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7.再会
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マダム・リリスのお店を出た私は、エラとハンツ卿と共にカフェに来ていた。
「エラもハンツ卿も好きなのを頼んでいいわよ」
「お嬢様!ここは高いと有名な所ですよ……私にはとても……」
エラはお金の心配をしているみたいだけれど、私は大富豪で有名なアルチェン家の娘だ。
「エラ。貴方の主人は誰?」
そう言って私は「お持ち帰りをしてもいいのよ?」とウィンクする。
「お嬢様……」
ウルウルとした目で見てくるエラが可笑しくて笑っていると、メニュー表を見て固まっているハンツ卿に声をかける。
「ハンツ卿、もしかして甘い物苦手だったかしら?」
「この様な場所には慣れていないので何を頼んだらいいのか分かりません」
いつもお兄様についてくれてるハンツ卿に、お兄様に代わって私がお礼をしなければ。
店員を呼んで注文をする。
「飲み物を除いて全メニューを3個ずつお願いします。食べれなかった物はお持ち帰りは出来ますか?」
お持ち帰り出来るという言葉に「じゃあ、お願いしますね」と注文する私をエラとハンツ卿は驚いた顔で見ている。
「お金っていうのはこうやって使わないと」
飲み物を除く全メニューが3個ずつ届いた光景は壮観だった。
テーブルに置けない分は周りのテーブルに置かれ、私達はスイーツに囲まれた。
「ここは天国ですか」
「お嬢様、これはやり過ぎでわ」
目を輝かせるエラとは対照的にハンツ卿は呆れているが口角が上がる口元を見るに喜んでいるらしい。
ハンツ卿が甘い物が好きだなんて知らなかったわ。
幸せそうな顔で食べるエラ、チョコレートばかり食べるハンツ卿。
過去に戻って1日しか経っていないけれど、誰かと一緒にカフェでスイーツを食べて話すのも悪くない。
満腹になった私達は残った物を包んでもらい、屋敷のみんなの分を頼む為にショーケースを見に行くと、マダム・リリスで見た男性がいた。
いつもなら声を掛けないが、気になった私は店員に聞きながら何を買うか悩んでいるらしい男性に声を掛ける。
「ここのチョコレートケーキは絶品ですよ」
驚いたように男性は私を見る。
「悩んでおられるようなので、迷惑でなければいいのですが」
「何を買えばいいか分からなかったから助かるよ」
そう言って笑う男性の瞳は本当に不思議な色をしている。
「おすすめのメニューはですね……」
注文を終えた私達は商品が包まれるまでの間、話しをする。
「先程は失礼しました」
「先程、ですか……?」
謝られるような事をされた記憶はないのだけれど。
「マダム・リリスの店で不躾にも貴方に触れようとしたので」
申し訳なさそうにする彼にそんな事もあったと思い出す。
ハンツ卿が彼の手を掴むまで気付かなかったから気にしてなかったけれど、肩を下ろして謝る姿は可愛らしかった。
「その事なら気にしていないので大丈夫です」
そう言って笑う私を見て、男性もホッとしたように笑った。
冷たさすら感じる美しい顔の笑顔の破壊力は凄まじく、私は自分の顔が熱くなるのを感じる。
「……?どうかされましたか?」
「いぇ、少し暑くなって」
手で顔を仰ぐ私を不思議そうに見る彼は、自分の笑顔の破壊力を知らないらしい。
「お待たせ致しました」
話しをしていると店員に商品を渡され、私達は店を出た。
「では、失礼しますね」
「待ってください」
エラに荷物を預け、帰ろうとする私を男性が呼び止める。
「お名前を伺ってもいいですか?」
こんなにも話しをしたのに、自己紹介をしていなかった事に気付く。
「セシリアです。セシリア・アルチェン。」
「アルチェン嬢ですね。私はヴィクター・ステンフォレストです」
名前を聞いて驚く。
ヴィクター・ステンフォレストってお父様が言っていた、新当主になった方だわ。
こんなに若くて美しい方だなんて知らなかった。
「侯爵様と知らずに失礼しました」
「謝らないでください。外国から帰って来て爵位を継いだので、知り合いがいなくて困っているんです」
そう言って笑う彼に、外国に行っていたから社交界で話題にならなかったのねと納得をする。
「そうだったのですね」
「アルチェン嬢が良ければですが、私と友人になってくださいますか?」
「エラもハンツ卿も好きなのを頼んでいいわよ」
「お嬢様!ここは高いと有名な所ですよ……私にはとても……」
エラはお金の心配をしているみたいだけれど、私は大富豪で有名なアルチェン家の娘だ。
「エラ。貴方の主人は誰?」
そう言って私は「お持ち帰りをしてもいいのよ?」とウィンクする。
「お嬢様……」
ウルウルとした目で見てくるエラが可笑しくて笑っていると、メニュー表を見て固まっているハンツ卿に声をかける。
「ハンツ卿、もしかして甘い物苦手だったかしら?」
「この様な場所には慣れていないので何を頼んだらいいのか分かりません」
いつもお兄様についてくれてるハンツ卿に、お兄様に代わって私がお礼をしなければ。
店員を呼んで注文をする。
「飲み物を除いて全メニューを3個ずつお願いします。食べれなかった物はお持ち帰りは出来ますか?」
お持ち帰り出来るという言葉に「じゃあ、お願いしますね」と注文する私をエラとハンツ卿は驚いた顔で見ている。
「お金っていうのはこうやって使わないと」
飲み物を除く全メニューが3個ずつ届いた光景は壮観だった。
テーブルに置けない分は周りのテーブルに置かれ、私達はスイーツに囲まれた。
「ここは天国ですか」
「お嬢様、これはやり過ぎでわ」
目を輝かせるエラとは対照的にハンツ卿は呆れているが口角が上がる口元を見るに喜んでいるらしい。
ハンツ卿が甘い物が好きだなんて知らなかったわ。
幸せそうな顔で食べるエラ、チョコレートばかり食べるハンツ卿。
過去に戻って1日しか経っていないけれど、誰かと一緒にカフェでスイーツを食べて話すのも悪くない。
満腹になった私達は残った物を包んでもらい、屋敷のみんなの分を頼む為にショーケースを見に行くと、マダム・リリスで見た男性がいた。
いつもなら声を掛けないが、気になった私は店員に聞きながら何を買うか悩んでいるらしい男性に声を掛ける。
「ここのチョコレートケーキは絶品ですよ」
驚いたように男性は私を見る。
「悩んでおられるようなので、迷惑でなければいいのですが」
「何を買えばいいか分からなかったから助かるよ」
そう言って笑う男性の瞳は本当に不思議な色をしている。
「おすすめのメニューはですね……」
注文を終えた私達は商品が包まれるまでの間、話しをする。
「先程は失礼しました」
「先程、ですか……?」
謝られるような事をされた記憶はないのだけれど。
「マダム・リリスの店で不躾にも貴方に触れようとしたので」
申し訳なさそうにする彼にそんな事もあったと思い出す。
ハンツ卿が彼の手を掴むまで気付かなかったから気にしてなかったけれど、肩を下ろして謝る姿は可愛らしかった。
「その事なら気にしていないので大丈夫です」
そう言って笑う私を見て、男性もホッとしたように笑った。
冷たさすら感じる美しい顔の笑顔の破壊力は凄まじく、私は自分の顔が熱くなるのを感じる。
「……?どうかされましたか?」
「いぇ、少し暑くなって」
手で顔を仰ぐ私を不思議そうに見る彼は、自分の笑顔の破壊力を知らないらしい。
「お待たせ致しました」
話しをしていると店員に商品を渡され、私達は店を出た。
「では、失礼しますね」
「待ってください」
エラに荷物を預け、帰ろうとする私を男性が呼び止める。
「お名前を伺ってもいいですか?」
こんなにも話しをしたのに、自己紹介をしていなかった事に気付く。
「セシリアです。セシリア・アルチェン。」
「アルチェン嬢ですね。私はヴィクター・ステンフォレストです」
名前を聞いて驚く。
ヴィクター・ステンフォレストってお父様が言っていた、新当主になった方だわ。
こんなに若くて美しい方だなんて知らなかった。
「侯爵様と知らずに失礼しました」
「謝らないでください。外国から帰って来て爵位を継いだので、知り合いがいなくて困っているんです」
そう言って笑う彼に、外国に行っていたから社交界で話題にならなかったのねと納得をする。
「そうだったのですね」
「アルチェン嬢が良ければですが、私と友人になってくださいますか?」
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