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ポケットテッシュは異世界では貴重
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「先輩・・・ここって絶対私達の世界の、いえ日本のラブホですよね?」
「なんであるんだこんな所に・・・"やんちゃな子猫"ってモロ日本語じゃねーか」
少し時間は遡る・・・
「先輩・・・あ、えーっと・・・なんというかその格好・・・悪目立ちしてませんか?」
上半身に身につけたなんらかの金属でできているであろう胴当てに、下半身毛皮。
「まぁ~現代からきた根田からしたら、かなーり原始的だよなぁ。俺も毛皮腰に巻いてるなんて山賊のイメージだったよ」
「いえ・・・獣臭というか・・・鉄クサイ・・・加齢的な感じも」
「?」
「お風呂とか入ってます?」
「いやいや・・・そもそもこっちきてからは入ってないぞ。池や川も危険だからな」
「・・・身体とかは流石に拭いたりはしますよね?ねっ?」
「・・・俺にも最低限の現代人としての境地ぐらいあるさっ・・・この胸当ては元鍋でなっ・・・薪を組んで沸かした水で身体を清めているぞ」
「一応・・・清めているんですねー。へぇ・・・」
根田がげんなりして数歩横に離れていく。
「ほらぁゲームとかでも宿屋って!ベッドがあって、浴場があって、トイレがあって、美味しい料理があって、それから、それから・・・」
「ふっ。そんな宿屋いったいこの世界の何処にあるんだろうなぁ・・・」
「あると思いたいです・・・」
「お2人仲が良いのはいいのだけど足が遅くなっているわよ!」
「あぁ、すまんハル」
「すいません・・・」
「まぁその懐かしむなとは言わないわよ・・・事情は理解できるし」
「へぇ~あのチグが随分大人びた事言う様になったものね、二人旅で少し成長したのね」
「ふん!能無しを守るのは思った以上に大変だったのよ!」
「魔力無しにあなたまでなるとはねぇ~」
「殴る分には関係ないわ」
「脳筋なんだからチグは・・・」
予想以上に隣り街まで遠く、チグの能力も失われている以上、正確な距離はわからず、地図の通り来た筈なのだが、少しズレたみたいだ。
空は茜色に染まりやがてくる夕闇に備える必要が出てきた。
「やはりこの地図適当だったか・・・」
「トウヤ気にするな、急ぐ旅でもない。今日はココで野営だな、枝を探してこよう」
ハルが俺の肩をポンと叩いて暗い闇に溶けていく。
「ココは少し開け過ぎているから何個か焚き火散らした方が良さそうね」
「優先はウルフ対策だな・・・」
ジアさんが魔法で簡易的な壁と岩の椅子を創造してくれた。
「ジアさんありがとう!」
春美は椅子に座るなりふくらはぎをトントン叩き、足の疲れを癒している。
「なぁ・・・少しこの先明るくないか?」
「えっ?何処?」
「あー、こっちから見たらわかるか根田」
「どれどれ・・・なんかピカピカしてません?」
「おぉ、よく見えたな・・・ハルがそっち方面に行った様な・・・」
しばらくしてハルが戻ってくる。その手には枝ではなくあちらの世界でゴミの様な扱いだったポケットテッシュ・・・
「トウヤ・・・変な奴に手渡された」
「おぉう・・・マジかぁ・・・"休憩、宿泊"・・・日本語じゃねぇか」
「ねぇ先輩・・・確かめに行きませんか?」
「そ、そうだな・・・もしかすると同郷の奴がいる可能性があるよな・・・」
近づく程明るくなる・・・おいおい。
「先輩・・・ここって絶対私達の世界の、いえ日本のラブホですよね?」
「なんであるんだこんな所に・・・"やんちゃな子猫"ってモロ日本語じゃねーか」
「いらっしゃいませーやんちゃな子猫でーす」
「いらっしゃいませーじゃねぇよ!君日本語バリバリじゃないか・・・」
「あーこの言葉は元いた世界の言語でって・・・おじさん山賊?」
「あ、いや元日本の警官だ・・・」
「ほうほうほうほう・・・その格好ヤバすぎっしょ」
「ほっとけよ、服なかったんだよ」
「はいはい、そっちのお姉さん方も日本人?」
春美とジアさんに興味を向ける猫耳。
「はい、根田と言います。私も元警官ですよ・・・こちらは見た目は日本人ですけど」
「ジアよ。訳あってこの姿をしているのよ」
「へぇー、日本人にこんな場所で会えるなんて・・・私は猫族に生まれ変わった元日本人アイドルだったカヤノメグル、メグちゃんって呼んでねー」
なんか気になるワードである事件を思い出す。身内が第一発見者だったので印象深い。
「カヤノメグル・・・まさかなぁ・・・なぁ、君大阪府箕面出身の萱野環(カヤノタマキ)だろ?」
「な、な、な、なんでアンタが本名しっとんねん!」
猫の俊敏さで少し離れた場所に飛び退く。
「あ、警戒しないでくれ、君の死体発見者がウチの末妹だったんだよ・・・変死体で発見されたからメディアにも取り上げられたよ・・・」
「なんちゅう偶然かいなぁ・・・どないな死に方かは興味無かったし・・・あの女神さんにおもろい力貰ったからええんよ」
「じゃあ同郷者ということでメグちゃん!泊めて!」
「うーん、泊めるのはウチにとってもメリットあるんやけど・・・」
「先輩を洗わせて!お願い!」
「あぁ・・・だいぶ臭うな・・・確かに女子にはキツいなぁ」
「そんなにヤバイのか俺」
「「「正直、クサイッ」」」
ハル、春美、ジアさんからはっきり言われ軽くショック。
「ほな、泊まっていきやっ」
「メグちゃんありがとう!」
春美がメグに抱きつく。こちらをみたメグの目は少し赤目に光る。
「でも"お代"は頂くでぇ」
「そんなに金はないのだが・・・」
「金はいらんよ・・・欲しいのは・・・後で勝手に頂くわ」
「何を望まれるのやら・・・」
「なんであるんだこんな所に・・・"やんちゃな子猫"ってモロ日本語じゃねーか」
少し時間は遡る・・・
「先輩・・・あ、えーっと・・・なんというかその格好・・・悪目立ちしてませんか?」
上半身に身につけたなんらかの金属でできているであろう胴当てに、下半身毛皮。
「まぁ~現代からきた根田からしたら、かなーり原始的だよなぁ。俺も毛皮腰に巻いてるなんて山賊のイメージだったよ」
「いえ・・・獣臭というか・・・鉄クサイ・・・加齢的な感じも」
「?」
「お風呂とか入ってます?」
「いやいや・・・そもそもこっちきてからは入ってないぞ。池や川も危険だからな」
「・・・身体とかは流石に拭いたりはしますよね?ねっ?」
「・・・俺にも最低限の現代人としての境地ぐらいあるさっ・・・この胸当ては元鍋でなっ・・・薪を組んで沸かした水で身体を清めているぞ」
「一応・・・清めているんですねー。へぇ・・・」
根田がげんなりして数歩横に離れていく。
「ほらぁゲームとかでも宿屋って!ベッドがあって、浴場があって、トイレがあって、美味しい料理があって、それから、それから・・・」
「ふっ。そんな宿屋いったいこの世界の何処にあるんだろうなぁ・・・」
「あると思いたいです・・・」
「お2人仲が良いのはいいのだけど足が遅くなっているわよ!」
「あぁ、すまんハル」
「すいません・・・」
「まぁその懐かしむなとは言わないわよ・・・事情は理解できるし」
「へぇ~あのチグが随分大人びた事言う様になったものね、二人旅で少し成長したのね」
「ふん!能無しを守るのは思った以上に大変だったのよ!」
「魔力無しにあなたまでなるとはねぇ~」
「殴る分には関係ないわ」
「脳筋なんだからチグは・・・」
予想以上に隣り街まで遠く、チグの能力も失われている以上、正確な距離はわからず、地図の通り来た筈なのだが、少しズレたみたいだ。
空は茜色に染まりやがてくる夕闇に備える必要が出てきた。
「やはりこの地図適当だったか・・・」
「トウヤ気にするな、急ぐ旅でもない。今日はココで野営だな、枝を探してこよう」
ハルが俺の肩をポンと叩いて暗い闇に溶けていく。
「ココは少し開け過ぎているから何個か焚き火散らした方が良さそうね」
「優先はウルフ対策だな・・・」
ジアさんが魔法で簡易的な壁と岩の椅子を創造してくれた。
「ジアさんありがとう!」
春美は椅子に座るなりふくらはぎをトントン叩き、足の疲れを癒している。
「なぁ・・・少しこの先明るくないか?」
「えっ?何処?」
「あー、こっちから見たらわかるか根田」
「どれどれ・・・なんかピカピカしてません?」
「おぉ、よく見えたな・・・ハルがそっち方面に行った様な・・・」
しばらくしてハルが戻ってくる。その手には枝ではなくあちらの世界でゴミの様な扱いだったポケットテッシュ・・・
「トウヤ・・・変な奴に手渡された」
「おぉう・・・マジかぁ・・・"休憩、宿泊"・・・日本語じゃねぇか」
「ねぇ先輩・・・確かめに行きませんか?」
「そ、そうだな・・・もしかすると同郷の奴がいる可能性があるよな・・・」
近づく程明るくなる・・・おいおい。
「先輩・・・ここって絶対私達の世界の、いえ日本のラブホですよね?」
「なんであるんだこんな所に・・・"やんちゃな子猫"ってモロ日本語じゃねーか」
「いらっしゃいませーやんちゃな子猫でーす」
「いらっしゃいませーじゃねぇよ!君日本語バリバリじゃないか・・・」
「あーこの言葉は元いた世界の言語でって・・・おじさん山賊?」
「あ、いや元日本の警官だ・・・」
「ほうほうほうほう・・・その格好ヤバすぎっしょ」
「ほっとけよ、服なかったんだよ」
「はいはい、そっちのお姉さん方も日本人?」
春美とジアさんに興味を向ける猫耳。
「はい、根田と言います。私も元警官ですよ・・・こちらは見た目は日本人ですけど」
「ジアよ。訳あってこの姿をしているのよ」
「へぇー、日本人にこんな場所で会えるなんて・・・私は猫族に生まれ変わった元日本人アイドルだったカヤノメグル、メグちゃんって呼んでねー」
なんか気になるワードである事件を思い出す。身内が第一発見者だったので印象深い。
「カヤノメグル・・・まさかなぁ・・・なぁ、君大阪府箕面出身の萱野環(カヤノタマキ)だろ?」
「な、な、な、なんでアンタが本名しっとんねん!」
猫の俊敏さで少し離れた場所に飛び退く。
「あ、警戒しないでくれ、君の死体発見者がウチの末妹だったんだよ・・・変死体で発見されたからメディアにも取り上げられたよ・・・」
「なんちゅう偶然かいなぁ・・・どないな死に方かは興味無かったし・・・あの女神さんにおもろい力貰ったからええんよ」
「じゃあ同郷者ということでメグちゃん!泊めて!」
「うーん、泊めるのはウチにとってもメリットあるんやけど・・・」
「先輩を洗わせて!お願い!」
「あぁ・・・だいぶ臭うな・・・確かに女子にはキツいなぁ」
「そんなにヤバイのか俺」
「「「正直、クサイッ」」」
ハル、春美、ジアさんからはっきり言われ軽くショック。
「ほな、泊まっていきやっ」
「メグちゃんありがとう!」
春美がメグに抱きつく。こちらをみたメグの目は少し赤目に光る。
「でも"お代"は頂くでぇ」
「そんなに金はないのだが・・・」
「金はいらんよ・・・欲しいのは・・・後で勝手に頂くわ」
「何を望まれるのやら・・・」
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