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自宅への招待
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その週の土曜日。
思いっきりおめかしをして、教えてもらった住所に行くと…。
「え…。ここ…?」
大きな門に広い敷地…。
地元でも有名な御屋敷…。
なんか高そうな石に『黒須』って表札ある…。
「確かに先輩の苗字も『黒須』…。」
ってことは、筋金入りの大金持ち…!?
「たどり着けて良かったよ。」
気づくと門の内側には先輩が立っている。
ギィィィィ…。
「お、お邪魔します。」
「本当は迎えに行きたかったんだけど、執事がうるさくてね…。」
玄関までの長い道のりを並んで歩く。
執事…。ほんとにいるんだ…。
「どうぞ」
大きくて立派そうな玄関を先輩が自ら開けてくれる…。
「失礼します。」
「今日は両親が不在だから、緊張しなくていいよ。さぁ、こっち。」
そう言うと広い屋敷内を先輩の後について歩く。
「実はさ、その古書あるのが古い書斎でね…。かび臭いからお香を炊いてるんだ。少し煙いかもだけどごめんね。」
「いえ、大丈夫です。」
家の広さにびっくりしながらも、小さい僕に歩調を合わせてくれる先輩に優しさを感じる。
「さぁ、ここだよ。どうぞ…。」
ギィッ…。
「お邪魔します。」
窓もなく、薄暗い…。
お香の煙とキャンドルの光が揺らめいて、一瞬で世界が変わる…。
「キャンドルの方が雰囲気あるだろ?」
ふふっといつもより楽しそうに、笑う先輩。
僕は促されるままに大きめのソファに座る。
なんかこのお香、甘い匂い…♡
いい匂いだからか、体の力が抜けてくる…。
「そして、これが噂の古書…。
一緒に見ようか…。」
僕の隣に先輩が座り、右手で僕の肩を引き寄せる。
「んっ…♡」
「ごめんね、キャンドルの光が小さくて…。」
ふるふると否定の意味で頭を振るも、手の置かれた右肩がなぜかジンジンと熱くなる。
「あっ、このページ…。」
先輩が嬉々として僕に見せつける。
「えっと、『人間男性を淫魔にして、孕ませる方法』…?って、えっ?あの?」
ど、どういうこと?
「立花くん…。君は『悪魔』を信じるかい…?」
「あ、悪魔ですか…?」
脈略のない質問に、言葉が詰まる。
「そう、『悪魔』…。」
「どうでしょう…。日本でも災害や病を妖怪として比喩する例もあるけど、居なきゃ説明のつかないこともあるし…。」
「うんうん。そうだね…。民俗学的な要素も多々ある…。だけどね、いるんだよ『悪魔』は。」
「え…?」
ぶわっと何か空気が変わる…。
「ああ…♡驚いた顔も可愛いね…♡」
左手で僕の右頬をなぞる先輩。
その顔はいつもの紳士的な笑顔ではなく、陶酔しているような笑みで…。
怖くなって、体を動かそうとするも…。
「え…?あれ…、なん、で…?」
「ふふっ…♡ちょーっと身体が動かなくなるお香なんだ…♡」
「なんで…?えっ…?」
「混乱させてごめんよ…。僕の質問に答えてくれたら、状況をきちんと説明してあげるからね…♡」
優しく肩を撫でられるも、『危険』『逃げろ』と本能が感じる。
「大丈夫…。ちゃんと説明するから。」
逃げたいと思っても身体が動かないんじゃ何も出来ない…。
先輩の言う通りにしないと、また何されるか分からない…。
「し、質問ってなんですか?」
「ありがとう。立花くん、君には今恋人もしくは好いている人はいるの?」
「えっ…?」
先輩は好きだけど…、よくわかんなくなってきた…。
「どうなの?」
「あっ、えっと、いないです…。」
「ほんとに?最初に君を『可愛い』って言った子は?いつも仲良いクラスメイトは?」
ガクガクと肩を揺さぶられて、血走った目で見つめられる。
「お、落ち着いてください…。初めて可愛いと言ってくれた子は、小さい頃の友達です。引っ越してからは会ってないし、そういう感情もないし。クラスメイトなんて同性だから、相手にもならないというかなんというか…。」
「良かったよ…。これで殺さずに済む…。」
何か今、不穏な台詞が聞こえたような…。
「では、初めから状況を伝えよう。」
にっこりと笑う先輩。
もう僕には聞くしか選択肢は無い。
「僕の家系はね、昔から退魔師をしていてね…。まぁ、僕はかなり才があったようで早い時期から退魔の仕事をしていたんだ。」
え…?退魔師…?先輩が…?
「まぁ、そこはいいんだけど…。倒した悪魔から面白い本を手に入れてね…。」
いや、さらっとすごいこと言ってるけど…!?
「禁術なんだけど、君に施したくてね…♡それで呼んだんだよ…♡」
「その禁術って…、まさか…?」
「そう、この『人間男性を淫魔にして、孕ませる方法』…♡」
「え…?なんで…?」
意味がわからない。なんで僕が淫魔になるの…?孕むって…?
「まぁ、孕ませるのは後々だけど…。」
お腹をスリスリと撫でる先輩にゾワゾワと悪寒がする。
『立花くん、いや尊…♡好きだ、愛してる…♡僕だけの淫魔になってくれ…♡』
ぎゅっと抱きしめられながら、耳元で甘い言葉を囁かれる…。
ドクッ…♡
不覚にも胸が高鳴る…。
怖いのに、嬉しい…。
よく分からない感情が渦巻いて、涙が流れる…。
「尊…♡」
ちゅっちゅっと目元にキスを落とされる…。
「なんで、人間のままじゃダメなんですか…?」
「淫魔はね、精気を吸い続けないと生きていけない…。特に契約後は契約者とは離れられないだよ…。だから、僕は君を淫魔にしたい…♡」
優しく抱きしめられるも、奥底にある『独占欲』や『束縛』を感じて…。
動かないはずの身体がガタガタと震え出す…。
「ぼ、僕の意思は…?き、拒否する権利は…?」
無いと思ってはいるが、恐る恐る聞いてみる…。
ニヤァ…。
綺麗な顔が不気味に笑う。
「尊、僕のこと好きだろ…?」
「えっ…?なんで、バレっ…!?」
「薄々気づいてた…。というか、そう仕向けたからね…♡」
優しく頭を撫でられる…。
やっぱり先輩に撫でられるの、好き…♡
「どうしても尊が嫌だというなら、『淫魔にして』って言うまで泣かせるけど…♡」
「え…!?」
なんか拷問とか、痛いことされる…?
「あっ、尊を傷つけるようなことはしないから心配しないで…♡」
この状況で何言ってるんだよ…。
「先輩のこと、好きだけど…。こんな怖いことする先輩は嫌いです。」
「そう…。」
あっ…。まずい…。
そう思った時には、既に遅く…。
どさっ…。
「こんな僕も好きになってもらわなきゃねぇ…♡」
力の入らない身体を押し倒されて、首元をれろんっと舐められる…。
「や、やめて…。こんなのいつもの先輩じゃない…。お願いだからっ…。」
「尊…。ごめん…。」
苦しそうな顔で、離れていく先輩。
お香も消して、電気をつける…。
一気に明るくなった部屋は思ったよりも広くて…。
思いっきりおめかしをして、教えてもらった住所に行くと…。
「え…。ここ…?」
大きな門に広い敷地…。
地元でも有名な御屋敷…。
なんか高そうな石に『黒須』って表札ある…。
「確かに先輩の苗字も『黒須』…。」
ってことは、筋金入りの大金持ち…!?
「たどり着けて良かったよ。」
気づくと門の内側には先輩が立っている。
ギィィィィ…。
「お、お邪魔します。」
「本当は迎えに行きたかったんだけど、執事がうるさくてね…。」
玄関までの長い道のりを並んで歩く。
執事…。ほんとにいるんだ…。
「どうぞ」
大きくて立派そうな玄関を先輩が自ら開けてくれる…。
「失礼します。」
「今日は両親が不在だから、緊張しなくていいよ。さぁ、こっち。」
そう言うと広い屋敷内を先輩の後について歩く。
「実はさ、その古書あるのが古い書斎でね…。かび臭いからお香を炊いてるんだ。少し煙いかもだけどごめんね。」
「いえ、大丈夫です。」
家の広さにびっくりしながらも、小さい僕に歩調を合わせてくれる先輩に優しさを感じる。
「さぁ、ここだよ。どうぞ…。」
ギィッ…。
「お邪魔します。」
窓もなく、薄暗い…。
お香の煙とキャンドルの光が揺らめいて、一瞬で世界が変わる…。
「キャンドルの方が雰囲気あるだろ?」
ふふっといつもより楽しそうに、笑う先輩。
僕は促されるままに大きめのソファに座る。
なんかこのお香、甘い匂い…♡
いい匂いだからか、体の力が抜けてくる…。
「そして、これが噂の古書…。
一緒に見ようか…。」
僕の隣に先輩が座り、右手で僕の肩を引き寄せる。
「んっ…♡」
「ごめんね、キャンドルの光が小さくて…。」
ふるふると否定の意味で頭を振るも、手の置かれた右肩がなぜかジンジンと熱くなる。
「あっ、このページ…。」
先輩が嬉々として僕に見せつける。
「えっと、『人間男性を淫魔にして、孕ませる方法』…?って、えっ?あの?」
ど、どういうこと?
「立花くん…。君は『悪魔』を信じるかい…?」
「あ、悪魔ですか…?」
脈略のない質問に、言葉が詰まる。
「そう、『悪魔』…。」
「どうでしょう…。日本でも災害や病を妖怪として比喩する例もあるけど、居なきゃ説明のつかないこともあるし…。」
「うんうん。そうだね…。民俗学的な要素も多々ある…。だけどね、いるんだよ『悪魔』は。」
「え…?」
ぶわっと何か空気が変わる…。
「ああ…♡驚いた顔も可愛いね…♡」
左手で僕の右頬をなぞる先輩。
その顔はいつもの紳士的な笑顔ではなく、陶酔しているような笑みで…。
怖くなって、体を動かそうとするも…。
「え…?あれ…、なん、で…?」
「ふふっ…♡ちょーっと身体が動かなくなるお香なんだ…♡」
「なんで…?えっ…?」
「混乱させてごめんよ…。僕の質問に答えてくれたら、状況をきちんと説明してあげるからね…♡」
優しく肩を撫でられるも、『危険』『逃げろ』と本能が感じる。
「大丈夫…。ちゃんと説明するから。」
逃げたいと思っても身体が動かないんじゃ何も出来ない…。
先輩の言う通りにしないと、また何されるか分からない…。
「し、質問ってなんですか?」
「ありがとう。立花くん、君には今恋人もしくは好いている人はいるの?」
「えっ…?」
先輩は好きだけど…、よくわかんなくなってきた…。
「どうなの?」
「あっ、えっと、いないです…。」
「ほんとに?最初に君を『可愛い』って言った子は?いつも仲良いクラスメイトは?」
ガクガクと肩を揺さぶられて、血走った目で見つめられる。
「お、落ち着いてください…。初めて可愛いと言ってくれた子は、小さい頃の友達です。引っ越してからは会ってないし、そういう感情もないし。クラスメイトなんて同性だから、相手にもならないというかなんというか…。」
「良かったよ…。これで殺さずに済む…。」
何か今、不穏な台詞が聞こえたような…。
「では、初めから状況を伝えよう。」
にっこりと笑う先輩。
もう僕には聞くしか選択肢は無い。
「僕の家系はね、昔から退魔師をしていてね…。まぁ、僕はかなり才があったようで早い時期から退魔の仕事をしていたんだ。」
え…?退魔師…?先輩が…?
「まぁ、そこはいいんだけど…。倒した悪魔から面白い本を手に入れてね…。」
いや、さらっとすごいこと言ってるけど…!?
「禁術なんだけど、君に施したくてね…♡それで呼んだんだよ…♡」
「その禁術って…、まさか…?」
「そう、この『人間男性を淫魔にして、孕ませる方法』…♡」
「え…?なんで…?」
意味がわからない。なんで僕が淫魔になるの…?孕むって…?
「まぁ、孕ませるのは後々だけど…。」
お腹をスリスリと撫でる先輩にゾワゾワと悪寒がする。
『立花くん、いや尊…♡好きだ、愛してる…♡僕だけの淫魔になってくれ…♡』
ぎゅっと抱きしめられながら、耳元で甘い言葉を囁かれる…。
ドクッ…♡
不覚にも胸が高鳴る…。
怖いのに、嬉しい…。
よく分からない感情が渦巻いて、涙が流れる…。
「尊…♡」
ちゅっちゅっと目元にキスを落とされる…。
「なんで、人間のままじゃダメなんですか…?」
「淫魔はね、精気を吸い続けないと生きていけない…。特に契約後は契約者とは離れられないだよ…。だから、僕は君を淫魔にしたい…♡」
優しく抱きしめられるも、奥底にある『独占欲』や『束縛』を感じて…。
動かないはずの身体がガタガタと震え出す…。
「ぼ、僕の意思は…?き、拒否する権利は…?」
無いと思ってはいるが、恐る恐る聞いてみる…。
ニヤァ…。
綺麗な顔が不気味に笑う。
「尊、僕のこと好きだろ…?」
「えっ…?なんで、バレっ…!?」
「薄々気づいてた…。というか、そう仕向けたからね…♡」
優しく頭を撫でられる…。
やっぱり先輩に撫でられるの、好き…♡
「どうしても尊が嫌だというなら、『淫魔にして』って言うまで泣かせるけど…♡」
「え…!?」
なんか拷問とか、痛いことされる…?
「あっ、尊を傷つけるようなことはしないから心配しないで…♡」
この状況で何言ってるんだよ…。
「先輩のこと、好きだけど…。こんな怖いことする先輩は嫌いです。」
「そう…。」
あっ…。まずい…。
そう思った時には、既に遅く…。
どさっ…。
「こんな僕も好きになってもらわなきゃねぇ…♡」
力の入らない身体を押し倒されて、首元をれろんっと舐められる…。
「や、やめて…。こんなのいつもの先輩じゃない…。お願いだからっ…。」
「尊…。ごめん…。」
苦しそうな顔で、離れていく先輩。
お香も消して、電気をつける…。
一気に明るくなった部屋は思ったよりも広くて…。
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