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第六巻 なろうの世界
しおりを挟む第六巻 なろうの世界
序章 なろう系主人公になろう!
「私ケン君のことが好きなんだからねっ!」
目の前の美少女は突然告白してきた、顔を少し赤らめながら。彼女の白い頬が朱に染まる。雪の上に桜を咲かせているみたいだ。粉雪の上で乱れる桜は、儚くも美しい。
俺の人生は四年前に始まった。だから俺は四歳だ。脇目も振らず戦闘に明け暮れて、恋愛なんてしてこなかった。そんな俺の寂しい心に火が灯されたみたいだ。
人生で初めての女性からの告白に、
「あの……君、誰?」
俺は顔をしかめた。
この美少女は、今しがた俺の家を訪ねてきたばかりだ。さっき玄関を開けて、ソファーに座らせた。彼女の右耳は、異様に長くて、先端が尖っている。左耳は猫耳だ。今は、丸まって団子みたいになっている。髪の毛は、栗色で華やか。“秋そのもの”を頭皮に植え付けているみたいだ。
胸は異様に巨大だ。パースが狂っているんじゃないかと思うほど大きくて巨大で重量があってたわわでふっくらしていてとても大きい。まるで胸部にかぼちゃを入れているみたいだ。
顔面は、今まで会った女性の中でもぶっっっっっっっっちぎりで美しい。均整の取れた目鼻立ちに、薄めの唇。目はとてもパッチリしていて可愛らしい。
大人の魅力と幼女の魅力を詰め合わせにしたみたいだ。袋詰めにされた魅力の粒は、こぼれて周囲を綾なした。
瞳の色は、黄色がかった赤色。つまり緋色だ。紅蓮の中に混じる黄河が彼女の魅力を増長させる。
プロポーションは完璧。しっかりとくびれた体型は、見るものの瞳を釘付けにする。世の多くの男性は、吸い寄せられるようにして彼女のことを見てしまうだろう。
彼女は、顔百点、体形百点だ。まるで“男の欲望と理想”を現実にしたような美少女だ。
そんな美少女が俺のことを好きだと言った。
多分、依頼人なのだろうけど。
「あの……もう一回聞くけど、どちらさんですか? 会ったことあったっけ?」
「私とあんたは今日が初対面なんだからねっ!」
「は? じゃあ初対面の俺に告白してくれたの? 君はすごく可愛いし、気持ちはすごく嬉しいんだけど……マジで誰?」
「わ、私が可愛いですって? そ、そんなこと言われても嬉しくなんかないんだからねっ!」
「そ、そっか。ならごめん。それで俺に何の用? 依頼?」
彼女は腕を組んで、ちょっとしかめっ面をする。そして、突然、
「もう一度言いなさい!」
「は? 何を?」
俺はキョトンとした。
「もう一度私を可愛いと言いなさいっ!」
彼女は少し照れたような顔で言う。俺は動揺しながら彼女の言う通りにした。
「か、可愛い」
「う、う、う、う、嬉しくなんかないんだからねっっ!」
彼女はむっつり顔の下に笑顔を敷き詰めて、言った。
「嬉しそうだな……それで何か依頼があってきたんだろ? 何をして欲しいんだ?」
「あんたなんかに依頼なんてしないんだからねっ!」
「は? じゃあ一体何をしに来たんだよ?」
この女の子、頭大丈夫か? アリシアと同じおバカな匂いがする。
「依頼があってきたのよ……」
美少女は顔を赤らめながら言った。火照る熱気が空気を揺らす。揺れた空気が炎を揺らす。燃えるような炎は、火花を撒きながら萌え始めた。
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