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第一話 褒め上手な女なら、性欲が強くても許してくれますか?(エロあり!)
しおりを挟む(作中に登場する女子高校生は留年し、成人してる設定です。
主人公と婚姻関係にあるため、本書における全ての性行為は合法・合意のものです
また、ルビが変になっている箇所があるかもしれません。ごめんなさい)
【プロローグ(あなたのこと全肯定してもいいですか?)】
淡い月光がベッドシーツを濡らす。
張り詰めた緊張が素肌を焼く。
俺と彼女はベッドに並んで腰掛けている。
お互い何も言わずに五分ほどが経った。
心臓はドキドキして、口から溢れそう。
そんな中、静寂を破るように彼女が俺にもたれてきた。
右肩に彼女の重みと温度を感じる。
彼女は……レイラは、小さな声で、
【ゆうくん……肩抱いて?】
【うん……!】
俺は彼女の小ぶりな肩をきゅと抱きしめた。彼女の二の腕の柔らかい肉が俺の指に食い込む。
こんな暖かくて柔らかい感触、生まれて初めてだ。
俺は童貞なりに勇気を振り絞って、
【レイラ? 俺のことギュッて抱いて?】
すると彼女は、処女らしくおぼつかない手つきで俺を抱いてくれた。
【こ、こう?】
ぎゅううっ♡
彼女の三十六度五部の体温が俺の心を焦がす。
彼女は、求めるように俺の腰に手を回してくれた。
【ゆうくんも私のことぎゅってして?】
【わかった】
俺は緊張を喉の奥に押し込み、男らしく彼女を抱いた。
ぎゅうううううううっ♡
手を彼女の体に巻き付け、力一杯抱き返した。
【レイラ? 耳元で俺のこと好きって言って?】
すると彼女は、俺の耳に唇を寄せて、
【ゆうくん……だぁ~いすきよ?】
その瞬間、脳内で大量の快楽物質が駆け巡った。
沸騰したエンドルフィンが、超濃度の気持ちよさを発生させる。
【レイラ! もっと言って! もっと聞かせて!】
彼女は俺の首に腕を回して、もっと甘ったるく、
【私レイラは、ゆうくんのことが好きで……好きで仕方がありません……】
嬉しい…………!
頭の中ではドクッドクッと脳内麻薬が分泌され始めた。
恍惚の快感が俺の承認欲求を満たす。
彼女に求められ、褒めちぎられるのが気持ち良くて仕方がない。
俺は承認されることの喜びを、強く強く感じている。
【レイラ? キスしてもいい?】
【ゆうくんとだったら……いいよ?】
彼女は目を閉じ、こちらに顔を向ける。
世界で俺にだけ見せる顔。
湧き上がる占有欲が音を立てて弾ける。
この女はもう俺のものだ!
俺は彼女の唇に熱いキスを施した。
唇に唇が重なった瞬間、彼女は、
【んっ……!】
とくぐもった声を出した。
そして、熱った頬のまま俺の目を見て、
【私の処女……もらって?】
【お前の処女はもうとっくに俺のものだっ!】
俺たちは幸福に体をよじらせ、どっぷりと浸っていく。
ここでは俺の欲望の全てが叶う。
彼女は俺の全てを肯定してくれる。
俺の努力を誰よりも認めて、褒めちぎってくれる。
俺という存在の全てを求めてくれる。
そして、褒め上手な彼女との甘ったるいイチャラブ生活が始まった。
そこで待っていたのは、身悶えするほどの幸福だけだった。
【プロローグ 了】
早朝、俺は開け放たれたコテージの二階ベランダにいる。そこで、透き通るような空気を吸い込んだ。
身体中にマイナスイオンが溶け込み、血の巡りが活発になる。
まるで液状化したクリスタルをガブガブ飲んだみたいだ。
「んん~~~気持ちいいっ!」
すると、
「おはよう」
あくびをしながら俺の彼女が起きてきた。
彼女の銀髪が太陽光を弾く。砕かれた光の束は、いくつもの光になって地面にこぼれた。
彼女は可愛らしい寝ぼけ顔でこちらに歩み寄ってくる。世界中で俺だけが見れる彼女のスキだらけの顔だ。
彼女は、二階で柵に身を乗り出す俺の横に来ると、
ピトッと寄り添ってきた。まるで長年寄り添ったおしどり夫婦のようだ。
彼女は俺の腕に腕を絡ませると、頭をもたれてきた。
「レイラ? 熱い……」
彼女のじっとりした素肌が俺の肌に吸い付いてくる。
だが彼女はお構いなしだ。
ぎゅっと俺の腕に抱きついたまま、
「ここ……私の定位置」
とつぶやいた。
「いや、熱いんだけど……せっかく森林浴に耽っていたのに……」
彼女は眉根をキッと寄せると、
「何か文句でも?」
「い、いえ!」
「うむ。よい」
彼女とここでゴロゴロし始めてから何日経っただろうか? 幸せすぎてもう日付感覚がないのだ。一日中ベッドやソファーでイチャイチャしたり、ご飯を食べさせあったり、気持ちいいことしたり、遊んで過ごしている。
今は人生の小休止、たまにはこういう日々があってもいいだろう。
俺は再び、すうーーっと息を胸いっぱいに吸い込んだ。
身体中の毒素が自然の中に溶けていくのを感じる。
ストレスは全て消えて、恍惚感に似たものに胸が埋め尽くされる。
たっぷり彼女にベッドで褒められた時と同じような気持ちだ。
頬が緩んでしまうくらい気持ちがいい。
その時だった。彼女は、俺のリラックスタイムを邪魔するように、
「ねえ……ベッドいこ?」
俺の腕を掴み、ベッドへ導こうとした。
「え? こんな朝っぱらから? でも俺今自然のマイナスイオンを全身で……」
彼女は誘惑するように、耳元で、
「ベッドの上……いこ?」
「で、でも……俺ちょうどリラックスして気持ち良くなって……」
彼女は俺の耳の中に、ふぅっと息を吹き込んだ。
「もっと気持ちいいこといーっぱいシてあげ……」
「行きます」
俺は食い気味でそう答えた。
そして、俺たちは手を繋いで速攻でベッドに行った。
ベッドの側に俺たちは向き合って立っている。
向き合っているというより、キスをしている。
まだ朝の七時だ。だが俺たちはキスをしている。
みんなはまだ寝ている時間帯だ。でも俺たちはキスをしている。
周囲の人たちは、まだ一日が始まってすらいない、だがしかし俺たちはキスをしている。
目を閉じて、彼女の鼻息を顔で感じる。暖かくて心地いい空気が、幾度も俺の顔にぶつかるのだ。
想像してほしい、彼女の唇の感触。
顔にかかる吐息。
甘い匂い。
そして、俺はゆっくりと唇を離した。だが彼女は俺の後頭部を掴み、
「もうちょっとさせて……」
再びキスをしてきた。
レイラはキスするのが大好きだ。三度の飯より、俺とキスしたがる。
朝起きて、お昼寝の前と後、お風呂で、寝る前、そして、セ○クスする直前にいつもしたがる。
彼女は俺のことを毎日のように求めてくる。
よほど俺のことが好きらしい、いつも俺とくっつきたがる。
そして俺はそれが嬉しくて、気持ちよくて仕方がないんだ。
彼女はゆっくりと唇を離すと、
「美味しそう……」
と俺を見て舌なめずりをした。彼女の姿はまるで捕食時の肉食獣のよう。(彼女のことはこれからプレデターと呼ぼう。そうしよう!)
「レ、レイラさん? なんかスイッチ入っちゃってない? や、優しくしてね?」
そして、俺の姿は今から捕食されるかわゆいアザラシの子供だ。
プレデターは俺の体を掴むと、勢いよくベッドに押し倒した。
「おわっ!」
ギシィッ!
ベッドは大きく軋み、木目から喘ぎ声をあげた。
「このベッドみたいに喘がせてあげるわ」
彼女は着ていた服を一枚脱ぎ、ぽいっとベッド傍に投げ捨てた。服はスケスケキャミソール一枚だけ。肩の部分が丸見えのえっちぃやつだ。
「ちょ、ちょっと朝だよ? まだ朝だよ?」
彼女はにっこりしたまま、
「それが……なに?」
あ、これヤられるやつだ。
こうなった彼女を止めることはできない。暴走する大量破壊兵器を人類に止めることはできないのだ。俺にできることはただ一つ、彼女の機嫌を損ねないように、無抵抗でいることだけだ。
おお主よ。我を救いたまえ。
ベッドの上で震えている俺にレイラは、
「シャチがどうやってアザラシを捕食するか知っている?」
「へ? いや、知らないけど」
「シャチはね、アザラシが無抵抗になるまで尻尾で海面に叩きつけるんだって?」
(なんでそんなこと今話すんだー! これカップルが朝する会話か?)
俺は精一杯平静を装いながら、
「そ、そうなんだ……」
「ひどい時は二五メートルくらいまで打ち上げて、それから海面に叩きつけるんだって? そしてねアザラシは完全に捕食されることを悟って、ぐったりと無抵抗になるの!」
(『ぐったりと無抵抗になるの!』じゃねえだろ! 可愛らしい顔で怖いこと言わないでくれー!)
「そ、そ、そ、そっか、そりゃすごいな……ははは……」
レイラは俺の首筋に指先をそっと這わせる。彼女は笑顔になり、
「ところで今から私に何されるかわかっている?」
「わ、わ、わ、わわか、わかりませんっ!」
「なんでそんなにカチコチにかしこまっているのよ?」
「わかりません! 僕は一体これから何をされるのでしょうか?」
彼女はそのまま俺に倒れ込み、首にぎゅっと手を回す。
「今からゆう君は、無抵抗の獲物になるの……そして私は捕食者になって、獲物を食べるのよ……」
彼女は口元を俺の首筋に近づけ、カプッと噛み付いてきた。
そして、
「いただきます」
と、そう言ってベッドの上の俺に襲いかかってきた。
そして、脳が壊れるほど、頭が沸騰するほど、全身に電流が駆け回るほど、ベッドの上で………………続く。
[読んでいただきありがとうございます(土下座しながら!)]
これから一ヶ月毎日投稿します。
褒め上手な彼女とのイチャラブえっちし放題生活。
ハッピーエンド保証! 幸せ展開予約済み!
幸せと快感のみを追求するゆるゆる日常小説。
ブクマいただいた方(神)もそうでない方(神)も本当にありがとうございます。あなた超最高! 感謝です!
次回『ベッドの上で、気持ちいいことシよ?』
応援ありがとうございます!
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