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私の挨拶に三人は微動だにせず固まったまま私を見ている。
あれ?聞こえなかったのかしら?
三人の下に足を進めると、三人の表情がよく見える。
アレックスは焦った顔。
アンナは青褪めた顔。
ルーカスは心配した顔。
三人それぞれ違う表情をしているのが面白くて、これから起こるであろうことを考えると思わず笑ってしまう。
「三人揃ってここで何をしているの?」
今ここに来たかのように、三人を見渡して微笑みを浮かべて和かに問う。
「偶然会って、くだらない世間話をしてただけだ。そうだよな?」
私が話を聞いていなかったと思ったのか、アレックスはホッと息を吐いてアンナに同意を求める。
「え、えぇ。偶然アレックス様と会って話していただけなの」
話していただけなら、どうして身を寄せ合って抱き合う必要があるの?
全て見られていたとは知らず、白々しく嘘をつくアレックスとアンナを見比べて、二人を冷たい目で見れているルーカスへと視線を向ける。
「偶然ねぇ……。二人はそう言っているけれど、本当なの?」
「マチルダ……!」
ルーカスが口を開こうとすると、アレックスは焦ったように遮った。
「私はルーカスに聞いているの。それとも、聞かれてまずいことでもあるの?」
「それは……」
私の言葉にアレックスは顔をしかめると、ルーカスを睨みつけるような目で見る。
そんなアレックスを無視して、ルーカスは口を開いた。
「二人が怪しい雰囲気で庭園に行くのが見えて、その後をついて行ったら……、二人が抱き合っていたんだ」
「勝手なことを言うな!俺とアンナは偶然会って、虫に怯えていたアンナを助けただけだ!!」
「婚約者がいるにも関わらず、女性と身体を寄せ合うのが趣味なのか?」
「困っている女性がいたら、助けるのが真の紳士がすることだ」
「真の紳士は助けた女性とキスをするのか?助けていただけなら、抱き合う必要もキスをする必要もないだろ」
冷静に話すルーカスとは対照的に、アレックスは怒鳴るように話す二人の会話を黙って聞いていると。
「だから、キスはしていないって言ってるだろ!!」
アレックスの否定の言葉が庭園に響き渡る。
私はアレックスの言葉に自然と口角が上がるのが分かった。
「キスはしていない、ねぇ……」
私の言葉にアレックスは自分の失言に気付いたのか、青褪めた顔をして私を見た。
そんな顔をしても無駄よ。
「おかしいわね?あなたの言葉を信じるなら、それ以外はしたってことかしら??」
「ちっ、違うんだマチルダ!誤解なんだ!!」
「何が誤解なの?将来、義兄と義妹になる関係だから親しげに見えたとでも言うつもり??」
「えっ……?」
アレックスがルーカスに言っていたことを言えば、アレックスは驚いた顔をして、気の抜けた声を出した。
ルーカスも私を驚いた顔で見ていて、私達の問題に巻き込んでしまって申し訳ない気持ちになる。
ルーカスごめんなさい。
もうすぐ終わるから、終わったらお礼をするわね。
心の中でルーカスに謝罪をして、狼狽えるアレックスと震えるアンナを見る。
「で、二人はいつからそういう関係なの?」
「えっ?」
「お義姉、さま……?何を言っているの?」
「全て言わなければいけない?二人が抱き合ってキスをする関係はいつから?と聞いているの」
私の言葉で私が全て見ていたことを悟ったのか、二人は私をお化けでも見たのような顔で見ている。
まぁ、そうなるのも当たり前かしら?
まさか、自分達の浮気現場を見たにも関わらず、私がこんな爽やかな笑顔で立っているなんて、信じられないのも無理はないわ。
私はここ数年で、アレックスに見せる笑顔で一番晴れやかな笑顔を浮かべている自信があった。
キスをしてたのか?していないのか?なんてどうでもいい。
私には二人が抱き合って浮気をしていたという事実が重要なのだ
さぁ、楽しい婚約破棄の時間はこれからだ。
あれ?聞こえなかったのかしら?
三人の下に足を進めると、三人の表情がよく見える。
アレックスは焦った顔。
アンナは青褪めた顔。
ルーカスは心配した顔。
三人それぞれ違う表情をしているのが面白くて、これから起こるであろうことを考えると思わず笑ってしまう。
「三人揃ってここで何をしているの?」
今ここに来たかのように、三人を見渡して微笑みを浮かべて和かに問う。
「偶然会って、くだらない世間話をしてただけだ。そうだよな?」
私が話を聞いていなかったと思ったのか、アレックスはホッと息を吐いてアンナに同意を求める。
「え、えぇ。偶然アレックス様と会って話していただけなの」
話していただけなら、どうして身を寄せ合って抱き合う必要があるの?
全て見られていたとは知らず、白々しく嘘をつくアレックスとアンナを見比べて、二人を冷たい目で見れているルーカスへと視線を向ける。
「偶然ねぇ……。二人はそう言っているけれど、本当なの?」
「マチルダ……!」
ルーカスが口を開こうとすると、アレックスは焦ったように遮った。
「私はルーカスに聞いているの。それとも、聞かれてまずいことでもあるの?」
「それは……」
私の言葉にアレックスは顔をしかめると、ルーカスを睨みつけるような目で見る。
そんなアレックスを無視して、ルーカスは口を開いた。
「二人が怪しい雰囲気で庭園に行くのが見えて、その後をついて行ったら……、二人が抱き合っていたんだ」
「勝手なことを言うな!俺とアンナは偶然会って、虫に怯えていたアンナを助けただけだ!!」
「婚約者がいるにも関わらず、女性と身体を寄せ合うのが趣味なのか?」
「困っている女性がいたら、助けるのが真の紳士がすることだ」
「真の紳士は助けた女性とキスをするのか?助けていただけなら、抱き合う必要もキスをする必要もないだろ」
冷静に話すルーカスとは対照的に、アレックスは怒鳴るように話す二人の会話を黙って聞いていると。
「だから、キスはしていないって言ってるだろ!!」
アレックスの否定の言葉が庭園に響き渡る。
私はアレックスの言葉に自然と口角が上がるのが分かった。
「キスはしていない、ねぇ……」
私の言葉にアレックスは自分の失言に気付いたのか、青褪めた顔をして私を見た。
そんな顔をしても無駄よ。
「おかしいわね?あなたの言葉を信じるなら、それ以外はしたってことかしら??」
「ちっ、違うんだマチルダ!誤解なんだ!!」
「何が誤解なの?将来、義兄と義妹になる関係だから親しげに見えたとでも言うつもり??」
「えっ……?」
アレックスがルーカスに言っていたことを言えば、アレックスは驚いた顔をして、気の抜けた声を出した。
ルーカスも私を驚いた顔で見ていて、私達の問題に巻き込んでしまって申し訳ない気持ちになる。
ルーカスごめんなさい。
もうすぐ終わるから、終わったらお礼をするわね。
心の中でルーカスに謝罪をして、狼狽えるアレックスと震えるアンナを見る。
「で、二人はいつからそういう関係なの?」
「えっ?」
「お義姉、さま……?何を言っているの?」
「全て言わなければいけない?二人が抱き合ってキスをする関係はいつから?と聞いているの」
私の言葉で私が全て見ていたことを悟ったのか、二人は私をお化けでも見たのような顔で見ている。
まぁ、そうなるのも当たり前かしら?
まさか、自分達の浮気現場を見たにも関わらず、私がこんな爽やかな笑顔で立っているなんて、信じられないのも無理はないわ。
私はここ数年で、アレックスに見せる笑顔で一番晴れやかな笑顔を浮かべている自信があった。
キスをしてたのか?していないのか?なんてどうでもいい。
私には二人が抱き合って浮気をしていたという事実が重要なのだ
さぁ、楽しい婚約破棄の時間はこれからだ。
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