良心的ＡＩ搭載 人生ナビゲーションシステム

２ 閉ざした気持ち。言えなかった言葉。叶わぬ想い。止まった時間が動き出すまで

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　こっちに出て来てからそれなりに友達もできてそれなりに楽しく過ごした時間もある。

言い寄ってきてくれた男の人も何人かいたけど、付き合っても私の心はどこか上の空で、相手もそれを察して、いつの間にか自然消滅した。

私はそれでいいと思った。

隼人を裏切った私は誰かと恋愛する資格なんて無いんだと思った。

それに、隼人に対する罪悪感でいっぱいなくせに、私はいまだにシーナ君の事が忘れられないでいる。



　あれ以来、私はカメラを触っていない。

触るのが怖い。

いろんな事を思い出しそうだから。

そうして溢れてくる感情をコントロールできる自信もない。

趣味も無い私は、週末が嫌いだ。

家にいると鬱になりそうなので、天気のいい日は散歩に出るようにしている。

その日も何の目的も持たずにただひたすら歩いていた。

偶然通りかかった中古車屋の前で立ち止まった。

車なんて全く興味無いし、都心で車を所有するなんて勿体ないと思っていた。

だけど、その中古車屋に置いてあった小さな車から、私は目が離せなくなった。

ジっと見ていると、店員さんが私の方へ寄ってきた。

窓越しにニコニコしながら何か話しかけている。

「良かったら中に入って見ていかれませんか？」

彼はそう言っているようだった。

彼に言われるがままに私は店の中へ入って行った。

なんだか催眠術にかけられているような気分だった。