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しおりを挟む僕は玄関に戻り、カバンとゴミ袋を持って家を後にした。
ゴミ収集場に行くと、同じマンションの田中さんがいた。
「おはようございます、津田さん。」
「おはようございます、田中さん。」
田中さんは僕より一回り上で、お子さんが3人もいるお父さんだ。
彼もゴミ出し担当らしく、ゴミ出しの日は必ずここで彼に会う。
彼の会社と僕の事務所は同じ駅にあるので、そのまま一緒に通勤している。
「へぇ、流しの排水溝のゴムパッキン、使ってないんですか。」
「最初は使ってたんだけどね、ふと考えなおしてみると、アレって要らなくねって思ったんだ。だってさ、アレにつく汚れって気持ち悪くない?」
「確かに…。僕も触りたくないですもん!」
「でしょ? だからもう捨てて、ゴミ受けに水切りネット被せてそのままだよ。」
「でも、生ごみがネットに溜まったままの状態を見るのはちょっとアレじゃないスか?」
「溜まったらそのつど捨てるんだよ。その方がゴミ受けが汚れないし。ネットなんて安いしさ、使う量が増えたとて、掃除のストレスを考えたらむしろコスパがいいと思うんだ。」
「なるほどですね…」
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