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22.初めてのディナーバイキング(5)
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「あ。このしぐれ煮、ものすごくご飯に合うぞ」
「そうなの?」
「うん。ゴボウと一緒に甘辛く煮てあるんだけど、肉もゴボウも柔らかくなってるし、タレの味がしっかり染み込んでてうまいよ」
「何だか、ちょっと生姜っぽい香りがするねー」
ミオがプレートに乗ったしぐれ煮に鼻を近づけながら、そう言い当てた。
確かに生姜の匂いがするな、ほんのちょっとだけピリッとする味は、生姜を細かく切って煮込んであるからなのか。
一見するとゴボウにまぎれていて目立たないが、確かに、肉ごと口に運んで噛むほどに、生姜の香りが口から鼻まで抜けていくのが分かる。
肝心の牛肉も、赤身だけでなく、脂身にまでしっかりと味が染みていてうまい。
さっき食べたカツオのたたきから、この牛肉のしぐれ煮へと繋ぐオン・ザ・ライスのおかずコンボでご飯が進みまくって、もう俺のお茶碗は空っぽだ。
こんなに濃厚で、かつ、生姜のおかげでさっぱりとした味わいのあるしぐれ煮はご飯のお供としては最高だけど、酒のつまみとして食べても、きっと箸が止まらないんだろうな。
ミオは地鶏を使って調理した焼き鳥をおいしそうに食べていて、特にねっくがお気に入りのようだった。
ねっくとは要するに首の肉の事で、英語のネックから来ている。
他にも〝こにく〟とか〝せせり〟だとか言われるが、基本的に同じ部位を指すらしく、せせりの別名がこにくやねっくと呼ばれるのだそうだ。
「ふぅ。おいしかったぁー」
「普段なかなか食えないものばかりで目移りしちゃったけど、どれもうまかったな」
「うんうん。ボク、もうお腹いっぱいになっちゃった」
「俺もだよ。でも他にも洋食と中華があるらしいから、見るだけ見に行ってみる?」
「そだね。行ってみようー」
和食コーナーの料理だけでかなり腹を満たした俺たちは、空になったプレートを持ち、洋食と中華のラインナップをチェックする。
その中でひときわ目を引いたのが、やはりスイーツだ。
飯は腹いっぱいになるまで食べたものの、甘いものはやっぱり別腹。
洋食コーナーではチーズケーキを一つずつ、中華コーナーでは杏仁豆腐と芝麻球をそれぞれプレートに取って席に戻った。
芝麻球とは、要するに胡麻団子の事で、たっぷりとゴマがまぶし付けてある団子の中には、甘ーい餡こが入っている。
ミオにとっては、これら中華料理の甘味を食べるのは初めてになるらしい。
「チーズケーキおいしーい」
ミニサイズのチーズケーキを一口食べたミオが、とろける食感と甘さに顔をほころばせている。
「ミオ、チーズケーキが好きなんだ?」
「うん。施設にいた時にね、いつも誕生日にはチーズケーキを食べさせてもらってたの」
「そっかぁ。じゃあ思い出の食べ物なんだね」
かく言う俺も、何かの折につけて、親父がチーズケーキを買ってきてくれて、よく食べていたんだよな。
そのおかげで、今ではチーズケーキが一番のお気に入りだ。
俺もミオも、似たようなきっかけで同じものが大好きになったという点では共通している。
この旅行が終わって、日常生活に戻っても、たまにはチーズケーキを買って帰って、ミオと一緒に食べる事にしよう。
「そうなの?」
「うん。ゴボウと一緒に甘辛く煮てあるんだけど、肉もゴボウも柔らかくなってるし、タレの味がしっかり染み込んでてうまいよ」
「何だか、ちょっと生姜っぽい香りがするねー」
ミオがプレートに乗ったしぐれ煮に鼻を近づけながら、そう言い当てた。
確かに生姜の匂いがするな、ほんのちょっとだけピリッとする味は、生姜を細かく切って煮込んであるからなのか。
一見するとゴボウにまぎれていて目立たないが、確かに、肉ごと口に運んで噛むほどに、生姜の香りが口から鼻まで抜けていくのが分かる。
肝心の牛肉も、赤身だけでなく、脂身にまでしっかりと味が染みていてうまい。
さっき食べたカツオのたたきから、この牛肉のしぐれ煮へと繋ぐオン・ザ・ライスのおかずコンボでご飯が進みまくって、もう俺のお茶碗は空っぽだ。
こんなに濃厚で、かつ、生姜のおかげでさっぱりとした味わいのあるしぐれ煮はご飯のお供としては最高だけど、酒のつまみとして食べても、きっと箸が止まらないんだろうな。
ミオは地鶏を使って調理した焼き鳥をおいしそうに食べていて、特にねっくがお気に入りのようだった。
ねっくとは要するに首の肉の事で、英語のネックから来ている。
他にも〝こにく〟とか〝せせり〟だとか言われるが、基本的に同じ部位を指すらしく、せせりの別名がこにくやねっくと呼ばれるのだそうだ。
「ふぅ。おいしかったぁー」
「普段なかなか食えないものばかりで目移りしちゃったけど、どれもうまかったな」
「うんうん。ボク、もうお腹いっぱいになっちゃった」
「俺もだよ。でも他にも洋食と中華があるらしいから、見るだけ見に行ってみる?」
「そだね。行ってみようー」
和食コーナーの料理だけでかなり腹を満たした俺たちは、空になったプレートを持ち、洋食と中華のラインナップをチェックする。
その中でひときわ目を引いたのが、やはりスイーツだ。
飯は腹いっぱいになるまで食べたものの、甘いものはやっぱり別腹。
洋食コーナーではチーズケーキを一つずつ、中華コーナーでは杏仁豆腐と芝麻球をそれぞれプレートに取って席に戻った。
芝麻球とは、要するに胡麻団子の事で、たっぷりとゴマがまぶし付けてある団子の中には、甘ーい餡こが入っている。
ミオにとっては、これら中華料理の甘味を食べるのは初めてになるらしい。
「チーズケーキおいしーい」
ミニサイズのチーズケーキを一口食べたミオが、とろける食感と甘さに顔をほころばせている。
「ミオ、チーズケーキが好きなんだ?」
「うん。施設にいた時にね、いつも誕生日にはチーズケーキを食べさせてもらってたの」
「そっかぁ。じゃあ思い出の食べ物なんだね」
かく言う俺も、何かの折につけて、親父がチーズケーキを買ってきてくれて、よく食べていたんだよな。
そのおかげで、今ではチーズケーキが一番のお気に入りだ。
俺もミオも、似たようなきっかけで同じものが大好きになったという点では共通している。
この旅行が終わって、日常生活に戻っても、たまにはチーズケーキを買って帰って、ミオと一緒に食べる事にしよう。
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