おっぱいと東京

まんまるムーン

文字の大きさ
上 下
46 / 161

46

しおりを挟む


「津田君、私を危機から助けてくれたからよ! 覚えて無いの?」

「え?」

「ほら、私が変な男たちに絡まれていたの、覚えて無い? 危うく車に連れ込まれそうになったの! あの時助けてくれたじゃない!」

僕は遠い記憶を辿った。

そう言えば…確かあの時ハマっていたパトカーのサイレンのモノマネだ! 

女の子が絡まれていたから、陰に隠れてサイレンの真似をしたんだった!

「思い出した?」

「うんうん! あれ、浜辺さんだったの?」

「もう、ほんとに信じられない! 私だったって知らなかったの?」

「何と言うか…僕も怖かったから無我夢中で…」

浜辺は僕に呆れて笑った。

「でもね、津田君が覚えていようといまいと、私の初恋だったの。」

「そうだったんだ…。」

しおりを挟む

処理中です...