最強魔法剣士が行く異世界自由冒険譚

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第1章

1-2 波乱のギルド

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「はぁ、何かギルドに来る途中までやたら視線を感じたな」
今、俺はギルドの扉の前にいた。
ここに来るまでの道で殆どの女性がこちらの顔をチラチラと見ていたのだ、昨日まで普通の学生をしていた身としては落ち着かない、一体何があったのだろうか?
異世界へ来て初めて疲れというものを感じたかもしれない。
このぐらいにして、気分を切り替えるか!

「何と言ったって、あのギルドだ日本に無い、荒くれ供が集まる場所だ、楽しみだ!」
 
気合いを入れ、扉を開く。
すると想像通り、いや想像以上だった。
酒を仲間と酌み交わし大声で笑っている冒険者、掲示板に貼られたクエスト?を眺めている冒険者、受付嬢らしき所に並ぶ長蛇の列、ついつい笑ってしまった。

「はは、いいじゃないか中々愉快そうな場所だ期待以上だな」

取り敢えずギルドカードを作る為に長蛇の列に並ぶ、長いな2時間とか平気で経ちそうだ。一体何処の遊園地だよ。だが顔を出して前を覗くと受付嬢が尋常じゃない速度で人を減らしている。
凄いな。
これならば、想定以上に早く順番が来そうだ。
すると、俺の前にいきなりガタイのいいスキンヘッドの男が入って来た、いわゆる横入りだ。
少しイラッとしたのでそいつに、話しかける。

「おい、お前こっちはちゃんと並んで待ってるんだ順番くらい守れ」

こちらに気が付いたのか、振り返ってメンチを切りながら

「あぁ、何言ってんのかわかんねんだよチビ、俺を誰だと思ってやが「うるせえ、ハゲ、順番守れって言ってんだよ」

もういいや面倒くさい。こう言う奴、相手にしてると話が進まない。
向こうは向こうでハゲと言われた事に怒ってるのか。物凄い顔になってる、まぁ怖くないけど。

「こんのクソガキ今なんて言いやがったこの俺Bランク冒険者ゲイズ様に、テメェそんだけ言うんだ俺よりランクは上なんだろうな!」
「あぁ?ランク?まだ決まってないけど?つーか今登録に来たんだよ、大体自分に様つけるとかアホか?」
「おいおい、俺より下つーかそれ以下だったとわ、お前笑えるな、ぶっ殺してやるよ、登録だぁ?お前はここでボコボコにしてギルドにこれねぇようにしてやるよ」
この会話を聞いていた周りの冒険者は俺たちの喧嘩を見てざわめき始めた。

「おいおい冒険者でもねぇガキがゲイズに喧嘩売ってるぜ」
「終わったな、瞬殺だろ、アイツ基本的にクズだが向こうも悪いな、どう見ても煽ってるとしか見えねぇよ」
「おいおい、誰か止めてやれよ、じゃねーとここが血みどろになっちまって、いられたもんじゃねーよ」

おい、好き勝手言ってくれるな。負ける前提かよ。大体Bクラスがどんだけ強いのかしらねぇし。つーか向こうもう剣抜いて構えてるし。

「おいガキ、俺に喧嘩売った事後悔させてやるよ行くぜ?」
「やめなさい」

声が響く、声の主を見つけるとギルドの受付嬢が立っていた。

「ゲイズ、ギルド内で暴行を働こうとするとはいい度胸ですね!やめるなら今よ!」

へぇ金髪プラチナブロンドの髪にその瞳には強い覚悟の様なものもある、スタイルも抜群だ。結構キレイな人だな、ギルドの受付嬢はキレイ所が集まってるんだな。と思いながら受付嬢を見ていると。

「止めるなよ、ティータちゃんギルドは冒険者同士の争い事には関わらない決まりだぜ」
「その子はまだ冒険者ではありません」
「だがどの道こいつはこの後、冒険者登録するんだ早いか遅いかの違いだぜ?」
「それでもです、恥ずかしくないのですか?こんないたいけも無い少年を殴ってBクラス冒険者が?」
「あのー、すみません良いですか?俺は別にいいんでサッサと始めたいんですけど?向こうもやる気みたいですし」
「は?何を言ってるんですか、ゲイズは曲がりなりにも、実力で上がったBクラス冒険者ですよ、新人ではまず勝ち目があるわけないじゃ無いですか!」

あーやっぱり俺が負ける前提で話が進んでるなぁ。
うーんBクラス冒険者の実力を見て見たいしなぁ。やるか。

「大丈夫ですよ、勝てます」

そして俺はゲイズと対峙する。

「くっくっ、お前さんの度胸は買ってやるよ。だから今ここで土下座して謝れば許してやるよ!はっはっ」
「はぁ、じゃあ全力で手加減して勝ってやるよ、これでな」

いわゆるデコピンのポーズをとる。

「ついでにお前のプライド粉々にしてやる」
「舐めてんのか!いいぜ、お前もう死ねよ」

突っ込んでデコピン食らわせるのも良いが実力を見たいのと、プライドを粉々にしたいので取り敢えず全て躱す。
ゲイズが剣を振るうしかし、やはり遅い。見える、剣筋が何処から何処へ振るわれるのか。己が剣術を振るうからこそ分かる。そうして全ての剣を躱しきる。
周りへ目を向けると皆唖然とした表情をしていた。そんなに凄いことか?
そうしているとゲイズが何か言っている。

「はっぁはっぁ、テメェ何もんだ俺の剣を全て躱しやがるとは」
「分かったか?これがお前と俺の実力差だ」
「あぁ、確かに強いぜ俺の剣を全て躱しきるその身のこなし、だが俺の本領は発揮してねぇ、まだ半分だけだお前には全力を出す必要があるみてぇだ、俺はな純粋な戦士じゃねぇ、魔法剣士だ」

そしてゲイズの身体の周りから何かモヤのような光のようなものが渦巻き始めた。

「まずい、ゲイズの野郎本気だ。アイツ本気で殺しに行く気だ」
「やめなさい!ゲイズ」

なんだか周りが騒ぎ始めた。
それにしても魔法剣士、つまり剣と魔法を併用する剣士だったとは、魔法かまだこの世界に来て見かけていない。
俺もミリア様のおかげで魔法を使えるらしいが使い方が分からない。
丁度良い、見せてもらおう魔法とやらを

「我が纏いわ風の加護、この身の全てを加速せよ」
風装加速シルフィードライン

この魔法は文字通り風を纏って素早さを上げる魔法か。

「この一撃、全てを壊す、破壊の加護を」
破壊者デストロイヤー

これも一撃なのかそれとも魔法効果が切れるまでなのかは分からないが攻撃アップって所か。

「雷よ、天を駆け巡り、かの者を貫け」
四雷槍フォースサンダージャベリン

四条の紫電が俺の周りを突き抜ける、そこにはゲイズが踏み込んで来ていた。

なるほど、雷で俺の行動範囲を狭めて回避行動が取れない様にして、素早さアップした状態で瞬時に踏み込み、攻撃アップした状態で一刀両断、っと言った所か。
だが、

「甘い」

そう呟き、振り下ろして来た敵の剣の腹に左手を添え、右手で根元あたりの剣の腹に掌底を打つ。
テコの原理で剣は折れ、俺を切るはずだった刃は無くなり通過して行く。
これで決まると思っていたのだろう、ゲイズは前のめりになり隙だらけだ、一度受け止め、突き放す、たたらを踏みながらもなんとか立っていたゲイズのおでこにデコピンを瞬時に添えて放つ。


ドゴン、あまりの威力に空中を吹っ飛びながらギルドの壁を破壊した。

「約束は、守ったちゃんとデコピンで倒してやったぜ」
 
「「「「はぁっぁぁぁ?」」」」

うお、みんな同時のタイミングで叫んだ。ビックリしたぁ。

間違い無くビックリしたのは冒険者達の方であった。

それよりも。

「受付嬢さん、ギルドカードの発行お願いしたいんですけど?」

「はぇ!あっ、ああ、はいかしこまりましたそれと、私の事は、ティータとお呼び下さい」

物凄い声だな、そんなにビックリする程か?いや地球であんな事出来る奴いたら俺でも同じ顔になるな。

「わかりました。ティータさん」

「はい、それではまずお名前をお書きになって下さい、それから説明に入ります」
 
やばいこっちの文字ってわかんねぇんだよ、どうしようかな。この歳で文字書けないのは恥ずかしいけど仕方ない。

「すみません、俺森で修行ばっかりしてて文字があんまり書けないんです。書いて貰っても良いですか?」

「はい、分かりました」

あれ?反応が普通だなもしかして書けない人って案外いるのか?

「ではまず基本的な説明をさせて頂きます、冒険者とはクエストをこなしてお金を稼ぐ職業です。クエストには種類があり街の外でモンスターを狩るなどがあります。そしてもう一つが、街の住民が出したクエストをこなして行くと言った物です。基本的に皆様はモンスターを狩る事などが多いです。そちらの方が稼ぎがいいと言った面でですが。」

なるほど。

「次は、諸注意です。我々ギルドは冒険者同士の戦いに口を出さないと言ったものです。しかし例外として冒険者を殺す冒険者などが居るので特定でき次第ブラックリストに乗り賞金をかけられます。お気をつけて下さい」

「次に、ランクについてランクはFランクから始まりSSクラスまであります。ランクを上げるにはそれなりの功績など積み上げた実績を経て、上のクラスの試験を受けることが出来ます」

「クエスト受注についてですが、まず受けられるクエストが冒険者様より一つ上のランクまでとなっておりますのでお気をつけて下さい。それ以外では緊急クエストがあります。これはどのランクの冒険者でも受けられますがあまり新人の方は受けられませんですね。こちらは基本的に高難易度ですので参加、不参加どちらでもよろしいです。滅多に無いんですけどね。何か不明な点はありますか?」

「いや、無いです」 
緊急クエストなど気になるものはあったが滅多に無いのであれば追い追い聞けばいい。

「これにて終了です。それではアルヴィス様ようこそ冒険者の世界へ」
「困った時はよろしく頼む」
「それで、アルヴィス様は武術家ですか?先程のゲイズを倒した技の冴えといいすごかったですよ!」

そう食い気味に言われても困るんだが、それにしてもティアルといいティータといい何故俺が武術家だと思う?まぁ今まで素手で倒して来たからな。そろそろ武器の調達をしないといけないな。
その前に誤解を解いとくか。

「いや俺はどちらかと言うと剣士だよ、武術は、剣のついでに習ったものだよ。剣ばかりの修行じゃ剣の事しか知れないから、武術も習ったんだ」

「えっ、じゃあ先程の武術はついでに習っていたものだったのですか?」
「ええ、得意な武器は剣ですね」
「でも、得物を持ってないように見えるんですが?」
「あはは、実は恥ずかしい話なんですが寝ている隙に持っていかれたみたいでここで武器を調達しようかと思いまして」
「成る程、ではこちらの方で良い武器店を紹介しましょうか?」
「よろしくお願いします」

すぐにお願いする、土地勘がない上に文字が読めないどの店が武器屋か分からないからな。紹介してくれるならありがたい。

「それではこちらが地図になります」

早いな、もしかしてこう言った新人冒険者の為の紹介は結構あるのかも知れない。

「ありがとう、早速行かせてもらうよ」
「はい」

こうして、波乱に満ちたギルドは収まり起こした張本人は、ギルドの扉を開け悠々と歩くのであった。

他の冒険者はと言うと。
「おい見ろよ、ゲイズの野郎の剣、根元からバッキリといってやがるぜ」
「おいマジかよ、素手で折るのはスゲェけど確かにゲイズの剣って言えばアレだろ」
「ああ、魔剣だった筈だ」
「魔剣って素手で折れるものなのか?」
「いや俺の知ってる人間じゃあ無理だ」
「マジか化け物かよ」
「何やってるんですか?」
いつの間にか、冒険者登録を終えてギルドの受付嬢であり、俺達のアイドルが戻って来た。

「あっ、ああティータちゃんか、実はコイツの剣って魔剣なんだけど素手で折れるのかって?話をしてたんだよ」

ビックリしたように目を見開いていたティータちゃんは次にあり得ない事を言う。

「でも先程聞いた話では得意な得物は剣って言ってましたよ。武術はついでに習ったって」
「はぁ!?それって本当か?ついでで折れるほど魔剣は安かねーぞ!」
「えっ、ええ本人はいたって真面目な顔で言ってましたけど」
「マジかよまじで化け物か」

全員満場一致でその言葉に頷いた。

そしてFランク冒険者がBランク冒険者の魔剣を素手で叩き折り、デコピンで吹っ飛ばし倒したと王国ギルドの中で伝説となった。





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