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しおりを挟む最近、ツイてない…。
いつも見ているわけではないけど、朝の情報番組の占いは、私が見る時はたいてい最下位。
育てている観葉植物は死に絶えた。髪型もきまらない。
昔は実家で一緒に暮らしている母が私の部屋の掃除や洗濯までしてくれていた。
しかし、いい年して一向に家を出ていく気配の無い娘にあきれ果てたのか、娘の自立を促さねばならぬという責任感が芽生えたのか、母は最近、私の身の回りの事を一切やってくれなくなった。
こうなってきたら全てがどうでもよくなってきた。
部屋を片付けたところでまた散らかるんだからそのままでいいような気がしてきた。
洗濯物もたたんでしまうよりベランダに干して渇いているのをそのまま来た方が合理的じゃない?
そして、一生懸命コーディネートをして出社しても誰も私に気を留めるわけではないし、髪形がきまらないところで、それに気づいてくれる人もいない。無駄な労力使うより、1分でも長く寝ていたい。
「そうよ! 誰が褒めてくれるわけでもないのに、がんばらなくていいのよ! がんばったところで、アイツ色気づいてない? なんて言われるのがオチじゃない!」
「…そうよね…」
カスミは唯一私の事を分かってくれる。
彼女といると、すごく安心する。
だけど…何故かカスミと話していると、体が重くなってきて、眠くなってくるんだ…
「チカコ! 今日の夜、空いてる?」
同僚のミワコが聞いてきた。
「予定は…無いけど…、どうして?」
「サワが大学時代の男友達連れてくるんだって! 飲みに行かない?」
「…う~ん…」
「行こうよ! サワの大学って名門でしょ! いい出会いがあるかもよ!」
ミワコは目を輝かせてはしゃいでいる。
「…気乗りしないんでしょ?」
「カスミ!」
「やめときなさいよ。どうせチカコはあの子たちの引き立て役になるだけだって!」
「…そうかもね…。でもせっかく私なんかを誘ってくれたのに断るのは…」
「知らないだろうから教えてあげる。本当はあの子たち、他の子を誘おうとしてたのよ。その子が体調悪くて行けなくなったからあなたを誘ったの。だっておかしいでしょ? 男の人たちと飲み会するのに当日にいきなり誘ってくるなんて! もっと前もって言ってくれたらお洒落な洋服だって着てこられたのに!」
「それもそうだね…。私、普段も地味な恰好だけど、今日はそれに輪をかけてどうでもいい服装だよ…」
「やめときな! 行ったってアイツらの引き立て役になるだけで恥をかくだけだよ。」
「そうだね!」
「ミワコ! 私、急用思い出しちゃった! 今晩行けないわ。ごめんね。」
「…そっか…。わかった。じゃあ、またの機会にね。」
ミワコは残念そうに立ち去った。
「…死ねばいいのに…」
「…え?」
「あんな人の事を見下してるような奴ら…死ねばいいのよ!」
ミワコの後ろ姿を睨みつけるカスミに背筋がゾっとした。
「…そこまで言わなくても。いいのよ、私こういうの慣れっこだから。」
「チカコは優しすぎるのよ。付け込まれるわよ…」
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