大人しくそれに従った。
華月が眠ったのを確かめてから、帝一は外で待つ弟の元へと向かう。項垂れたまま微動だにしない皇司に内心溜息をつきながらも、ぽんと肩を叩いた。
「帰るぞ。車で送ってやるから」
「…………華月は?」
「目覚めたばかりにしては元気そうだ。でも、今はそっとしておいてやれ」
「…………」
「しばらくはここへも来ない方がいい。華月にはお前が記憶を取り戻したことは伝えたけど、まだ混乱してる。しばらくはお前の代わり俺が顔を出すようにするから」
「――わかった」
俯いたままでも、皇司がどんな顔をしているのか、帝一には手に取るようにわかる。この弟はいつになったら幸せを手に入れることができるのだろうか。
この五年もの間、ふたりが離れていた三年間を埋めるように努力してきたというのに、華月はそれを受け入れることができるのか、ただただ心配になる。まだ皇司が華月のことを忘れていた頃は、こんな弟など知るものかと突き放した時期もあるが、今となってはふたりを応援したい気持ちしかなかった。
「心配しなくても、華月はお前の魂の番だ。だから焦るな」
今の帝一には、そういって弟を慰めることしかできなかった。
医師の話を聞いた後、都内にある皇司のマンションに弟を送ってから、帝一はひとり車を走らせる。
車に乗り込んでから皇司は何を言っても曖昧な相槌を返すだけで、会話にはならなかった。元々無口な方だが、あんな弟の姿は初めて見る。兄である自分から見て、皇司のあの落ち込みようは相当酷いものだ。
唯一無二の存在である華月に拒絶されたのだから仕方がないのかもしれない。そうされても仕方がないことを皇司は記憶を失っている間、華月にしてきた。その報いを受けているのだと言ってしまえば、冷たいかもしれないが当然の仕打ちではある。
華月自身はそれを望んで皇司を突き放すような態度を取ったわけではないのだろうが、帝一としては複雑な心境だ。一度は弟などいなかったものと思って、華月を自分のものにしようとした。華月のことを生まれたときから知っている帝一にとって、一緒にいた期間は皇司よりも長いのだ。
短い間ではあったが共に生活もしていたし、皇司の存在を失って衰弱していく華月を支えてきたのも帝一である。
けれど「ざまあみろ」と思わないのは、心のどこかで皇司と華月が二人そろって笑顔で笑い合っている姿をまた見つめていたいという願望があったからだろう。
結局のところたとえ何があっても、皇司は帝一の可愛い弟だ。手がかかるし不器用でどうしようもないときもあるけれど、それでも可愛いのだ。実の弟が苦しむ姿だって、華月が苦しむのと同様、見ていて気持ちが良いものではない。
「俺にできること……か」
やっと目覚めた華月と、その目覚めを辛抱強く待ち続けていた皇司に、自分は今、何ができるのだろう。
仲違いをしたわけでもないし、どちらかに問題があるわけでもない。
「下手な新人教育よりも大変そうだなぁ……」
ぽつりと独り言を零しながらも、ハンドルを握る手の力が強くなり、アクセルを必要以上に踏んでしまう。
流れるネオンの光を浴びながら、帝一は孤独に考える。
二人が再び、お互いの手を取り合うにはどうすればいいのか――……を。
長い歳月を経て目覚めた華月は、弱った体の筋肉を鍛えるために毎日のようにリハビリを重ねていた。
五年もの歳月をベッドの上だけで過ごしていたせいで、足の筋肉は落ちてまともに歩けもしない。食事を零さずに食べる、という簡単な動作すらできない有様であり、スプーンを握る手はまるで赤子のようだ。
それ以外は至って健康体なのだが、体が思っているように動かないのはかなりのストレスだった。
今日はリハビリ室で積木を積み上げる、という指と腕のトレーニングに取り組んでいる。大きな積木を掴んで持ち上げるだけなのに、固まった指と腕ではひとつずつ積み上げるのに相当の時間を要してしまう。
「華月」
それでもあとひとつで全部積みあがる、というところで、背後から声をかけられた。
「帝ちゃ……わっ!」
緩慢に振り返ろうとした途端、車椅子から転がり落ちそうになってしまった。
「おっと……」
床に転がりかけた痩躯を、帝一の逞しい腕がガシッと受け止めてくれる。
「あ、ごめんね……」
「怪我はないか? どこか捻ったりとか」
「大丈夫だよ。ありがとう」
にっこりとほほ笑みかければ、それ以上の極上の笑みが華月を包み込んでくれる。
「邪魔したか?」
「ううん。平気」
横抱きにされて車椅子に座り直され、床に跪いた形で手を握られる。見上げてくる双眸は慈しみに溢れていて、ドキリと胸が鼓動した。
「えっと……今日はどうしたの?」
何か話題を、と思って飛び出してくるのはそんな素っ気ないセリフだった。
内心、もっと他に言うことがあるだろうと自分を責めていると、それを見透かしたかのように頭を撫でられる。
「少し休憩しないか? 華月の好きなゼリーがあるんだ」
「え? ほんと!?」
「あぁ。抹茶のやつ。別に間食は制限されてないんだろ?」
「うん! やった!」
帝一が手に持っている無地のケーキボックスに目がいく。
正直病院の簡素で薄い味付けの食事にも飽きていた頃だったのだ。
ふと、子どもの頃のことを思い出した。
氷見邸の離れでひとり孤独に過ごしていたとき、彼はいつもこうして甘味をくれたものだ、と。
「懐かしいね」
「何が?」
「ううん……」
院内に併設されているカフェへ移動しようと提案され、背後から車椅子を押しながら、膝の上にほのかに冷たいケーキボックスが置かれた。
その瞬間、ふわりと懐かしい香りが漂う。
「…………」
「華月? どうした?」
「――皇ちゃんの、においがする……」
それに気づいたらもう駄目だった。手が震えてしまい、ケーキボックスが膝の上から転がり落ちてしまう。幸い中身は飛び出さなかったが、きっと箱の中のゼリーは無残な姿になっていることだろう。
帝一は何も言わず、床に転がったケーキボックスを拾い上げ、苦笑いを浮かべた。
「やっぱり気づいたか」
「……どうして」
「これ、あいつから」
「…………」
思わず渋面を作ってしまい、寄せられた眉間の皺を、帝一につつかれる。
「いらない、とか言うなよ」
「……だって」
「それ、皇が作ったんだ」
「――嘘」
「嘘なもんか。皇は今、カフェを経営してる」
「カフェ……?」
皇司にそんな夢があったとは知らなかった。離れていた間に彼に心の変化があったということだろうか。
「そ……かぁ……」
離れていた三年という時間は、人一人の想いや望みが変わるには十分だろう。さらに五年もの差が今はできている。華月には、ここ八年間の皇司を知る術がない。
目覚めても彼を遠ざけている自分には悲しむ権利などないのかもしれないが、少なからずショックを受けてしまった。そんな風に悲しむ権利など、ないはずなのに。
「如月の家の人がよく認めたね……。二人とも家を出ちゃったら、誰が後を継ぐの?」
「別に血の繋がった家族じゃないとあの家を継げないわけじゃないからな。門下生の誰かが継げば良いだけの話だ」
ほら、とケーキボックスを再び膝の上に乗せられる。
躊躇いつつもそれに両手を添えると、帝一は車椅子を押しながらぽつぽつと話し始めた。
「お前が眠ってる間、皇は専門学校に行きながらアルバイトして学費を稼いでた。菓子なんて興味ないはずなのに、お前が好きだからって、毎日夜遅くまで練習してたよ」
「…………」
「今は物置になってるけど、あいつ、華月が夢だった花屋も併設するつもりで店を構えててな」
「えぇ!?」
「びっくりするだろ? 俺もびっくりした」
背後から聞こえる帝一の声は、そのときを思い返しているのだろう、楽し気に弾んでいる。
「皇はずっとお前と一緒に生きる未来を夢見てる」
「そう……」
「なぁ、華月。お前はどうしたい?」
そっと、耳元でささやかれた。
「…………」
「お前だって、本当は会いたいんじゃないのか……?」
その声は、まるで華月を惑わす悪魔のささやきのようだった。
「僕……は……」
彼の問いにすぐには返答できず俯いてしまう。
改めて問われても、答えられるはずがない。
一度は皇司を想い続けることを諦めて、帝一のモノになると決めたのだ。
それを簡単に覆せるはずがない。
今でも、皇司に会うのが怖いのだ。
『二度と俺の前に現れるな』
あの言葉が、今でも華月を縛り付けている。
「僕と皇ちゃんの番契約はとっくに解消されてるじゃない。それに――」
そっと、自分のうなじに手を添える。
あの時、婚約発表パーティーの日、帝一のモノになったのだ。
「――俺とお前は、まだ番じゃない」
「え?」
とんでもないセリフに、華月は背後の帝一を勢いよく振り返ってしまい、身体の痛みに悶絶する。
「おい、大丈夫か?」
「だい……じょうぶ……。それより、どういうこと?」
「お前のうなじ、噛んでないよ」
さらりと、まるで天気の話をするかのように、あっさりとそう言われた。
「どういうこと? だって……」
「噛みはした。けど、発情期が終わったお前のうなじを少し甘噛みしただけだ。痕はつけてないし、それじゃあ番になったとは言えないだろ」
「…………」
そういえば、と改めて薄れた記憶を呼び起こしてみる。
あの時、発情期は帝一が強い抑制剤を打ったため、強制的に終わらされた。その後にうなじを噛まれたところで、確かに番契約は成立しない。
「帝ちゃんは、僕と番になるつもりが最初からなかったの?」
「まさか。そんなわけないだろ。ちゃんとあの後、次の発情期が来たらちゃんと俺のモノにするつもりだった。でも、もう皇が記憶を取り戻したんだ。敢えて華月を俺のモノにしようとは思えない」
一体、彼はどこまで先を見越していたのだろうか。
千里眼ではないし、未来を見通す能力などありはしないから、こうなると最初から分かっていたわけではないだろう。
「僕たち、番じゃないんだね……」
けれど、彼が華月の未来を考えて、ここぞというときにちゃんと約束を破ってくれるところが救いではあった。
俯いたままケーキボックスを握る手に力を込めていると、車椅子は病室の前でぴたりと止まった。
「カフェはまた今度な。今日はもう帰るよ。それ食べて、ゆっくり考えてみろ」
「帝ちゃ……」
「じゃあな」
ぽん、と頭を叩くと、帝一はそのままエレベーターホールの方へと去って行ってしまう。その背中を見送り、華月は緩慢な仕草で病室の中へと入った。
慣れた手付きで車椅子からベッドへと移り、ケーキボックスを簡易テーブルの上で開けてみる。
形の崩れたカップをひとつ取り上げ、たどたどしい手付きでスプーンですくい取り、口の中に一欠片を含んでみた。舌の上で転がしてみると抹茶の苦みと砂糖の甘味が丁度良く口腔内に広がっていく。
「……おいしい……」
あの武骨な手でこんなにも繊細な甘味が作れるのか。
泣きたくなるくらい美味しい抹茶ゼリーを夢中になって食べていると、箱の中に一切れの紙が入っていることに気が付いた。
なんだろうか、と手に取ってみる。
「あ……」
そこには見慣れた皇司の文字でたった一行のメッセージが書かれていた。
『会いたい』
きっとそれが、不器用な皇司なりの精一杯の言葉なのだろう。
華月はその紙切れを抱きしめ、熱くなる眦から零れ落ちそうになる雫を堪えて、奥歯を噛みしめる。
愛おしい人の残り香を胸いっぱいに吸い込み、ただただじっと、涙をかみ殺した。
行かなくては。
彼の元へ。
本能がそう叫んでいる。
彼に会ったら、最初に何を言おうか。
数多の言葉が頭の中を錯綜し、華月はメッセージカードを抱きしめた。
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