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ホームレスを装備しました。その2
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[愛視点]
私は黒髪の少年に向かって、
「私を殺すんじゃなかったの?」
少年は私の顔を見ずに、
「気が変わった」
黒髪の少年はこちらに向かって歩いてくる。
「俺は自分に装備していた“末期ガン”を装備解除する」
彼はそういうと、黒い剣を背後に放り投げた。剣は綺麗に弧を描き、地面にぶつかって音を立てた。剣は大理石の床で円を描くように回転して、やがて止まった。
『装備解除できません』
ポップアップウィンドウにはそう書かれた。
「ん? 妙だな」
彼はそう言いながら、こちらへ近づく。
「ジャックは?」
「あいつは来ない。逃げた」
「そう」
来ると信じていたのに、私は心の中が少しだけ締め付けられた。
「今からお前は俺のつるぎになれ。そうすれば武器の修理能力を使ってお前の体を、武器として修理できる。いいな?」
私は彼の言っている意味がよくわかった。彼の姿に先生の姿が重なる。そして、力強く頷いた。
「よし!」
彼はそういうと、目の前の空中にポップアップウィンドウのようなものを出した。
そこにはこう書かれていた。
『ホームレスとして彼に装備されますか?』
そして、その下に、
『はい いいえ』
の文字がある。その文字はボタンのようになっていた。あの日のことを思い出す。
「さあ、『はい』を押すんだ。早くしろっ!」
魂が再び胎動を始める。ホームレスでなくなったあの日、私はいつまでもあの日のことを忘れない。例えあれが嘘で塗り固められたものだったとしても、私にとっては今でもかけがえのない思い出だ。
「諦めたくない」
そして、私は死体のように弱り切った体に残る力の残滓をかき集めた。全身全霊の全ての力を右手に集めた。全ての苦しみと悲しみを原動力に、全ての希望を腕に流し込む。体の中にまだ残っていた僅かな液体は光を反射しながら目の端から、頬を切って地面に落ちる。今度は、ボタンを押しても気を失わなかった。
私はボタンを押した手でそっと少年の頬に触れた。暖かくて、じんわりと火照っている。
「あなた、名前はある?」
「ない」
「ならかっこいいのを考えないとね」
気づくと、王様の手下のガードたちがこちらに向かってきている。
「いくぞ」
彼は私の手を取った。先生の死体から離れると、玉座の中央まで進んだ。いつの間にか私の体から痛みは消えていた。代わりに何か別のものが、心にぎゅうぎゅうに押し込まれたのを感じた。
「覚悟はいいな?」
彼は玉座の中央で振り返った。
「うん」
私は彼に先生が使っていた銀の剣を手渡した。ガードたちが私たちを取り囲む。手に手に恐ろしい武器を持っている。彼らの武器や防具にはたくさんの宝石が施されていた。そのうちの二人が私と少年の背後から武器を持って迫る。
そして、私と少年は同時に背後を振り返る。振り向きざまに互いの背後の敵を切りつける。かつて何度も刃を交えた、二人の人間は、互いに背中を預け合う。彼の背中から感じる熱は、触れれば溶けてしまいそうなほど強かった。
空中にウィンドウが浮かぶ。
『ホームレスを装備しました』
空に浮かんだ文字は異様で、歪だけど、私はこの一文を見たことがあった。昔と同じように、どこか温かいように感じた。
私は黒髪の少年に向かって、
「私を殺すんじゃなかったの?」
少年は私の顔を見ずに、
「気が変わった」
黒髪の少年はこちらに向かって歩いてくる。
「俺は自分に装備していた“末期ガン”を装備解除する」
彼はそういうと、黒い剣を背後に放り投げた。剣は綺麗に弧を描き、地面にぶつかって音を立てた。剣は大理石の床で円を描くように回転して、やがて止まった。
『装備解除できません』
ポップアップウィンドウにはそう書かれた。
「ん? 妙だな」
彼はそう言いながら、こちらへ近づく。
「ジャックは?」
「あいつは来ない。逃げた」
「そう」
来ると信じていたのに、私は心の中が少しだけ締め付けられた。
「今からお前は俺のつるぎになれ。そうすれば武器の修理能力を使ってお前の体を、武器として修理できる。いいな?」
私は彼の言っている意味がよくわかった。彼の姿に先生の姿が重なる。そして、力強く頷いた。
「よし!」
彼はそういうと、目の前の空中にポップアップウィンドウのようなものを出した。
そこにはこう書かれていた。
『ホームレスとして彼に装備されますか?』
そして、その下に、
『はい いいえ』
の文字がある。その文字はボタンのようになっていた。あの日のことを思い出す。
「さあ、『はい』を押すんだ。早くしろっ!」
魂が再び胎動を始める。ホームレスでなくなったあの日、私はいつまでもあの日のことを忘れない。例えあれが嘘で塗り固められたものだったとしても、私にとっては今でもかけがえのない思い出だ。
「諦めたくない」
そして、私は死体のように弱り切った体に残る力の残滓をかき集めた。全身全霊の全ての力を右手に集めた。全ての苦しみと悲しみを原動力に、全ての希望を腕に流し込む。体の中にまだ残っていた僅かな液体は光を反射しながら目の端から、頬を切って地面に落ちる。今度は、ボタンを押しても気を失わなかった。
私はボタンを押した手でそっと少年の頬に触れた。暖かくて、じんわりと火照っている。
「あなた、名前はある?」
「ない」
「ならかっこいいのを考えないとね」
気づくと、王様の手下のガードたちがこちらに向かってきている。
「いくぞ」
彼は私の手を取った。先生の死体から離れると、玉座の中央まで進んだ。いつの間にか私の体から痛みは消えていた。代わりに何か別のものが、心にぎゅうぎゅうに押し込まれたのを感じた。
「覚悟はいいな?」
彼は玉座の中央で振り返った。
「うん」
私は彼に先生が使っていた銀の剣を手渡した。ガードたちが私たちを取り囲む。手に手に恐ろしい武器を持っている。彼らの武器や防具にはたくさんの宝石が施されていた。そのうちの二人が私と少年の背後から武器を持って迫る。
そして、私と少年は同時に背後を振り返る。振り向きざまに互いの背後の敵を切りつける。かつて何度も刃を交えた、二人の人間は、互いに背中を預け合う。彼の背中から感じる熱は、触れれば溶けてしまいそうなほど強かった。
空中にウィンドウが浮かぶ。
『ホームレスを装備しました』
空に浮かんだ文字は異様で、歪だけど、私はこの一文を見たことがあった。昔と同じように、どこか温かいように感じた。
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